《クリフエッジシリーズ第四部:「激闘! ラスール軍港」》第十一話
宇宙歴SE四五一九年十二月二十八日、標準時間〇〇:〇〇。
サミュエル・ラングフォード佐がスヴァローグ帝國の特使セルゲイ・アルダーノフと渉していた頃、クリフォード・コリングウッド中佐は高機揚陸艦ロセスベイ1の宙兵隊の一個中隊に対し、デューク・オブ・エジンバラ5號(DOE5)に乗り込むよう命じていた。
宙兵隊員が乗り移るまでの時間を利用し、護衛艦の艦長らを集めて作戦會議を行っている。
「敵軽巡航艦を宙兵隊によって奪取する。指揮は私が執る。私が不在の間はリックマン中佐に戦隊の指揮をお願いしたい。各艦は私が軽巡航艦を奪取した後、速やかに発進できるよう準備を頼む」
「降伏するという通信がった時にはまさかと思ったが、さすがは“クリフエッジ”だな。しかし、自ら“斬り込み隊”を指揮すると言い出すとは思わなかった。戦隊の指揮を執ることは構わんが、私が突部隊の指揮を執った方がよいのではないか」
リックマンがそう言って聲を掛けるが、クリフォードは首を橫に振る。
「私でなくてはならないのです。職制上、宙兵隊の指揮を執れる宙軍士は私だけですから。中佐には私が失敗した際の後始末をお願いすることになりますので、心苦しいのですが」
クリフォードの言葉に不吉なものをじたのか、「失敗しても死ぬなよ」と言うが、その表はいつになく真剣だった。
「ええ。私もこんなところで死ぬ気はありません。子供も生まれたばかりですし」
そう言って笑うが、駆逐艦シレイピス545の艦長シャーリーン・コベット佐が真面目な口調で疑問を口にする。
「この作戦が功したとして、戦力差はそれほどまらないのでは。シャーリア軍に期待した方が安全だと思います」
「確かにその手もあるが、シャーリア法國の上層部が帝國を恐れている。この狀況で時間を掛けた場合、どちらに転ぶか分からない。今回の作戦が失敗した場合はシャーリアに期待することになるが、しでも彼らが我々に有利な決斷をするように、こちらも努力した方がいい」
シャーク123號の艦長イライザ・ラブレース佐が発言する。
「小も作戦に參加させていただけませんか。海賊相手に突作戦の経験があります」
クリフォードはその言葉を予想していたのか、即座に斷った。
「駄目だ。今回の作戦には宙兵隊から一個中隊が參加する。人數的には充分に足りている。それに護衛艦を即座に発進させるかもしれない。その場に艦長がいない狀況は避けるべきだ」
ラブレースはクリフォードの意見が正論であり、「分かりました」と言って引き下がるしかなかった。クリフォードはラブレースが不満を持っていることに気づいたが、この危機的狀況では手を打つ余裕はなかった。
「私はこれからDOE5に戻る。リックマン中佐にはシャーリアのスライマーン佐にこの作戦の概要を説明し、協力を依頼していただきたい」
「協力と言うと?」
「帝國側を牽制するために、軍港付近での戦闘は敵対行為であるとして、攻撃も辭さないと警告するよう依頼してほしいのです。敵艦への攻撃は不要ですが、ミサイルが発された際は撃破すると警告してもらうようお願いしていただきたい」
リックマンは「了解した」と言って頷き、それで解散となった。
クリフォードはDOE5に戻ると、Jデッキに押し込められた宙兵隊員に聲を掛ける。
「多裝甲は厚いが、武裝商船への突と大して変わらないはずだ! 貴君らであれば問題ない! 土産にしてはちょっと大きいが、帝國の軽巡航艦を土産に帰國するぞ!」
その言葉に宙兵隊員からどっと笑いが起きる。當初は厳しい訓練に反発していた宙兵隊員だったが、クリフォードの丁寧な説明と率先して訓練に參加する姿勢に彼らも一目置くようになっていたのだ。
しかし、彼が言うほど軍艦への突作戦は簡単なものではない。
商船に比べ外部裝甲は厚く、通常の手段では開口部を開けることは困難だ。また、部も減圧や放線からの防護を考慮し、各區畫を分離するハッチは重厚なもので、それを破壊しながら戦闘指揮所CICや急対策所ERCなどに進むことは現実的ではない。
今回はDOE5の宙兵隊と掌帆手ボースンズメイト、技兵テックが第一突部隊として通常の出口である舷門ギャングウェイから侵し、敵艦のシステムを乗っ取りハッキングして格納庫のハッチを開放する。
そして、主力部隊である宙兵一個中隊を突させる計畫だが、敵も當然警戒しているため、第一突部隊が早期に敵を制圧し、システムを奪取できるかがこの作戦の鍵となる。
もし、システムのハッキングに失敗した場合は、外側からメンテナンス用の開放機構を作してハッチを開放することになるが、これには時間が掛かるため、宇宙空間で待機する宙兵隊が危険に曬される可能が高い。
幸いにして帝國艦の構造はここ數十年変わっておらず、標準型軽巡航艦の構造は鹵獲した艦から分かっている。また、戦で疲弊している帝國はアルビオンやゾンファに比べ、科學技の更新が遅く、セキュリティシステムも數世代遅れていると言われていた。
クリフォードは第一突部隊の要員を集め、作戦容の再確認を行っていく。
「舷門が接続されたら、書に扮した航法長マスターが敵の注意を引く。パターソン大尉は殿下を送り出す宙兵隊の指揮として振る舞ってくれ。敵が完全にDOE5にったところで一気に殲滅し、舷門を確保する。プロクターとコールは敵艦に乗り移ったら直ちにシステムに侵し、格納庫のハッチを開放する。重要な點は初で敵に気づかれないことだ。分かったな……」
航法長マスターであるハーバート・リーコック佐は「了解しました、艦長アイ・アイ・サー」と張気味に答える。
掌帆手ボースンズメイトであるロビー・プロクター二等兵曹はベテランらしい冷靜さで準備を行い、技兵テックであるサリー・コール上等兵は危険な任務に張しながらも、生きた敵艦のシステムに侵するという行為に興を隠し切れない。
そんな彼にクリフォードはどの程度の時間でシステムに侵できるかと尋ねた。
「人工知能AIのサポートがあれば三分以にロックは解除してみせます。ヤシマのシステムなら別ですが、帝國のシステムはだらけですから」
彼は技兵養學校でスヴァローグ帝國のシステムについて學んでおり、笑顔を浮かべて自信を見せる。
「しかし、それは二十年以上前の報だ。油斷するな。プロクターと協力して最短時間で頼む」
クリフォードはそう言ったものの、帝國が伝統的に部からの侵に対し、防に消極的であると楽観していた。
これは戦が頻発する國から、部に侵されるような狀況になった場合、即座に降伏すれば、命だけは助かることが多いことと、防システムを強化しても敵も同じシステムを使っているため、メンテナンス用のシステムなどを使って抜けを見つけられてしまい、効果が薄かったためだ。
侵に対してもう一つ有利な點は帝國側が宙兵隊を警戒していないだろうということだ。
揚陸艦が隨行しているため、宙兵隊がいることは敵も分かっているが、王太子が最上級の重要人VIPであるため、儀禮上必要な儀仗兵であるという思い込みがある。実際、クリフォードが鍛え上げていなければ、その通りであったため、実戦部隊と考える方が無理があった。
今回の第一突部隊は宙兵隊のアルバート・パターソン大尉がDOE5の宙兵隊員二十名の指揮を執り、舷門を確保した後、のため、理的に隔壁を破壊しながら突する。その間にリーコックがプロクターとコールの二名を使ってシステムに侵し、格納庫のハッチと各隔壁の扉のロックを解除する。
クリフォードはロセスベイ1の宙兵一個中隊を率いて、宇宙空間から敵艦の格納庫ハッチ前に取り付き、ハッチが開放され次第、突する。彼の指揮下には掌帆手や機関士がおり、敵艦の主要制室を奪取後、制系を破壊し行不能にする。
宙兵隊員には軽巡航艦を奪取すると言ったが、それは景気づけに言ったに過ぎず、最初から奪うつもりはなかった。最悪の場合は自沈させることも考えているが、軍港の近いため、デブリ等が撒き散らされることを考え、最後の手段と考えている。
(だらけの計畫だが、上手くいけば敵の軽巡航艦を行不能にできる。敵も王太子殿下の儀仗兵が攻め込んでくるとは思うまい。その油斷を突くしかない……しかし、リーコック佐が志願してくるとは思わなかったな……)
當初、彼はリーコックではなく、副戦士のブライアン・バージェス大尉を指名していた。しかし、作戦會議の場でリーコックが志願したのだ。
「最先任士である小が指揮を執るべきと考えます。ご再考を」
こういった作戦の場合、先任から志願の意思を確認することが慣例であったが、クリフォードは臨機応変の対応が求められる今回の作戦にリーコックは不向きであると考えていた。そのため、慣例を無視してバージェスを指名したのだが、彼はそれに異を唱えた。
クリフォードは議論の時間が惜しいことと、下士が優秀であるため問題ないだろうと考え、「佐に指揮を任せる」と答えた。
彼にしては珍しく、その後自分の判斷が正しかったのか悩むが、既にき出した計畫を修正する時間はなかった。
標準時〇一〇〇
DOE5はサミュエルの指揮の下、ゆっくりと係留場を離れていく。
同じようにスヴァローグ帝國の軽巡航艦ルブヌイも戦隊から離れ、ラスール第二軍港に向かってくる。
しかし、帝國の指揮アルダーノフはクリフォードの予想以上に慎重だった。駆逐艦一隻を同行させ、不測の事態に対応させようとしていたのだ。
更に王太子がDOE5に乗っていることを確認するため、本人との通信をみ、クリフォードもそれを許可していた。
サミュエルはこの狀況を憂慮し、クリフォードに伝える。
「不味い狀況です。敵は思った以上に慎重です。この狀況でこちらが敵軽巡航艦に攻撃を仕掛けたことが知られれば、即座に駆逐艦から攻撃をけます。中止しますか?」
元々の計畫では敵の軽巡航艦をおびき寄せ、接舷した狀態で突するため、敵も近すぎて攻撃できない。その隙に軽巡航艦を奪取もしくは無力化するつもりだったが、駆逐艦がいることにより、かに敵軽巡航艦に取り付くことが難しくなる。
「このまま続行する」
サミュエルから了解の回答が返ってくるが、クリフォードは心では更に分が悪くなったと思っていた。
(船外活用防護服ハードシェルを著ているとはいえ、対宙レーザーで撃たれれば何の役にも立たない。敵が戸ってくれればいいんだが……敵がミスをする前提というのは作戦としては完全に落第だな……)
そんなことを考えながらも宙兵隊員たちに明るい調子で話しかけていた。
「私より速く飛べた者には配給酒グロッグを一杯追加支給する!」
その言葉に宙兵隊員たちから「「オウ!!」という歓聲が上がる。
「宙軍士に負ける宙兵隊員はいないと思うが、私より遅かった者は艦清掃の超過勤務を與えるからな!」
その言葉にはブーイングが起きるが、すぐに笑い聲が起きる。
「艦長は撃も上手いし、度もあるんです。宙軍士より宙兵隊士の方がよっぽど向いていますよ! だから、超過勤務の話はなしにしてください!」
お調子者の兵士がそうぶと更に笑い聲が大きくなった。
クリフォードは彼らを率いていけば敵艦への侵という困難な任務も、簡単に達できるのではないかと思い始めた。
サミュエルの演技と王太子がいるという事実から、帝國側はアルビオン側が降伏することに疑問をじていなかった。
旗艦艦長のニカ・ドゥルノヴォ大佐が一度だけ警告を発している。
「敵には宙兵隊がいます。接舷する必要はないのではありませんか」
それに対し、アルダーノフは呆れた表で「心配は無用だ」と言い、
「敵の宙兵隊は儀仗兵に過ぎん。それに王族に相応しい待遇をすると約束したのだ。ここで雑用艇を向かわせれば、相手は態度を化する。それに突してくるようならチューブを切り離せばよいだけだ。慎重になるのもよいが、無用に怯えるのは士気を下げる。以後、注意してくれたまえ」
アルダーノフの言い方にドゥルノヴォは怒りを覚えるが、「了解しました、司令」とだけ答え、自艦の指揮に専念していった。
DOE5とルブヌイが平行に並んだ。
そして、ルブヌイ側からチューブ上の通路がばされていく。
サミュエルは第一正裝をに付け、更にには先の戦いで勲した銀星勲章を付けて、舷門で待機していた。彼の橫には民間人用の簡易宇宙服スペーススーツを著て所在無げなリーコックがいる。
他にも見送りの乗組員がいるが、帝國軍を警戒させないため、王太子の荷を運ぶ兵士に偽裝した二等兵曹のプロクターと技兵のコール以外は簡易宇宙服スペーススーツを著用していなかった。
更にパターソン率いる宙兵隊員二十名がパレード用の純白の船外活用防護服ハードシェル姿で整列していた。
通常の舷門での見送りにハードシェルを著用することはないのだが、を知らない帝國の士が見る限りにおいては違和を覚えないほど堂々としている。
くすんだ紺の軍服を纏ったスヴァローグ帝國士が舷門をくぐってきた。その士は三十半ばの鋭い目付きの男だが、ハードシェル姿の宙兵隊員に驚き、一瞬眼を見開いて歩みを止める。しかし、宙兵隊下士が直立不で國旗を掲げていることから、そのような慣習なのだろうと考え、すぐに興味を失い、再び歩き始めた。
そして、サミュエルの前で止まると拳を額に付けるような敬禮を行った。
「銀河帝國軍軽巡航艦ルブヌイの艦長クゼフ中佐である。エドワード王太子殿下をお迎えしに參った」
サミュエルは指先をばすアルビオン式の答禮を見事な所作で返す。
「アルビオン王國軍デューク・オブ・エジンバラ5號の指揮代行、サミュエル・ラングフォード佐です」
そして、リーコックが前に出る。彼はこの任務を自ら買って出たのだが、張のあまり額に汗が噴き出しており、聲が震えている。
「ひ、書のリーコック子爵です。で、殿下はすぐにお見えになりますのでしお待ちください」
クゼフは極度に張しているリーコックを一瞬不審に思ったが、すぐに彼が軍人ではなく、まぬまま同行させられ、怯えているのだと納得する。
リーコックはクゼフに話しかけようとしたが、言葉が出てこず、サミュエルが代わりに雑談をして注意を引き付けていた。
その間にクゼフの部下十五名もDOE5側にっており、舷門付近で待機していた。十名が護衛らしくブラスターライフルを手に持っていた。殘り五名は王太子の荷に危険が仕込まれていないかを確認する技兵だ。
突然、アルビオンの國歌が大音量で流される。その音にクゼフたちは驚くが、何も起きなかったことからすぐに落ち著きを取り戻す。
そして、宙兵隊の軍曹がその音量に負けないほどの大聲で王太子の登場を宣言した。
「アルビオン王國第一王位継承権所持者にして、プリンス・オブ・キャメロット、エドワード王太子殿下に捧げ、筒!」
その言葉にクゼフたちの視線が舷門の奧の扉に集中する。
次の瞬間、宙兵隊員たちがバシッという音を立てて、一斉にブラスターを持ち上げた。しかし、それは掲げられることなく、帝國軍に向けられた。
國歌が流れる中、「撃て!」というパターソンの命令が発せられる。
クゼフは何が起きたのか分からないまま、額を打ち抜かれて死亡した。更に隨行していた彼の部下たちも通常のスペーススーツしか著用していなかったため、散発的な反撃を行ったものの、十秒とかからずに殲滅される。
「突せよ!」というパターソンの命令が響き、宙兵隊員たちは接続チューブに殺到していく。
「航法長マスター、後は頼みます。私はCICで指揮を執ります」
サミュエルは未だにきが鈍いリーコックに不安をじながらも、CICに向かって走り出した。
帝國側は完全に不意を突かれた。
ルブヌイには奇襲を考慮し、即座にチューブを切り離すための下士がおり、彼らも武裝はしていた。しかし、大音量で流される國歌によってDOE5側での戦闘音がかき消され、異常に気付かなかった。
そこにハードシェルの推進ジェットパックを生かしたパターソンら宙兵隊の突撃をけ、不意を突かれたルブヌイ側は反撃する間もなく駆逐されていく。
最初の発砲から、僅かに三十秒。奇襲は完全な形で功した。
リーコックは自分が何をすべきか一瞬分からなくなった。こういった戦闘どころか、通常の艦での戦闘経験すらないため、頭が真っ白になったのだ。
「佐、我々も向こうにいくんですよね。命令してください」
プロクターにそう言われ、ようやく我に返る。
「直ちにルブヌイに移れ! コールはAI用の端末を持ってプロクターの後ろに続け!」
そう命じると、二人は接続チューブを飛ぶように抜けていく。
リーコックは自分も後を続こうとしたが、自分が軍服でないことに初めて気づいた。
(このまま向こうに渡って捕まったら、軍人として扱ってもらえないんじゃないか? スパイとされて捕虜になったら拷問も……著替えるべきだろうか……こんな任務に志願するんじゃなかった……向こうに渡れば私は殺される……)
そのオロオロと狼狽する姿に、殘っていた下士たちが呆れるが、士に対して命令するわけにも行かず、冷めた目で見ていた。
ただ一人、ブライアン・バージェス大尉が彼に聲を掛けた。彼はDOE5側を確保するために、この場に待機するよう命じられていたのだ。これは本來リーコックがけ持つ任務だった。
「リーコック佐! すぐに向こうで指揮を! 一刻を爭うんですよ、分かっているんですか!」
それでもリーコックはきそうになく、彼は個人用報端末PDAでCICに「リーコック佐は調不良。バージェス大尉が指揮を引き継ぐ!」と一方的に通告すると、近くにあった簡易宇宙服スペーススーツを暴に摑むと、そのまま接続チューブに駆け込んでいった。
殘されたリーコックは呆然としたまま、その場に立ち盡くしていた。周りでは下士や兵たちがバタバタと走り回っているが、彼に注意を払う者は誰もいなかった。
バージェスはプロクターらに合流すると、すぐに「リーコック佐に代わって私が指揮を執る」と言い、スペーススーツを著ながら狀況を報告するよう命じた。
プロクターはコールの作を見ながらプロらしい冷靜な口調で答えていく。
「システムへの侵は功しました。二十年前とほぼ同じで、パッチ當て程度しかされていません。上手くいけば、艦全の制を一時的にダウンさせることができそうです」
「了解した。だが、まずは格納庫のハッチだ。どのくらいで開放できそうだ?」
「あと二分ください」とコールが代わって答える。
バージェスはそれに頷くと、すぐにクリフォードに連絡をれる。
「こちらバージェス大尉。ハッチの開放はあと二分で完了します。突準備をお願いします」
クリフォードから「了解」の答えが返ってくるが、彼が指揮を執っていることに対する問合せはなかった。
(さすがは歴戦だな。こんなところで無駄な時間は使わないということだな……しかし、帝國の人口知能AIの能が思った以上に低い。帝國の方が自化は進んでいるはずなのだが……)
スヴァローグ帝國は繰り返される戦の影響で絶えず人材不足に悩まされていた。そのため、航宙艦の乗組員もアルビオンなどに比べてなく、自化やロボット化が多く取りれられている。もちろん、アルビオンでも自化は進められているが、帝國では人間の判斷が必要なところにまで自化が進められているが、思った以上に自化技はしていなかった。
これも戦の影響だった。
工業國ヤシマは別格だが、帝國の技者がアルビオンやゾンファに比べて最初から劣っていたわけではない。
しかし、帝國では慢的な戦狀態であり、各藩王軍の人材不足は常態化していた。そのため、帝國軍は航宙に必要な技者を産業界から徴用するしかなく、その影響が工業力の低下を招いていた。
また、手っ取り早く技を輸しようとしても、易が可能な星系はタジボーグ星系しかない。しかし、タジボーグは帝國の三つの星系で最も生産力がなく、外貨獲得の手段がほとんどなかった。そのため、ヤシマの最新技が目の前にあるにも関わらず、舊式の設備しか購できなかった。
これらの要因が重なり、帝國の技開発は停滯し、アルビオンなどに水を開けられていた。
皇帝アレクサンドル二十二世はこれを憂慮し、國力の回復を考えていたが、権力維持のため、政には目を瞑り、外に目を向けざるを得なかった。
今回は別だが、帝國の艦船がアルビオンやゾンファのものに大きく劣るわけではない。
基本的な能はここ數百年、どの國も変わっておらず、帝國もアルビオンの艦船を拿捕するなどして研究しており、圧倒的な差は生じていない。
逆に艦種を限定した生産の高さは、新型艦に絶えず更新しているアルビオンに比べ、整備や補給の容易さの面で有利であり、継戦能力の高さは他國に脅威を與えている。
つまり、今回のような特殊な作戦が行われなければ、弱點とは認識されない程度のことだったのだ。
バージェスはその疑問を頭から締め出し、「あと一分です、艦長サー!」とぶ。
クリフォードから「了解した」という聲が聞こえ、更に「宙兵隊、発進用意!」という命令が聞こえてきた。
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