《VRゲームでもはかしたくない。》間章4幕 クイズ<quiz>
車は関越自車道を進み、藤岡ジャンクションを長野方面に進みます。そしてった上信越自車道を走りながらエルマが話題を変えます。
「そういえばチェリー知ってる?」
「ん? なにを?」
「『エレスティアナ』の自車の話」
「あれって噂じゃなかったの?」
「見つけた人がいるらしいよ。でもえげつないくらい時間のかかるクエストなんだってさ」
「うーん。デスペナ明けたらやってみよう」
「一緒に行くよー。でもチェリーの場合必要なさそうな気がするんだけどね」
「どうして?」
「短距離ならってるし、長距離は≪テレポート≫じゃん」
「そうなんだけどね。≪スライド移≫はTPで短時間だし、≪テレポート≫はMP消費するから」
「んー。霊駆式の自車もMP消費大きいと思うなぁ」
「まぁ手にれてから考えるよ」
し<Imperial Of Egg>の話もしつつ、目的地に向かっていきます。
本當なら私が運転変わってあげたいんですけどね。それやったらリアルでもデスペナルティーになってしまいますね。
「ごめんね。エルマ。ずっと運転させちゃって」
「いいよいいよ。どうせチェリー免許持ってないでしょ?」
「持ってるには持ってるけど、本の車は運転したことない」
時代がすすみ、免許を取るときはVRやAR拡張現実を用いて、本の車を運転することなく、免許を取ることができるようになっていました。昔は、教習所というところに行ってなかなか大変だったと親から聞かされた時には、この時代に生まれてよかったと思ったほどです。
「VR講習かー。私もVR講習だったよ。でもそれで免許取った後が大変。お父様にめちゃくちゃ叱られながら敷地で運転して練習したもん」
敷地……。
「チェリー?」
「いや。なんでもない」
「そう? あと20分くらいで高速降りるかな?」
ナビを見ながらエルマがそう言います。
「結構近くにじるね」
「だよねー。意外と早いんだよね」
「意外だった」
二人で懐かしのアニメソングメドレーを歌いながら、高速碓氷軽井沢インターチェンジを出て、料金所を通り抜け県道43號線を軽井沢バイパスへ向かって走ります。
「チェリー窓開けるね!」
そう言ったエルマが手元のボタンを作し、窓を開けます。
「わーっ! 涼しい!」
「天然のクーラーだー!」
二人してテンションを上げし、窓が開いてるのにも関わらず、懐かしアニメソングの熱唱を続けます。
「やっぱこの作品好きだなー!」
「わかるー。パイロットのために、死ぬ気で歌うのがいい」
「えっ? 歌手を守るために死ぬ気で縦するのがいいんでしょ?」
「…………」
「…………」
気まずい空気が流れます。
「こ、これ懐かしいなぁー! 『総理に代わってデコピンよ!』」
「あー。懐かしいー」
再び和やかなな空気が帰ってきます。
どこ行ってたんだよ。もっと早く帰ってこいよ。
「あたしはあれも好きだなー。『そちひか』」
「あー。懐かしい! 『そちらが丘消防署』かー! 見てたよねー」
熱唱を辭め、昔のアニメ雑談に花を咲かせていると、エルマの別荘が見えて來たようです。
「チェリー見えて來たよー」
「おおー! うぇ!?」
お城ですね。
「ん?」
「ん? じゃないよ! なにあれ! お城じゃん!」
「お祖父様の趣味だったみたい」
「え、えー……」
やっぱりスケールが違いますね。
もし何かあったらエルマに全力土下座で助けてもらおう。
別荘とは言えないほど大きなお城に到著した私達を使用人が迎えてくれます。
「お待ちしておりました。瑠麻お嬢様、智恵理お嬢様」
んー。慣れませんね。
「じゃぁ車よろしくねー。いくよーチェリー」
「あっ、うん」
車から降りるエルマを追って私も車を降ります。
その車に執事が乗り込み、駐車場まで車を走らせていくのを背後にじつつ、一足早く、大きな門の前に著いたエルマと肩を並べます。
「お待ちしておりました」
そう言った執事が扉を開け、私を招きれてくれます。
「うわー! すっごい!」
外裝もスウェーデンのグリプスホルム城に似せているようでしたが、裝もかなり、再現度が高いです。
「グリプスホルム城をイメージしたのかな?」
私はそうエルマに呟きました。
「はい。こちらお祖父様がスウェーデンに旅行に行かれた際、甚くお気に召されたようで、帰國後すぐに施工いたしました」
そこにエルマの姿はなく、背後にいた老齢の執事が答えてくれます。
「そうだったんですか」
「はい。さすがに湖までは再現することは斷念しておりましたが、それでも素晴らしい出來だと思います。智恵理お嬢様はお詳しいのですね」
「いえ。そこまで詳しいというわけでは……」
「では僭越ながら……問題を出させていただいてもよろしいでしょうか」
「あっ、はい」
「第一問目でございます。ルートヴィヒ2世の隠れ家として建造されたお城はなんというお城でしょうか」
「ノイシュヴァンシュタイン城です」
これは簡単ですね。『ヴァンヘイデン』のお城もここがモチーフだったはずです。
「さすがでございます。簡単すぎましたね。では第二問目、し難易度をあげさせていただきます」
「はい」
し楽しくなってきました。
「表面積が世界最大のお城といえばどこでございましょうか」
「ふっ。マルボルク城ですね」
「おや。こちらも正解でございますか。瑠麻お嬢様にも見習っていただきたいものですね」
そう言えば肝心なエルマはどこだろう。
「智恵理お嬢様には簡単な問題かもしれませんが最後の問題とさせていただきます」
「はい」
どんな問題だろう。
「魔法學生の映畫撮影に使われ、年間來場者數80萬人を記録するイギリスにあるお城は何でございましょう」
「アニック・カッスルです」
「流石でございます。ではそこでこそこそしている瑠麻お嬢様に出題です」
「ひゃ! ひゃい!」
あっエルマいたんだ。階段の橫でしゃがみこんで隠れてたのは気付かなかった。
「1909年マンチェスター公爵夫妻に売卻された富豪の醫者、ミッシェル・ヘンリーの私邸とはなんでございましょう」
あー。カイルモア修道院ですね。
ギャンブルの借金で手放さざるを得なかったそうですよ。
「わかりません!」
「でしょうね。では智恵理お嬢様、お答えを」
「カイルモア修道院です」
「正解でございます。瑠麻お嬢様。不勉強でございます。後ほど、お部屋で勉強致しましょう」
「うああああああん!」
そういってエルマは階段を駆け上り、どこかへ行ってしまいました。
「まったく。私は有馬と申します。瑠麻お嬢様の教育係を仰せつかっておりました」
なるほど。それでエルマは逃げたのか。この人スパルタっぽいし。
「やはり智恵理お嬢様はお詳しかったですね」
「いえいえ」
…………。全部<Imperial Of Egg>でモチーフになってるお城なんですよ……。
居なくなってしまったエルマを探す、と有馬は階段を上っていきました。
私はエルマが居ないと勝手がわからないのでその場でぼーっと立っています。
「智恵理お嬢様、お久しぶりでございます」
そう聲をかけられ、私は振り向きます。
うん。このメイドさんの名前がわからない。
「短い間ですがの回りのお世話をさせていただきます。田辺でございます」
「あっ、おねがいします」
「瑠麻お嬢様が逃亡されてしまったので退屈でしょうが、まずはお部屋に案させていただきます」
「はい」
「ではお足もとお気をつけくださいませ」
階段の方を指さし、2階へと案してもらいます。
私が上る段の數段後ろを登り、落下してもけ止められる位置を取っていますね。
執事さんもメイドさんもすごいですね。
部屋の前まで案されたので、扉を開けてります。
「お荷は部屋のクローゼットにれさせていただきました」
「ふぇ!?」
荷って私、下著しか……。
とととっとクローゼットに向かい、バンと開くと、丁寧に畳まれた下著が鎮座していました。
半泣きになりつつ、田辺に聲をかけます。
「これは誰が……?」
「私の部下の給にやらせました」
も……もう嫌だ……。
先ほどのクイズは私達をあそこに足止めし、車に積んであった荷を降ろし、部屋に運ぶまでの時間を稼ぐものだったと田辺から聞き、執事もメイドも手段選ばないんだなーという想を抱きました。
逃亡中だったエルマがトイレ部で発見され、買い込んだ材料で食事が完するまでの間、エルマの部屋でゲームでもしようという話になりました。
「なんのゲームする?」
「っていっても二人だしね」
「人はいくらでも増やせるよ」
「あっそっか。何かやりたいゲームある?」
私がそうエルマに話しかけとドアがノックされます。
「では余興に推理ゲームでもいかがでしょうか」
扉を開け、そこから姿を現した有馬にそう提案されます。
「「推理ゲーム……」」
「ご案いたします。瑠麻お嬢様と智恵理お嬢様にはこの室殺人の謎を解いていただきましょう」
2階の最奧の部屋に到著します。
「こちらの鍵は智恵理お嬢様の部屋のクローゼットに隠してあります」
そう言われエルマが私の部屋に行き、鍵を取ってきました。
その扉を開け、中へると死役のメイドが転がっていました。
to be continued...
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