《#魔集會で會いましょう》捨てられた魔の子
「……んだよ、お前捨てられたのか?
珍しい格好してんなぁ。」
「……これが我の當たり前。」
真っ暗な公園の中で、1人うずくまる魔を見つけたのは、誰にでも優しい人間だった。
人間は自分の目の前にいる相手が魔だとはつゆ知らず、ニコリと笑いかけて喋りかけた。
「お前、1人か?」
「貴様っ我を誰だと……っ」
「ここは人が捨てられる場所だ。
お前、捨てられたのか?」
一瞬怒りにのまれそうになった魔は、慌てて怒りを沈め、そのすぐ後にはポロポロと涙が出始めた。
「ちょ……いや、泣くなよ……。」
オロオロと慌てる人間は、依然まっすぐと相手を見つめている。
「……昨日、夕の刻、母が我をここへ置いていった。
どれもみなそういうものだ……。」
魔は15になると親から離れ1人で暮らさなければならない掟がある。
それを知っているからこそ、魔は別れが惜しくて泣いていたのだ。
どこにも行くあてのない不安と、
これから1人で生きていく恐怖に打ち震えていた。
「俺もここで捨てられたんだよなぁ…。
うし、おい、お前行くぞー。」
「……ど、どこへ行くのだ。」
「今日から俺の兄弟になれよ。
行くあてねぇなら面倒見てやる。」
小さき魔は目を大きく見開いて、
人間に向かって笑いかけた。
「悪くない。」
______________________________
10年たったある日。
魔と人間は再び向き合いお互いを指で指した。
「……?!お、お、お主人間か?!」
「お、お前魔なのか?!?!?!」
結局大人になるまで気づかなかった。
END
【第二部完結】隠れ星は心を繋いで~婚約を解消した後の、美味しいご飯と戀のお話~【書籍化・コミカライズ】
Kラノベブックスf様より書籍化します*° コミカライズが『どこでもヤングチャンピオン11月號』で連載開始しました*° 7/20 コミックス1巻が発売します! (作畫もりのもみじ先生) 王家御用達の商品も取り扱い、近隣諸國とも取引を行う『ブルーム商會』、その末娘であるアリシアは、子爵家令息と婚約を結んでいた。 婚姻まであと半年と迫ったところで、婚約者はとある男爵家令嬢との間に真実の愛を見つけたとして、アリシアに対して婚約破棄を突きつける。 身分差はあれどこの婚約は様々な條件の元に、対等に結ばれた契約だった。それを反故にされ、平民であると蔑まれたアリシア。しかしそれを予感していたアリシアは怒りを隠した笑顔で婚約解消を受け入れる。 傷心(?)のアリシアが向かったのは行きつけの食事処。 ここで美味しいものを沢山食べて、お酒を飲んで、飲み友達に愚癡ったらすっきりする……はずなのに。 婚約解消をしてからというもの、飲み友達や騎士様との距離は近くなるし、更には元婚約者まで復縁を要請してくる事態に。 そんな中でもアリシアを癒してくれるのは、美味しい食事に甘いお菓子、たっぷりのお酒。 この美味しい時間を靜かに過ごせたら幸せなアリシアだったが、ひとつの戀心を自覚して── 異世界戀愛ランキング日間1位、総合ランキング日間1位になる事が出來ました。皆様のお陰です! 本當にありがとうございます*° *カクヨムにも掲載しています。 *2022/7/3 第二部完結しました!
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