《魔力、、君、私》「自業自得」
~side H~
「...という訳だ」
今日聞いてきた容を班長に話す。
「なるほどな...迂回して後方から...か
   実力者...どうなるかわかんないね。」
「あぁ、...そうだあとひとつ...」
ヨーテ王國の現狀を話す。
ただならぬ魔の気配。謎の男。新たな國の存在...
「...そっか...魔...ね」
ため息混じりの班長の言葉。
「狀況把握した。報告ありがとうハル 
    ゆっくり休んで」
「あぁ、おやすみ」
班長とはとても喋りやすい。い時から一緒にいるからだろうか。
俺は班長に助けられてここにいる。
過去に2人のと生き別れた時に救ってくれたのだった。
自室に戻ってベッドに倒れ込む。
今日はんなことがあり疲れた...
「...」
1人の空間になるとどっと疲れが來る。過去のことを思い出してしまうこともある。今、それだった。
そういう時はいつも枕に顔を埋めて靜かに涙を流して...泣き疲れていつの間にか眠っている。そうやってやり過ごしていた。自分がけない。もう18というのに。
「...いっ...」
腕に痛みが走った。そういえば今日怪我したんだっけ...
腕をまくって傷を眺める。傷が深い訳じゃないが傷つけてから応急処置もせずに放っておいたからか傷の周りが青く腫れていた。マーヤに見てもらおうかとも思ったが起き上がるのが億劫でそのまま枕に顔を埋める。深い息を吐いてしばらくそのままぼーっとしていた。
うとうととした意識を呼び覚ましたのは靜かな聲とノック音だった。「...起きてるか...?」というリルの聲である。
「おきてる...っていいぞ」
時計を見ると23:00を回っていた。こんな時間になんの用だと言うんだろう。
「...大丈夫...か?」
「...ぇ...」
「...帰ってきてからずっと...
   顔見なかったから...様子変だったし」
ギクリとして目を逸らす。こいつの観察力...怖いくらいだ。
「...泣いていたのか?」
泣く...?俺が...?
「...別に」
噓をついても無駄だとはわかっていた。
こいつに噓が通用するわけない。
「...そうか。
   大丈夫って言うなら良かった...」
「......っ...」
ズキズキと傷の痛みが出てきた。
「傷の手當てしないでいたのか...?」
「...うん」
だいぶ弱ってると自分でもわかっていた。ほんとけない。また泣きそうになる。苦しい。
「...座ってまってろ、」
ゆっくり包帯が巻かれる様子を眺めていた。
「...」
「自業自得」
涼しい顔でリルが呟いた。
「手當てせずに放っておいたハルマ、
   自分自のせい。」
目を逸らす。自業自得か...
ただ、聲とは裏腹に治療する手は優しかった。
「...ありがと...」
「...いいよこれくらい。気にするな」
ふぁ、あくび混じりのびをする。リルに治療されたおかげかなんなのか、だいぶ気分が落ち著いてきていた。
もう一度禮を言うとリルは立ち上がった。23:30だし休むらしい。
「...無理するなよ」
退室時にリルがこちらを見ずに呟く。
その言葉になんの意味があったのかわからなかった。
さっき班長に話したようなこれから起こることを考えればそんなこと容易に理解することができたのに。
~side R~
目を覚ました時にはまだ外は暗かった。
だけどベッドで寢るのも怯えずに寢るのも久しぶりでよく眠れた気がする。
私たちの班ではない班が代で深夜は監視しているから晝間の戦闘に向けて深夜はゆっくり休むことが出來る。
んーっとびをして凝ったをほぐし著替える。黒いロングコート。姿を隠すために昔姉に貰っただ。きにくそうに見えるが戦闘用に作られたものなのだろう。案外きやすかった。
刀を持ちリビングと呼ばれるような場所に行く。班長とマーヤがいた。
「リルおはよ、早起きだね」
「おはようリルちゃん。
   もうし寢てればいいのに。」
「おはよ...」
これでもよく寢た方だと告げるとため息混じりの「そっかぁ」という班長の聲が聞こえた。今日の予定を班長に聞いてからしばらく経って「...おはよ...」とハルマが起きてきた。
寢起きだといつも以上に眠そうできがゆっくりだ。
「あれからよく寢れたか?」
「寢れた...ありがと...」
ニコッと笑って準備をするハルマはなんか...こっちまで嬉しくなってくる。
「...行くか。」
「了解ハルマ。
   班長、マーヤ行ってくる」
「行ってらっしゃい。気をつけて」
今日は戦闘班の後方援護の予定だった。私たちの班は報収集が主な役割だが人數が足りなかったり戦闘班に頼まれた時はその援護をすることになっている。
「...昨日聞いた通り...後方から
   迫ってくるかもしれないからな...」
小さく呟く。
「...あぁ。気をつけろよ...」
フードを深くかぶる。戦闘班に合流した。
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