午後の演習場、中等部が屋外で演習をしている。　その中で、一人の年は暇そうに寢転がっている。

「おーい、鉄斎やらないか？」

「どうせ、やっても俺が勝つし、やらねー」

「分かったー」

退屈そうな顔で、鉄斎年は言う。

何時からだろう……自分のやる気が失せたのは……。　周りから、中等部最強と言われた時だろうか……。　學園大會の中等部で最年優勝した時だろうか……。

それとも、最強の言われるメンタルギアの刀を出した時か……。　鉄斎が思いに耽っていると影が覆う。

「鉄斎、またサボっているのか？」

「先生、中等部最強の僕にどう頑張れと」

「そんな、君に指導をしてくれる人を連れて來た」

「先生ですか？この間、僕に負けたじゃないですか」

「それは、あそこの人だよ」

「ッツ！！」

何か途轍も無い、何かをじた。　鉄斎は寢転がった狀態から立ち上がり、刀を展開する。　周りを見渡すと4人の男が、歩いている。

3人の子生徒に囲まれた男子生徒が、教師に聲を掛ける。

「先生、遅れてすみません」

「イヤ、丁度良かった」

教師は、自分の方を指差す。　黒髪に黒目の年は、鉄斎年の方に來ると挨拶する。

「こんにちは、首席の至誠賢治しせいけんじだよ！宜しく！」

「アンタが、高等部最強の人なの？そう見えないけど？」

「そうだよー、どっからでも掛かっておいで」

「メンタルギアは？」

「必要なのかな？」

「何だと？」

「君の攻撃には、必要そうに見えない」

賢治は、首を傾ける。　鉄斎年は、己をバカにされたと思いプルプルと震えている。

「じゃ、行きます。首席さん」

「おいでー」

鉄斎年は刀を抜き、電石火の勢いで、賢治に斬りかかる。　武も持たないで、適合者フィッターと戦う何て馬鹿。　っと思いながら、袈裟懸けに切りつける。

周りから悲鳴が聞こえ、やったっと思った時。

「フーン、此れが君のメンタルギアねー」

自分の刃が、賢治に持たれていた。

「どの位、強いのかな？」

メシっと自分の刃がしなり、頭痛がする。　思わず、左手で頭を抑える。

「以外に頑丈、もうちょっと、力を加えット」

パキンっと音がし、刃にヒビがり始める。

「噓だろ、噓だろ」

ズキンっと更に頭痛が酷くなる。

「よし、此れで仕上げ、ホイ」

パキンっと音がし、刃が宙を舞う。　刃に映るは自分の顔。　何て、恐怖に酷く歪んだ顔をしているのだろう。　っと鉄斎年は思った。

「さて、僕のターン。見せて上げる」

賢治は、刃が折れ呆然とする鉄斎年の前で、右手に柄を取る。　カチッと音と共に、鉄斎年が吹き飛び、全からを吹き出す。　まるで、細かい何かに、引っ掻かれた様な傷をしている。

「ウーン、以外に弱い？先生、勝者は私でOKかな？」

「勝者、賢治首席！」

中等部の生徒達は突然の事で、何かが起きたか分からない。　朱音と彩華、凜だけは拍手をしている。

賢治が踵を返した時、鉄斎年が折れた刀を塗れで立ち上がる。

「隨分、強いね。それは、賞賛に値する」

「まだ、終わってげHOGGGお」

神速というべきか、賢治は鉄斎年の目の前に立った。　そして、メシメシと刀の鞘が、鉄斎年に喰い込む。

「蠻勇と勇気は違う」

ベキベキとイヤな音がし、鉄斎年の躰が悲鳴を上げる。　轟と風音を立て、鉄斎年は壁に激突し大きなを作る。

口からを履きながら、鉄斎年は賢治を睨む。

「以外！まだ余裕が有る？次は、手足を切ってみよう」

賢治が右手に柄を掛けた時、人影が鉄斎の前に現れた。　1人のが、飛び出してきた。

「もうやめて！」

「まて！君ッツ！」

すでに、賢治は柄に手を付けていた。　ピュっと鉄斎年の顔に、が飛ぶ。

自分のでは、無かった。　目の前に、特有の細く白い手足が転がっていた。

「朱音、病院へ連絡。彩華、傷口と手腳の冷凍、凜は電気でAED」

「「「ハイ」」」

は、賢治の腕の中に有った。　パキンと音がし、転がっていた手足が氷に包まれる。

「彼は、大丈夫なのか？」

に、近寄ろうとした。

「うるさい馬鹿、電話中だ」

朱音の回し蹴りを喰らい、鉄斎年は意識を失った。