《VRゲームでもかしたくない。》第1章10幕 一石二鳥<Killing two birds with one stone.>

長い睡眠を終え今日も<Imperial Of Egg>にログインします。

ホームの自分の部屋から出てエレベーターに乗り込みます。

1階のボタンを押して……っと

1階に著くとちょうどフランとラビがこっちを見ていました。

「おはようございます」

「「おはようございます」」

「エレベーター使ってみた?」

「使い方わからないからまだ!」

「私もまだ」

「私もです」

ん?

ポテトか。

「おはようございます皆さん」

「「「おはようございます」」」

「じゃぁみんなに使い方説明するね」

エレベーターの使い方を一通り説明しました。

「ってじで使えるよ」

「おお! すごい」

「ちょっとのってもいい?」

「最大何人乗りなのでしょうか」

「最大4人乗れるって言ってた気がする」

「では失禮します」

そういってポテトが乗り込みます。

続いてフランとラビが乗ります。

私も乗り、ボタンを作します。

「揺れた!」

「思ったより遅いね」

「これは便利ですね」

「みんな自由につかっていいからね」

「「うん」」

「わかりました」

初めて使ったエレベーターに興し、キャイキャイと話す衆はそのままにしておいてあげることにして、私は『セーラム』から出ます。

結構お金を使いすぎてしまったのでここらで一発稼いでおかないとまずいので高報酬のクエストを探しに案所まで行きます。

『花の都 ヴァンヘイデン』もそれなりに大きな町ですがもっと大きい街もあるのでそちらの方へ行ってみることにします。

「≪テレポート≫」

久々の『商都 ディレミアン』です。

所までスライド移し、急クエストの張り紙を眺めます。

〔ユニークモンスター〕の討伐依頼が多いですね。

ユニークの討伐は報酬が安い上に出費もでかいですからあまりけたくありませんね。ユニーク裝備が貰えるのはうれしいですが。

他の依頼は……。

どれもぱっとしないですね。

『土砂崩れによる災害地域の救助』

『分離した氷山の消滅依頼』

『火山噴火による新島出現において調査及びその監視』

面倒くさいのが多いですね。

「チェリーじゃないか」

ん? この聲は?

「俺だよ俺! 諭吉だ」

「うわー別人」

「鎧いだらこんなもんだよ」

「クエスト?」

「おうよ。何か人のためになるようなのあるかなって」

「それならあるよ」

そう言って救助依頼を指さします。

「いいじゃん。これにするよ、またね」

「またね」

ほんと別人だった。

いだだけじゃなくて口調まで変わってるよ……。

クエストが空ぶってしまったので、どうしよっかなーと町中をうろうろしていると大聲が響いてきます。

「おいごるぁ! 場所代だせねぇならでていけや!」

「ごめんなさい。必ず場所代は出しますのでもうし待ってください……!」

「おめぇそんなこと言ってもう2ヶ月も滯納してんじゃねぇか!」

「ごめんなさい。このお店は祖父の代からけ継いできた大切な店なんです……!お願いします!」

「うちのボスがよぉもうカンカンなんだわ。諦めて出て行ってくれや」

「そんな……」

「明日までに出ていかなかったら店ごと潰すから覚悟しとけよ!」

みたくないもの見ちゃいましたね。

『商都』の店舗は維持にそれなりのお金がかかり、稅金や場所代も高いと聞きます。

そうだ。【料理人】いなかったしうちにきてくれないかなー?

強面のおにいさんに話しかけてみます。

「あのー」

「なんだてめぇここの関係者か?だったら早く荷まとめてでていくんだな。もう次の店が決まってんだよ!」

「次のお店がきまってるんですか?」

「そうだ。次は『料亭 桂かつら』っていう外の人達の店になるんだ」

「じゃぁ場所代払ってもこの店なくすのでは?」

「おめーには関係ねぇ」

「えー。卑怯すぎ」

「黙れよ。ねーちゃん。怪我したくないだろ?」

「……」

「何黙ってんだよ! なんとか言えや!」

何言ってんだコイツ。

「とりあえずそこの店主さんと3人で話ませんか?」

「なんで俺がそんなことしなきゃいけねーんだ」

みはなんですか? 私にできる範囲であれば葉えますよ」

「ボスのみが俺のみだ。お前には葉えられねーだろうさ」

「ふーん。まぁいいです。とりあえず中へりましょう。の気の盛んな外の人がとびかかろうとしていますので」

「ッチ。しかたねぇな。しだけだぞ」

「ありがとうございます」

「急に口をはさんでごめんなさい」

「いえいいんです。でも大丈夫ですか?」

「まぁ大丈夫です。あの輩に負けるほど弱くはない……はずなので」

「そ、そうですか……」

「では店主さんもきてください。お話があります」

「わかりました」

面倒ですが手を差しべ、店主を立たせます。

「ありがとうございます」

「いえいえ」

店の中にり、見回します。

この時間にしては人がない……というかいないですね。

これは何か裏でやってそうですよ。

「失禮ですがお客さんはいつもこんなじですか?」

「いえ……ここ最近急にです。3ヶ月ほど前からでしょうか」

「なるほど。あっあちらの席に座ってもいいですか?」

「あっはい。どうぞ」

「おにいさんもいいですか?」

「おうよ」

お店の中心にある円形の席に座ります。

「お茶とお茶請けもってきますね」

「あっすいません」

「早くしろよ」

「おまたせしました」

そういって店主がお茶と煎餅のようなものを持ってきてくれました。

「ありがとうございます」

「ッチ」

お茶を一口すすり煎餅を一口かじってみます。

程よい塩分が舌の上に殘り、素材となった米の甘味が鼻を通り抜けていきます。

なかなかにおいしいですね。

「このお煎餅はどこのですか?」

聞かなくてもわかりますが一応聞きます。

「あっこれは私が作ったものです。祖父は【菓子職人】でお煎餅焼くのが上手だったので教わりました」

でしょうね。お店にった時から香ばしい匂いがしてましたし。

「お口に合いますでしょうか?」

「ええ。とってもこんなにおいしいお煎餅はたべたことがありません」

「そういっていただけるとうれしいです」

「いいからよー話はじめようぜ? 俺は暇じゃねぇんだ」

完全に忘れてた。

「おほん。そうですね。では私からの提案をする前におにいさんに話してもらいたいことがあります」

「話せることはなにもないぞ」

紙に『言ってくれたら月のお給料分払います』と書いて渡します。

「でなんだ? 聞きたいことって」

チョロッ!! こいつチョロ!!

「次のお店が決まっているということでしたよね?」

「あぁ。ボスがここに自分の息がかかった店をだすってんだ。だから立ち退きを要請してるわけだ」

「三ヶ月前からこちらのお客さんが減っていることはご存知ですか?」

「知ってるが?」

面倒なのでストレートにいきましょう。

「関與してますか?」

「ば……そんなわけねぇ!」

「怪しいですね」

ちらっと1萬金を見せてみます。

「ボスの命令だよ。この店は昔からあってボスの監視下にはいらないからってな」

全部はいちゃったぞこいつ。

「それで3ヶ月くらい前からここの客に悪い噂流すようにいわれたんだ」

「なるほど」

「そんな……大事なお店なのに……」

「そんなことボスにゃ関係ねぇ。自分の支配下かそうじゃないかだけだ」

問題はボスですね。

この主人は守れても他の店はどうなるかわかりません。

ボス……始末しますか。

座標さえわかれば簡単ですし。

「あなたはボスについてどうおもいますか?」

「正直あの方のやり方は危険すぎる。今はよくても外の人達に目をつけられたら終いだ」

まぁわたしもその外の人なんですけどね。

「ボス消しましょうか?」

「無理に決まってんだろ!この街にどれだけ被害を出す事になる!」

意外とこの街好きみたいですね。

「というと?」

「かなり深くまでばしてんだよ。領主も逆らえない」

「なるほど」

ボスを倒しても無意味ですね。

あきらめましょう。

「ではボスの命は諦めます」

「そうしたほうがいい。いくら外の人でもただじゃすまない」

あら。私が外の人だって気付いてたんですか。

「では次のお話ですね。店主さん」

「はい?」

「この店はどのみち潰れます。ならば看板を背負ってうちでお店を出しませんか?」

「え……?えっと……?」

「あぁ私そこそこ大きいお店をやっていまして。そこでレストランを開こうと思ったんですよ。そこであなたを勧しています」

し時間をくださいませんか?」

「私はかまいません」

「明日までに出ていくなら俺もかまわない」

何さらっとってきてんだよ!

関係ないだろ!

「うちには従業員がそれなりにいます。その子たちの仕事がなくなるのは心苦しいです。できればその話おけしたいのですが……祖父のお店を私の代で手放すなんて……」

「どのみち店はボスにつぶされるぜ?」

た……助け舟まで出してきた……!

「そう……ですよね……でも私の一存では決められないので……」

そう店主がおろおろとしていると裏から一人のがやってきます。

「マリアナ」

「おかあさん!」

店主はマリアナというそうです。

「その話けなさい」

「でも……」

「あんたをここに縛っておくのは心苦しいんだよ」

「えっ」

「あんたの才能そんなもんじゃない。祖父から継いできた店じゃなくて、自分の看板を背負っていきなさい」

ちょっとしゃべっちゃいけない雰囲気なので黙っています。

「おかあさん……」

「私のことは心配いらないよ」

「でも……」

「貯金で田舎に家でもかうよ。生活は年金があるからなんとなるさ」

年金あるんだ……。

「若い社長さん。うちの娘をつれていってくれないですか」

「よろしいのですか?」

「娘の返事次第だけどね」

「マリアナさん。うちでお店をだしますか?」

「……はい!」

お母さんが説得に加わってくれたのも大きいですが、やっぱりこの世界のNPC簡単に事決めすぎだよ……。

「従業員は何人くらいですか?」

「【給】が6人と【黒服】が4人です」

おおう……結構大所帯。

あっそうだ。

「本店のほうでスタッフが不足しているので何人か融通してもらうことは可能ですか?」

「もちろん大丈夫です」

「お店の名前は自由に決めていただいて大丈夫です。他に【菓子職人】の方も同じフロアで仕事することになります。大丈夫ですか?」

「【菓子職人】はもうお雇いになってますか?」

「いえ。まだです」

「でしたら私の子を【菓子職人】として雇っていただけませんか?」

おっ! これはゲッツーの予

「助かります。ぜひ雇わせていただきます」

「でしたらすぐに準備して従業員に連絡致します」

「お願いします」

今日お休みだった従業員と他店で修行中だった【菓子職人】の子も集まりました。

一通りの説明をします。

「つまりこのお店のオーナーになったということですね」

「店長! 僕たちの仕事容は変わらないんですか?」

「はい。ですが何人かは本店のほうで接客を手伝っていただきます」

「お晝に働ける人が1人と深夜働ける人が二人いてくれると助かります。あとうちの【高位調薬師】がお晝にそちらのレストランで働くと思うのでそちらの指導もおねがいします」

「わかりました。お晝に1人と夜に2人ですね。話し合って決めます」

「お店は『ヴァンヘイデン』です。皆さん全員暮らせる分のお部屋はありますので安心してください」

「ありがたいです」

「お給料は全員30萬金の月初め全額先払いです。お店の売り上げは皆さんで分けてください。場所代とかもいりません」

「凄い好條件ですね」

「そうですか?」

あれよあれよと契約の話が進み、全員雇用することになりました。

現実では考えられないほどのスピードですね。まぁ詳しくは知らないですが。

「到著までしばらくかかりますがいいですか?」

「あぁそれでしたら私が転移門だすので大丈夫ですよ」

「えっ。それほどまでの高位の師さんだとはしりませんでした」

「それほどじゃないです」

「俺はもう帰っていいか?」

また忘れてた。

「どうぞ。お時間ありがとうございました」

「いいよ。じゃあな。もう會うことはないだろ」

「さようなら」

さっていくおにいさんはお店を出る時言いました。

「煎餅うまかった」

マリアナのお母さんの新しい家を見繕い、引っ越しを手伝ってもどってきました。

その間従業員全員の荷は各々簡易倉庫にしまい、手に持っています。

「準備できた人からくぐってください。≪ワープ・ゲート≫」

次々と従業員が門をくぐり、彼たちの新しいお店に到著します。

「本店からスタッフ連れてきますね」

そう言い殘し、本店に向かいます。

「ただいま。フランとラビいるかな?」

「おかえり!」

「おかえりー!」

「えっと……出先でいろいろあって【料理人】と【菓子職人】と【給】6人【黒服】4人やとってきた……」

「「は?」」

「詳しくは後で話すよ。とりあえず來て!」

フランとラビを連れ、分店セーラムツーまで珍しく走りました。

to be continued...

    人が読んでいる<VRゲームでも身體は動かしたくない。>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください