《シェアハウス【完】》16
食事が済んで自室へと戻ってきた私は、攜帯を開くと畫面をスライドさせた。
「まだ既読にならない……」
手元に握られた攜帯を眺め、ポツリと小さく呟く。
私の視線の先には、香澄とのメールや通話の履歴が表示されていた。
どうしたんだろう……。
バイトで顔を合わせた日以來、香澄と連絡がつかないのだ。
私の家を探すと言っていた香澄。
私はその日バイトが終わると、すぐに香澄に電話を掛けた。
數回鳴らしても繋がらなかったので、諦めた私はメールを送信した。
それが、未だに未読のままなのだ。
『靜香さん、今日って誰か家に來ましたか?』
三日前、帰宅した私がそう尋ねると、靜香さんは『誰も來てないわよ。どうして?』と不思議そうな顔をした。
あの日、もしかして香澄は何処で事故にでも遭ったのだろうか……?
そんな不安が頭をよぎる。
私は通話ボタンを押すと攜帯を耳にあてた。
規則正しい呼び出し音は、何度も耳に流れては消えてゆく。
繋がらない電話を耳から離すと、諦めた私は溜息を吐きながら攜帯を閉じた。
明日は確か香澄とシフトが同じだったはず。
明日になればバイト先で會える。
そう思った私は、ベットへ橫になると重たくなってきた瞼をゆっくりと閉じたーー。
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