は一人、暗闇の中を走っている。　後ろからは、多數の足音が聞こえる。

「キャッ」

は、つまづき大地に転がる。

「へへへへ、手間取らせやがって」

男は、下品な笑いを浮かべる。

「イヤ、來ないで」

は、メンタルギアを出す。

「そんな、チャチイ武で勝てるとでも」

「一応は、適合者フィッターだぜ」

「此れを使おう」

1人の男が、何か裝置を取り出しに向ける。

「頭が痛い、一」

「フフフ、対適合者トゥフィッター用の道、メンタル・ジャマー」

「詳しくは後で可がりながら、教えてやるよ」

別な男が、近寄りながらの腕を摑もうとした。　は、思わず目を瞑る。

ヒュンと風切り音がした。

は摑まれる気配が無い事に疑問を覚え、目を開ける。

自分の前にいた男の腕が、飛んでいた。　男の腕から、が溢れる。　だが、は何かで守られたかの様に掛かっていない。

「俺の腕が！！」

『全く、の1人に男數人で掛かるとは酷いね』

黒髪黒目、黒い制服に金の刺繍がった年が言う。

「賢治首席、殺すなよ！報を得る必要が有る」

『乙姫首席問題無い！殺しはしない』

「君大丈夫かい？制服からして、我が校の生徒の様だが？」

長い銀髪に、朱い瞳の乙姫がに言う。

「乙姫首席ーーー！！」

は、涙を流しながら乙姫に抱きつく。

「賢治首席、こいつ等を無力化出來るか？」

『勿論！！』

左手で、刀の柄にる。　男達の腕と腳が瞬時に吹き飛び、大地を紅く染め上がる。

「「「「なんだと……」」」」

『よし！無力化完了！』

を吹流し、倒れる男たちを見下ろす。

「やりすぎだ！死んでしまうぞ」

『記憶を抜けば、良いんだろう？』

左手で柄を取り、右手を男の頭にザクっとれる。　男の絶が聞こえ、暫くして男は白目を向いた。

『どうやら、【転校屆け】を斡旋する団の様だな』

「どういう事だ？」

『右手を出してくれるか？』

「分かった」

塗れの手を出されたが、乙姫は躊躇なく握る。　脳に、後輩の年達が脅され転校屆けを書かされる景が映る。 目を瞑り、開くと朱い瞳が怒りでメラメラ燃える。

「関西も南関東校もやってくれるじゃないか！」

『どうやら、我が校にも手を出そうとしている様で』

「『実に許容し難いですね』」

2人かられる殺気に、は間からを流す。

「あれ、大丈夫？らしちゃった？」

「ごご、ごめんなさい。罰は、けますから殺さないで」

『どういう事だい？』

～～の話し纏め～～

友人が捕まった狀態の寫真で、送られてきた。　周りに言ったら、友人の命は無いと書かれていた。　指定された時間と場所が、書かれていた。　その為、寮の門限を破って外出した。　指定された場所で、男達の襲撃をけた。

～～纏め終わり～～

『程、記録と合うよね』

「まだ、捕まっている生徒もいる」

『関西の方は、此方にヤらせてくれるかな？』

「頼んだ！南関東をコチラにヤらせる。其方は、報は取れるか？」

『報を引っこ抜くのが、得意な書記に任せる』

「分かった」

互いに、スマホを出し何処かに連絡をれる。　暫くの會話を終え、の方を2人は見る。　ヒッとは、思わず息を呑む。

お仕置きされると思ったのだろうか？　フワッと乙姫が、を包む。

「もう、大丈夫。友達も開放して上げるからね」

「先輩ッツわたし！！」

『おやすみ』

トンとの首筋を賢治が叩く。　クタッとが倒れ、乙姫の無いの中に収まる。

やがて、シュウタっと音がする。　現れたのは、黒髪に紫瞳バイオレットの。

『こんばんは、山手譽やまのてほまれ副首席』

「こんばんわ、至誠賢治しせいけんじ首席」

バチバチと2人は、火花を散らす。

「まぁまぁ、2人とも喧嘩しないで！譽ほまれちゃん宜しくね」

「分かりました姫」

抱えていたを渡す。　譽ほまれは、をけ取り、再び闇夜に消えた。

「さて、賢治首席」

『さて、乙姫首席』

「『食前の運をしましょうか？』」

2人は新六本木の方へ歩を進める。