《染めの館》第7話 不測
「……………………………」
りこさんがここを離れてからし経った。私たちは何も話せないまま、その場でただ呆然と立ち盡くしていた。
「…足が痛い。」
りんごちゃんが呟いた。そう言えばこの館に來てからずっと立ちっぱなしだ。
「確かにそろそろ痛くなりますね。でも立っている必要は無いでしょう。々埃っぽいですが、地面に座りましょうかね。」
淳くんは淡々と話す。りんごちゃんが何も言わぬままさっさと座った。私も座る。
「かなめ先輩…大丈夫かなぁ…りこ先輩も。」
「……」
何も言えなかった。大丈夫という保証は何処にもないから。もしかしたらもう既に何が起こっているかもしれない。先輩にも、私たちにも。
「…もう限界。帰る」
りんごちゃんが呟いた。と同時に立ち上がり、エントランスへ向かった。
そしてドアの前に行き、
「開けやがれ!クズ!」
暴言を吐きながら扉をドンドン蹴ったり毆ったりしていた。
止めようと思ったけど、止められなかった。
「開けろ!開けろ!あけ…」
「え…なんで…」
さっきまでかなめさんたちが全力でっても開かなかった扉が開いた。外は眩しい月明かりで照らされていた。
「あ、えと、あ、開いたよ…とびら。」
りんごちゃんがつぶやく。
キョドっていた私は狀況を整理するため聲を出した。
「じ、じゃあ、せ、先輩、呼びに…」
「僕はここにいます。扉が閉じてしまったら元も子もないですからね。」
そう言って淳くんは殘っていた。
そうして私はりんごちゃんと2人、りこ先輩を探しに部屋の奧へとっていった。
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