《終末語》第6話「迷な救いの」#2
・春人は1人、死まみれの道を突き進んでいた。春人が目指していたのは先ほど雄びがあった方向だった。
(さっきのあの雄びを聞いた時、何だか嫌な予がした…思い違いだといいけど…)
そんなことを考えていると春人のいる10メートルくらい先に數人の人影が何かを見下ろしているのが見えた。春人は近くの死の山に隠れてその様子をうかがった。
(場所的には…さっきの雄びはあの辺りからか…じゃあ、あそこにいる連中はあの雄びの発生源を倒したのか…ん?いや、おい、おい、おい、何だあれ!?)
人影を見ていた春人は驚きに目を見開いた。人影は數にして4人程、格好は黃いレインコートに、頭にはガスマスク、それぞれが銃や刃で武裝していた。だが、春人が驚いたのはそこではない。4人いた集団の1人の両腕が異常な腕だった事に驚いていたのだった。その腕は地面に付くほどに長く、大きかった。ただ長く大きいわけではなく、その腕のは白いチョークで塗ったかのように白く筋隆々で、指先には長くて赤い爪が生えていた。春人は一瞬、作りかと思ったが、腕の浮き出た波打っている管からその腕が作りやハリボテではないことを証明していた。
(あれ、絶対に人間じゃないだろ!でも、周りのあいつらを襲っていないところを見ると人間か?いや、でも…)
と、そこで春人の思考は向こうに見えるレインコートの人達が見下ろしているものを確認した事によって一瞬、完璧に停止した。見てはいけないと彼の中の何かが警鐘を鳴らしているかのように心臓が鳴っていたが、もう手遅れだった。レインコートの人達が見下ろしていたもの、それは背中に4本の爪痕の傷をつくり、自らがつくるの海に倒れた黒髪の、春人の彼の日野崎ひさぎだった。そして彼が再び思考を再生した頃には、彼のは行を起こしていた。
・「まったく、やりすぎだ。『パイソン』。彼は我々の崇高な考えの理解者になっていたかもしれないのに…」
そう呼ばれた異形の両腕を持ったレインコート人ーパイソンはグルゥ…と申し訳なさそうに発言した人の後ろに下がった。
「しかし…ムトン様。私達には彼は我々の崇高な考えが到底理解出來ると思いませんでした。」
「ふむ。まぁ、そう思うのが普通だろう。だがしかし、我々の『盟主』様はこういった。『死ぬ間際に生命の輝きを増した者にはさらなる救いを』と。彼はまさにそうだった!だから殘念なのだ。彼は『救いの雫』の適応者だったかもしれないのだからな。」
そう言いながらムトンと呼ばれた人はレインコートのポケットから赤ののった細長いフラスコを取り出して眺めていた。
「ところで彼の始末はどうしますか?必要とあらば私達で始末しますが。」
「いや、捨てておけ。髪が白くなっている。ゾンビ化の初期癥狀だ。放っていても後10分というところだろう。それよりも早くあの『救いの』の落下地點に急がなくては。」
「わかりました。そ」
「ん?」
部下の言葉が不自然に途切れたのを不思議に思ったムトンは、さっきまで話していた部下の方向を向いた。そこにはさっきまで話していた部下が頭がなくなっている狀態で地面に転がっていた。
「は、え?な、何が起こった?」
「わ、わか」
そう言おうとしていた部下の1人もまた頭を消されて地面に転がっていた。
(な、何が起こった?敵がいるのか?そ、そうだ!パイソンだ!奴に始末してもらおう!あいつなら…)
そうとっさに考えたムトンはパイソンに命令しようとして…両腕をもがれ、頭を消されたパイソンの死を見た。そして、見た。自分以外の者達の頭を消した者の姿を。
「あ、ああ…」
その人は黒いジャケットを著て、フルフェイスのヘルメットを被り、腰にはショットガンをつけ、右手にはで真っ赤になったバットを持っていた。
(この男は何だ?というかこいつ、あのバット1本で私以外の3人を?この數秒で?ありえない!あの2人はともかく、パイソンまで?ありえない!ともかく逃げなければ)
そこまで考えてムトンの思考は目の前の人とヘルメット越しに目があった瞬間、完全に停止した。その目は殺意という言葉が可く見えるような殺意と敵意に満ち満ちた目だった。ムトンはがかせなかった。まるで今から自分が死ぬのを自分のが理解しているかのようにに力がらなかった。
「あ…う…あ…」
そして、悲鳴ともれ出た聲ともわからない小さな言葉がムトンが最後に発した言葉だった。
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