〜side R〜

「...」

目を覚ますと見慣れない小さな部屋にいた。捕えられたのかという考えが過ぎったが腕に巻かれている包帯やベッドとなりの機にあるパンやスープを見る限り、助けられたと考えるのが妥當だろう。

辺りを見渡しているとが近づき「気分はどう？」と優しく聞いてきた。

「....大丈夫、です、ここは、

   どこ...ですか」

「レリア國のリャナ村よ。

   ひどい傷だったわ...何があったの...?」

「...追われているだけ、です...

   助けてくださり、ありがとう、

   ございました。

   もう、行かなきゃ...」

立ち上がった瞬間鋭い痛みが中を走る。小さく聲を上げてうずくまると壁に背を預けて腕を組み、気だるそうにこちらを眺める青年がいた。

「ダリモツ、クイニコド、デズキナンソそんな傷でどこに行くつもりだ」

母國語をすらすらと話す青年。

彼も...アマツ族...なのか？

「...アマツ族なんて、

   どこにいっても同じ目に合うだけ。」

小さく呟くように彼は言った。

「...ハルくん、言い方がキツいよ。」

「...ごめん、」

ハルくん、と呼ばれた青年は再び私に向き合う。アマツ族を示す青い目と藍の瞳...

「...ダ、ニメジナオ、モテッイ、コドどこいっても同じ目に合うだけ

    ...ダ、エモオ、ハノムシルク、苦しむのはお前だ

       ナイニココ、ハ、デマルオナ、せめて傷が治るまでは

       ガ、ズキ、テメセここにいな」

「...」

彼もおんなじような目にあって來たのか？

何故そこまで私を助けようとするんだ。

...頷くことはできなかった…____

〜side H〜

彼は何があったんだろうか....

アマツ族...俺と同じだから侵略から逃げてきた...と捉えていいのだろうか。

(...傷が深すぎる)

たしかに俺らの民族はほぼ生きていないと言っても過言ではない。全員殺されたのだ。彼も命を狙われていることに変わりはないだろうけど、...まだ未年...あそこまで深い傷は流石に敵國とはいえどつけないだろう。

「...テケスタ助けて....」

小さくかすれた低い聲がした。

隣の部屋....からだろう。だとすればあのだ。

ノックをして隣の部屋にる。

「...タキ、ラナタシガ、エコ聲がしたから來た

     ...カ、ブウジョイダ、タシウドどうした、大丈夫か」

「...ありがとう...はる.....さん...?」

「...ハルマ、だ。」

「...リルです....」

リルと名乗ったはそれっきり口を閉じた。俺は靜かに口を開く。

「...無理にとは言わない...

    辛いんなら...話して楽になるなら話せ」

は震えている。しかしゆっくりと俺を見て小さく頷くと...リルは小さく話し出した。

俺はその話に耳をかたむけた。