《クリフエッジシリーズ第四部:「激闘! ラスール軍港」》第十五話
宇宙歴SE四五一九年十二月二十八日、標準時間〇五三〇
無人の高機揚陸艦、ロセスベイ1は自縦によって靜かに出港した。その後ろにDOE5と駆逐艦三隻が追従し、単縦陣を形している。
クリフォードは重巡航艦を上回る防力のロセスベイを盾にし、敵の攻撃力を封じる作戦に出た。
るように宇宙空間に飛び出すと、ロセスベイは軌道エレベータのシャフトに沿うように、最大加速度五kGで加速を開始する。
帝國側も手を拱こまねいていたわけではなかった。
帝國側の各艦はラスール軍港を形する軌道エレベータの延長上にあった。
その距離は軍港の先端にある第一軍港から約二十四萬キロ。
帝國の指揮、セルゲイ・アルダーノフ將はロセスベイを先頭に出港してきたことを確認すると、直ちに攻撃開始を命じる。
「敵は揚陸艦を盾に出するつもりだ! 揚陸艦より軽巡航艦、駆逐艦に攻撃を集中せよ。だが、軽巡航艦は沈めるな。ある程度痛めつけて降伏させるのだ!」
この時、彼は全艦が出港したことから、DOE5に王太子が乗っていると確信した。
(軍港が導師イマーム派に取り戻されることは火を見るより明らかだ。だとすれば、そのような場に王太子を単置き去りにすることはない。恐らく揚陸艦が沈むまでの時間を利用して加速するつもりなのだろう……ならば、こちらは敵が採り得る航路を押さえればいい。駆逐艦は全滅させても構わんから、ミサイルで一気に沈めてやろう。加速し終わる前に駆逐艦が全滅すれば必ず降伏するはずだ……)
アルダーノフはそう考え、旗艦艦長ニカ・ドゥルノヴォ大佐に命令を出した。
「軍港への影響の恐れがなくなったところで、駆逐艦を一気に殲滅する。最初のタイミングは軍港の対宙レーザーの程から出たところだ。発基數は君に任せる。各艦と連攜して確実に仕留めてくれたまえ」
彼の命令にドゥルノヴォは黙々と従っていく。しかし、言葉で言うほど簡単なことではなかった。
軽巡航艦シポーラには十本のミサイル発管があり、駆逐艦にも各四本が備えられている。一斉に発すれば、三十基のステルスミサイルが発できるが、大型ミサイルである“影チェーニ”は搭載できる數が制限され、二連分しかない。つまり、一斉発では二度のチャンスしかないことになる。
當然のことだが、攻撃回數を増やそうとすれば、一回當たりのミサイル數が減る。いかにステルスに優れているとはいえ、ミサイルの數がなければ、対宙レーザーの餌食になるだけだ。
タイミングはともかく、どれだけの數を発するか、その判斷が最も難しい。
ドゥルノヴォはその困難さに頭を悩ますが、実戦経験のないアルダーノフはそのことに気づいていない。
彼はドゥルノヴォに攻撃を任せると、アルビオン戦隊に向けて降伏勧告を行った。
「アルビオン戦隊に告ぐ。直ちに機関を停止し、降伏せよ。降伏の意思を見せぬのであれば、次期國王もろとも貴戦隊を殲滅する」
しかし、アルビオン側は一切反応せず、加速を続けていった。
その間にもラスール軍港から戦闘行為の停止の警告がばれ続けていた。
「國籍不明艦に警告する! 直ちに砲撃を中止し、本星系から立ち去れ! 砲撃を継続するのであれば、実力で排除する……」
帝國戦隊の各艦は未だに國籍を明確にしておらず、敵味方識別裝置IFFを切ったままだった。
「実力で排除するだと。やれるものか」とアルダーノフは嘲笑する。
「軍港には當てるな。占領後に必要になるからな。“影チェーニ”は軍港の対宙レーザーの程範囲外で一斉発だ……」
彼は圧倒的に有利な狀況での戦闘に高揚し、ドゥルノヴォに任せたはずの発基數も自分で決めてしまった。
(結局自分で決めているではないか。私も同じ判斷だからよいが、これでは先が思いやられる……)
ドゥルノヴォは結果として自分の判斷と同じだったため、何も言わなかった。そのため、アルダーノフはドゥルノヴォを無視したことに気づいていなかった。
■■■
クリフォードが指揮するアルビオン戦隊は軌道エレベータのシャフトから僅か數キロの位置で回避運を加えながら、帝國戦隊に向けて加速していく。
既に加速開始から三十秒。二萬キロ以上を進み、速度は秒速約千五百キロに達している。
この速度において、巨大なシャフトから僅か數キロしか離れていない場所で、回避運を行うことは冒険というより無謀だ。
角度が〇・一度ずれた狀態が僅か一秒続けば、二・六キロもずれ、シャフトへ衝突する危険がある。
現狀では敵の砲撃を回避するため、舵手による手回避が加えられており、いかに人工知能AIの支援をけているとはいえ、手回避を補正しきれなければシャフトに激突する恐れがあった。
しかし、クリフォードは加速と手回避を継続させた。舵長コクスンはスクリーンに映る巨大なシャフトに慄おののきながら艦をっていく。
この努力は果を上げていた。事実、軌道エレベータ付近において、アルビオンの各艦は損傷をけていない。
出港後五十秒で軌道エレベータの上端部、第一軍港を通過する。それでも速度は〇・〇一C速にも屆かない。
クリフォードはここからが正念場だと考え、気合をれ直す。
「ここからは敵の攻撃が更に激しさを増す。だが、こちらも反撃に転じるぞ。主砲発用意!」
この時、帝國側は全速での後退でラスール軍港から離れる機を行っていた。しかし、主機関での機ではないため、その加速力は小さく、相対速度を僅かに減らす程度の効果しかない。
「ロセスベイ1被弾! 前面スクリーン能力五十パーセント低下!」
報士であるクリスティーナ・オハラ大尉がいつもより迫した聲で報告する。
「了解」とクリフォードは靜かに答えるが、戦士であるベリンダ・ターヴェイ佐には強めの口調で命令を発した。
「敵駆逐艦に向けて主砲発!」
「了解しました、艦長アイ・アイ・サー!」という艶つやのある聲が返ってくる。
その直後、DOE5の主砲である中子砲が発された。メインスクリーンに模擬的に映し出された中子の柱が真直ぐ敵に向かっていく。
しかし、初弾は敵の機によって回避される。
「主砲は撃ち続けるんだ! 敵に余裕を與えるな!」
クリフォードの命令にターヴェイと彼の部下である掌砲長ガナーが応える。
彼はその応答を聞きながら、敵の次の手を打った。
「全艦に命令! ファントムミサイル一斉発せよ! 加速は最大加速で十秒!……発!」
DOE5と三隻の駆逐艦から計八基のステルスミサイルが発された。
十秒間の加速中は敵の対宙レーザーの程外であり、充分な速度とはいえないものの、加速を終えたミサイルは味方の監視裝置からも消えていく。
(この距離ならあと四十秒ほどで敵に到達する。一隻でも沈められればいいのだが……沈められずとも敵が順調だと思ってくれればいい……)
ミサイルの発を命じたものの、彼はその効果にほとんど期待していなかった。
彼が狙ったのは敵が順調だと思い込むことだ。こちらが自棄になってミサイルを発し、有効な反撃手段が減っていると思ってくれれば、油斷が生じると考えたのだ。
■■■
同じ頃、アルダーノフは思ったより敵に損害を與えられないことに苛立っていた。
「敵のミサイルは駆逐艦とスループ艦に対応させろ! しかし、軍港を離れたのになぜダメージが與えられんのだ。集中的に攻撃を加えられるはずだろう!」
旗艦艦長のドゥルノヴォは戦闘指揮を行いながら、靜かに反論する。
「敵は揚陸艦を巧みに使っております。あの揚陸艦の防スクリーンは重巡航艦並。シポーラの主砲だけでは有効な打撃は加えられません」
アルダーノフはに任せて反論しようとしたが、ドゥルノヴォの言った意味を理解したため、唸るだけでそれ以上何も言わなかった。
(この位置からミサイルを放っても軍港の迎撃システムに撃ち落される。あと二十秒ほどか……)
アルダーノフはミサイル発のタイミングを確認すると、すぐに命令を発した。
「ミサイル攻撃を掛ける! 揚陸艦に六、各駆逐艦に八基ずつ放て!」
現在の相対速度は〇・〇一一速C、秒速三千四百キロほどだが、相対距離が十九萬キロを切っており、ステルスミサイルの加速度を調整すれば、軍港の対宙レーザーの程外で攻撃できる。
各艦からの了解の聲が返ってくると、すぐに「ミサイル発」と命令を発する。
メインスクリーンに三十基のミサイルのアイコンが示され、それは敵戦隊に真直ぐ向かっていった。
(これで敵揚陸艦は沈められるはずだ。駆逐艦も最低一隻、上手くすれば二隻は沈められる。あとは逃がさないようにミサイルと主砲よる波狀攻撃で軽巡航艦にダメージを與えればよい……)
アルダーノフはそう考えながら、メインスクリーンに映るミサイルのアイコンを目で追っていく。
二十五秒後、帝國のステルスミサイル“影チェーニ”はアルビオン戦隊と夾叉きょうさした。
加速中に五基のミサイルが破壊されたものの、二十五基がアルビオン戦隊に襲い掛かった。
アルダーノフは勝利を確信し、笑みを浮かべる。
(あれだけの數を全數撃ち落すことは無理だ。駆逐艦も全滅させられるぞ……)
しかし、その笑みは二秒後に驚愕に代わった。
「敵揚陸艦に一発命中! 駆逐艦一隻、至近弾! その他はすべて喪失……敵揚陸艦、戦列を離し漂流中!」
シポーラの戦闘指揮所CICは一瞬沈黙に包まれた。
「なぜだ……何が起こったのだ」というアルダーノフの聲が響く。
「閣下、まだ戦闘中です! 次のご命令を!」とドゥルノヴォが聲を張り上げ、アルダーノフは我に返った。
「敵の揚陸艦がいなくなったのだ。駆逐艦を狙い撃ちにしろ!」
「敵がベクトルを変えました!」
報擔當士のびにメインスクリーンに目をやる。
そこには緩やかな弧を描くように旋回するアルビオン戦隊のアイコンが映し出されていた。
「敵は我が方の攻撃に恐れをなしたのだ! 敵の無防備な腹に攻撃を加えろ!」
彼の言う通り、アルビオン戦隊は帝國戦隊から離れるように機している。
「ミサイルが撃破された理由が判明しました! 敵は軍港の防衛システムを利用したようです!」
「何! 程外だったはずだ! なぜ當たったのだ!」
「敵はミサイル発後に速度を落としていたようです。そのため、軍港の防衛システムの程に留まれた模様です」
アルビオン戦隊は回避運に合わせて微妙に加速を調整していたのだ。
「なぜその報告が上がってこんのだ!」とアルダーノフは怒りを発させる。
戦擔當士は「申し訳ありませんでした」と謝罪するものの、戦闘機では加速度を頻繁に変えることは常識であり、更にメインスクリーンや指揮用コンソールに敵の速度報はリアルタイムで表示されていた。彼はそれを見逃した指揮のミスだと考えていたのだ。
「まあよい。後退を中止し敵を追撃する!」
アルダーノフは敵の策に乗せられてしまったことに怒りをじていたが、それでも敵を追い詰められたと余裕を取り戻す。
(これで敵の退路を斷てたのだ。ミサイルはまだある……)
その時、彼の耳にドゥルノヴォの聲がってきた。
「敵ステルスミサイル接近。全艦迎撃せよ」
アルダーノフは恐慌に陥りそうになったものの、僅か八基のミサイルであれば充分に対処できるとすぐに落ち著きを取り戻す。
彼の考えどおり、アルビオンのファントムミサイルは駆逐艦とスループ艦の対宙レーザーによってすべて破壊された。
「敵は焦っているぞ! やはり若い指揮はこういう修羅場には慣れておらんようだ。この機を逃さず一気に護衛艦を殲滅するぞ!」
アルダーノフはそう言って鼓舞するが、ドゥルノヴォは冷靜だった。
(あの巧みな機を行った指揮が焦ってミサイルを放ったとは思えない。こちらを油斷させる策ではないのか? 実際、將は敵が焦っていると思い込んでいる。いや、それなら私が冷靜でいればいいだけだ……)
そう考えるものの、アルビオンの指揮に対して不気味さをじていた。
(敵の指揮は確かコリングウッド中佐だったな。若き英雄らしいが、それだけではない。ルブヌイを拿捕しようとした策といい、今回のステルスミサイルの無力化といい、司令の格を読んでいる気がする……この先、どのような手を打ってくるのだろうか……)
彼は興気味の司令を橫目に自らのコンソールを使い、敵の向を確認していく。
(確かに我々から逃れようと必死に機しているように見える。だが、本當にそうなのか? 何かたちの悪いペテンに掛かっているような気がしてならない……)
彼の目にもゆっくりとだが、アルビオン戦隊が離れていくように見えていた。
■■■
クリフォードは最初の難関を乗り切ったことに安堵していた。
(敵はこちらの速度を見誤った。あの司令なら引っ掛かってくれると思ったが、もし冷靜な參謀がいたら危なかった……)
彼が打った手は非常に単純だ。
戦隊の加速度は五kGを保ったままで、回避機に合わせてベクトルを上下左右に振っただけだ。但し、ラスール軍港から真直ぐに敵に向かっている針路からは大きく離れないようにしていたため、速度のパラメータに注視していなければ、初期の計算通りに進んでいると思い込む。
もちろん、艦の人工知能AIはそのことを示していた。しかし、今回は敵がアルビオン戦隊だけとの想定で、ラスール軍港は第三勢力という位置づけであったため、軍港から迎撃されるという明確な警告は発していない。これはアルダーノフのミスというより、戦士のミスだ。
また、ステルスミサイルのAIもアルビオン側の速度変化に気づき、目標を見失わないよう機していた。しかし、艦のAIと同じくラスール軍港からのミサイル迎撃という條件が考慮されていないため、大きな影響はないと判斷し、減速を行わなかった。
その結果、僅かな距離の差で軍港の対宙レーザーの程にってしまい、千基のレーザー砲によって迎撃されてしまったのだ。
帝國側にとって幸運だったのはロセスベイに向かったミサイルに時間差があったため、レーザーの程外となり、ダメージを與えることができたことだ。但し、このミサイルも直撃ではなく至近弾で、防スクリーンの能力を八十パーセント以上奪ったものの、航行には支障はなかった。更に駆逐艦スウィフトに至近弾と報告されたミサイルも接近前に撃破しており、スウィフトの防スクリーンを一時的に低下させ、一部の設備が損傷したものの戦闘に支障はなかった。
クリフォードは直ちにロセスベイの通常空間航行機関NSDを停止させ、漂流させることにした。
(ロセスベイは盾になりえない。ならば、損害をけて漂流しているように見せた方がいい。敵が気づかなければ使うことができる……)
盾であるロセスベイを失ったため、彼は戦隊の針路を微妙に変化させた。
今まではラスール軍港を背後に置く形で進んでいたが、それをやめたのだ。しかし、それは単に星の自転に合わせて弧を描くようにとっていた軌道を逆にしただけだ。そのため、実際には大きく軌道を逸らすわけではなく、敵艦に艦首を向けたままでいられる。
ラスール軍港は第四星であるジャンナの赤道上にある。
第一軍港がある地上十萬キロの位置で秒速八キロ近い速度でいている。そして、帝國戦隊は地表から三十萬キロほどの距離にあり、秒速二十五キロほどで移していた。
この速度は巡航速度が〇・二C速、秒速六萬キロの航宙艦からすれば非常に遅い。
しかし、衛星軌道上では星中心を基準とした球面座標系で表示される。また、自艦を中心に表示されるため、自転速度に同期した機は真っ直ぐに見えるが、自転速度と同期していない機は曲がって見える。
そのため、自転方向から逆に針路を取ると、予想進路を示す曲線は大きく曲がり、離れていくように見える。更にラスール軍港という基準となる巨大な構築があるため、より勘違いしやすい。
座標系の使い分けだが、星系では黃道面を基準とした直座標系が用いられる。これは三次元的な位置関係を俯瞰的に把握しやすいためだ。
しかし、星近傍では直座標系より球面座標系の方が衛星軌道上にある施設との関係が分かりやすく、基準となる星から二から五秒以になると表示が自的に切り替わる設定とされている。
クリフォードはこの球面座標系における錯覚を利用した。
(AIなら錯覚はしないが、人の目は騙すことができる。特に航法士はこの錯覚に陥りやすい。心配なのは冷靜な報士だな。客観的に見られたら、こちらが大きくいていないことはすぐにばれてしまう……今のところ、敵は引っ掛かってくれたようだな……)
彼は敵が自分たちに向けて加速を開始したことで僅かに安堵の息を吐き出していた。
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