人魚「助けて……。」

邪悪な魔に助けを求める人魚が１人。

か弱い人魚は傷を負い、けなくなったところを魔が通ったのだ。

「……なんじゃお主。

醜い人魚ではないか。」

魔は人魚が大嫌い。

嫌いするほど嫌っていた。

よりにもよって災難に、人魚は人魚嫌いの魔に見つかってしまったのだ。

人魚「どうか助けて……。」

「はっ！私が助けると思うかい？

人魚なんざごめんだねっ」

人魚「お腹の子を……っ、お腹の子を守りたいのです……っ、私が死んでしまってはこの子は死んでしまう……。罪のない子だけでも助けてやってください魔様……！」

「お前……子をごもっておるのか？」

魔は急に目つきが変わり、人魚のお腹と人魚の顔を互に見始めた。

人魚「……っ、はい…。」

悲しそうに、辛そうにそう言う姿を見て魔は近寄り、人魚の元まで來ると魔はしゃがんだ。

「人魚は嫌いするほど嫌いだが、罪なき子は好きだ。

その傷が治るまでかくまってやるが、

この恩、いつか返してもらうぞ。

よいな？」

人魚「ありがとうございます魔様……っ！！」

人魚は歓喜に打ち震え、涙を流したそうだ。

『醜き人魚よ、さぁ行くがいい。

我が子を大切に育てな。』

１ヶ月後、人魚の傷が回復すると、魔はそのを壊れを扱うように優しく抱き抱え海にれてやった。

人魚「ありがとうございました魔様……！

この恩、いつか必ずやお返しいたします……！！！」

「ふん、ただの気まぐれよ。

早くいけ。」

シッシッ

と追い払うように手で払うと、人魚はクスリと笑ってお辭儀をした。

人魚「また會う日まで、

必ず貴方に恩を返します……。」

魔は昔、一人の子をごもったことがあった。

名は   ハリウス。

生まれる前に病死し、親として子の大切さを知っている魔は、たとえ嫌いするほど嫌いな人魚の子であろうと助けてやるほど本當はとても優しい魔だった。

「子が大きくなるのが楽しみだ。」

だが、すぐに恩返しの時が來ることを、この時魔は知ってはいなかった。

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「あぁ……あぁ人魚よ……っ、

なぜ我を庇った！！

我はこんな恩返しの仕方はんでおらんぞ……！！！」

涙を流した魔の目の前にあったのは、即死したあの人魚と、そして、まだ息のある大きくなった罪なき人魚の子。

魔が人に襲われそうになったところを、人魚の親子が守ったのだった。

炎の中、人魚の子を抱き抱えボロボロと涙を流しながら震える聲で問いただした。

「あぁ……あぁ罪なき子……っ、

お前の名はなんて言うんだ、さぁ、助けてやるから言いなさいっ早く！」

青年「ゴホッゴホッ…、

もう僕は助かりません魔様…。」

「何を言うっ！

我は無敵の魔だ！！お前ごとき簡単に治してくれるっ……！！」

青年「……僕の名前はハリウスと言います、魔様。」

「っ……！！

お主なぜ我息子の名を……っ」

驚く魔を見て子はふっと微笑むと、魔の顔に手をばし、だらけの手で涙を拭き取り、頬に手を當てた。

青年「ゴホッゴホッ…

母が、僕は魔様の子でもあるのだと教えてくれました……。

僕は魔様を守れたことに後悔はしていません…、だって、命の恩人ですから……。

だからどうか……泣かな…ぃで……。」

魔の頬にれていたはずの手は力なく落ち、子は魔の前で息絶えた。

「二度も我を置いていくなど……っ

だから人魚は嫌いなのだっ…、

だから人魚は……っ！

お願いだから、置いていかないで…ｯ!!!」

END_____。