《グンマー2100~群像の(マギウス)》第36話 第2次姉川の戦い 後編

姉川、河川敷。 多數の兵士に戦車、裝甲戦闘車が陣形を取る 攻撃ヘリコプターも上空で、待機している。

まるで、怪獣映畫の特撮の様で有る。 怪獣はいないが、はいる。

朱い髪に瞳のが、河川敷に立っている。

「敵、グンマーの朱音あかね副首席を発見!砲撃を始めます」

ダーン、ダーンと砲撃が始まる。 対岸に、弾幕の炎が咲く。

「やったか?」

隊員の1人が言う。 同時に、ボッっと服から音がする。 服が焼け、躰を熱が襲う。

「アチチアチチ!」

転がりながら、服の火を消す。

『ウーン、自衛隊員は公務員だよね。だから、殺さない』

「んん!?」

地面に転がった隊員は、聲の主を見る。 朱い瞳と目が合う。

「ヒイイ!」

『武裝解除する!炎恨グラッジの太刀!』

両手両腳に、朱い刃が刺さる。 當たり一帯に、絶の様な悲鳴が聞こえる。 各所で、同じ様な事が起きている様だ。

戦車からも煙が上がり、隊員達が飛び出てくる。

『日本政府と協定で、正社員と公務員を殺す事は出來ないからね』

呟きながら、戦車から飛び出した隊員を足蹴にし大地に転がす。 転がった隊員達の両手両手足に、朱い刃を丁寧に刺していく。

そんな事をしていると隊員とは違い、バトルスーツを來た兵士が現れる。

『あら、派遣社員の方ですか?手加減は無用ですね』

口角を上げ、嬉しそうな顔をする。

『炎恨グラッジの太刀』

彼等の心臓付近から、朱い刃が現れる。

彼等は、一瞬の事で呆然とした後、朱い刃を抜こうとする。 だが、抜く事は出來ず言わぬ死に変わる。

紅蓮の炎が、死を焦がす。 殘ったのは、ダイヤモンド。

『ウーン、派遣にしては、綺麗だけどダメね』

「悪魔め!」

『でも、無防備なの子に、砲撃をするのも鬼畜の所業かな?』

「だが、それは命令で」

『分かるよ!上に行く程、人間って腐り醜くなるんだよね』

隊員を見ながら、朱音は哀れそうな顔で言う。 暫くして、別な集団が現れる。

持っているのは、斧に槍と統一の無い様々な武

『次は、関西メンタル校の一行さまですか』

朱音は、彼等の方を見て飛んで行く。

が向かう先には、2人の男達がいる。

「アレが、グンマー副首席か?」

「これだけいれば、勝てるぞ!」

300人近い周りの同級生達に聲を上げる。

「「「オーーーー」」」

全員が、突撃を開始する。

◆ ◆ ◆

數十分後の天幕

「全滅しただと!」

「ハイ、將軍!」

將軍と呼ばれた男は、報告を確認する。

~~報告~~

グンマー校副首席、赤城朱音あかぎあかね。 関西メンタルギア校、300人。

重軽傷者300人。 死者無し。

朱音副主席の行方は不明。

~~終了~~

「副首席は、討たれたのか?」

「報告によると突如として、火の球に変わったそうです」

映像が展開される。 300人に囲まれた朱音の姿が、巨大な炎の塊に変わった。

「こ、これは!」

「將軍どうされましたか?」

「偽フェイクだ!我々は騙されたのだ!」

部下が首を傾げる。

「自分の分を炎で作り、敵中で分を大発させる」

「本の彼は?」

「何処か安全な所で、ほくそ笑んでいるに違いない」

將軍の答えが、正解と言わんばかりに報告がされる。 報告者は、倉庫の警備隊長。

「失禮します。大変です!倉庫の中が!!」

映像が映し出され、興気味の警備員が指を指す。 其処には、何時もは沢山有る資材が無かった。

「資源が無いだと!!」

「消失しました!これは……」

壁に張られた紙を指差す。

【サンキュー、日本産の鉄、味しかったー】

明らかに、と思われる書で書かれていた。

映像は切り替わり、食料・武・燃料庫。 全てが、空っぽで有った。

「な、何だと……アレだけの資を奪われたのか」

関西連合は、5年間に渡り対ビーストの資源を貯めていた。 本來は、山・山地域を奪還する為の資源だった。

今回は、グンマーが何処かの地域の開放をする報を摑んだ。 詳しくは不明だったが、N計畫という名前から長野と踏んだ。

ビーストが長野に集まっている間に福井、あわよくば石川を開放。 日本海の制海権を確保、富山を面してグンマーと対抗する。 後は、南の首都圏と西の南関東連合と手を組みグンマーを攻める。

そして、10年前の屈辱を晴らす。

「全てが無に帰った!!くそったれー!!!」

將軍は、機を手で叩く。

2100年4月17日18時30分 姉川基地の兵站が全て消失。 5年分の備蓄食料が消失。 これにより、自衛隊は福井開放作戦を斷念する。

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