「＜メガロポリスの虎＞同盟からから共闘の申しれがありました。＜YUKI no JYOU＞同盟と組んだと見せかけて、裏でうちと組んで同盟相手を潰そうなんて、なかなか抜け目がないですね。確かに＜YUKI no JYOU＞同盟は最強ですから、最初に潰すのはセオリーですが」

メガネ君は＜作家でたまごごはん＞の午後ミーティングの後に報告を上げてきた。

「どうも、怪しい話ね。どちらにも対応できるように準備するしかなさそうね」

神楽舞はそう答えるしかなかった。

「そういえば、この前、≪飛鳥あすか≫同盟の戦闘映像見てたんだけど、あの≪飛鳥あすか≫というプレイヤーのきがおかしいのよ。というか、神業すぎてわけ分からない」

「刀が消えるやつですか？」

メガネ君はデスクトップパソコンから、その映像を出してきて再生した。

「それもそうだけど、敵の攻撃が全く當たらないのはどうしてなの？」

「そうですねえ、居合というのはご存知ですか？」

「あの、刀を神速で抜くやつ？」

「簡単に言えばそうですけど、どうして、刀を抜く瞬間が見えなくなるかですが、それは日頃の≪型稽古≫で最小のきでけるように修練するからですね。ただ、居合、抜刀の極意は＜刀を抜くのではなく、鞘を引く＞ことにあるといいます」

メガネ君は機の下から模造刀を持ち出して、腰に構え、一瞬で抜刀してみせた。

全く見えないけど。

メガネ君、いつから居合を習ってたの？

「ちょっと、スローモーションでやってみますね。こういうじです」

メガネ君は最初に鞘を後ろ側に引いて、鞘の方を抜いている。

そこから最小限のきで、刀を橫薙よこなぎに払っている。

「何となくわかったわ」

「つまり、鞘の引くスピード＋刀をそこから切り出すスピードで、単純に言えば倍速のきになります。とはいえ、刀、鞘を最小限のきで抜くという作は日常生活ではできないようなきなので、型稽古を繰り返すことでにつけるしかないですね」

「なるほど、だけど、それが何故、敵の攻撃が全く當たらない理由になるの？」

どうも理屈が分からない。

まるで魔法のようなきだし。

「僕もねえ、正直、最初は分からなかったんですが、普通のプレイヤーは遠心力に任せて、刀を振り回し勝ちなんですよね。ところがですね、居合などの武家のきは長い歴史の中で、もっとも合理的なきが出來るような型稽古を開発して改良して進化してきた。刀の軌道半徑も最小限になりますので、スピード的にも全くついていけない訳ですが、それに加えて捌たいさばきも特殊で、人間のにはできないきや力がらないきがあって、それの原理を究めると小柄な合気道の達人が大男を何人も投げ飛ばすということができたりします」

メガネ君はそういいながら、ネット畫を再生して見せてくれた。

居合の達人が刀を抜く映像や合気道の＜空気投げ＞で大男がポンポン投げられる畫を見たが全く分からない。

「昔の日本人の捌たいさばき、特に歩き方は竹馬に乗る時のように右足を出す時に右手をだすような歩き方だと言われています。それは＜ナンバ歩き＞と呼ばれますが、実際には著や腰の刀のせいでをひねらない捌たいさばきが生まれて、あまり手を振らないような歩き方だったと思われます。能とか歌舞伎、巫舞に見られるようなすり足で歩くようなきだったようです。飛腳や忍者が走る場合は＜ナンバ走り＞と呼ばれますが、人気忍者漫畫、アニメの≪猿飛サスケ　風忍伝≫では、手足を後ろにばして、をひねらずに走ってますよね。ああいうじで、飛腳は腰巻か褌ふんどし姿だっというけど、効率的な＜ナンバ走り＞で一日數百キロ走ったといいます」

メガネ君はそこで＜古武バスケット＞という畫を再生しはじめた。

普通の走りと＜ナンバ走り＞の比較畫があったが、どうも手の振りというよりがをひねらないきが大事なように思えた。

右、左のの捌きの切り返しだけでディフェンスをすり抜ける＜古武ドライブ＞、肩甲骨と左右の腕の差で素早くだす＜古武パス＞、軽く飛んでその反発力で打つ＜古武長距離シュート＞、予備作の全くない＜古武ディフェンス＞とか、もうわけわからない畫が連続していた。

「それが西郷隆盛との西南戦爭で軍の庶民兵が走れなくて、薩軍に次々と切り倒された事例から學んで、西洋式の軍隊の走り方、作を小學校、中學校からの軍隊教育に導して、こういう捌きは日本人の生活から消えていきました。右、左のの捌きの切り返しだけでディフェンスをすり抜ける＜古武ドライブ＞が一番、わかりやすいですが、日本の古武にはこういう獨特の捌きが基本となっていて、柳生新流の元となった＜影流＞の極意も、刀の影にを潛ませる表裏変転のがあるといいます。その起源は忍や修験道から來ているのではないかと言われています」

柳生新流と忍を研究している歴史小説家の畫が流れている。

本を斬ったかと思ったらそれは影で、影だと思ったところから刀が突然、切りつけてくるような刀、それが＜影流＞だという。

「なるほどね。わかったような、わからないような話ね」

「僕の古武道場では≪飛鳥あすか≫というプレイヤーの刀は＜風の太刀＞といいます。僕もいつかああいうきができたらなあと思っています」

神楽舞は＜刀剣ロボットバトルパラダイス＞の先進的な≪バーチャルアバタ―コントロールシステム/Virtual avatar control system≫に想いを馳せた。

ヘッドマウントディスプレイを経由して、脳波で直接、作できるプレイヤーの分である≪アバタ―≫が＜ボトムストライカー＞を縦するシステムは、リアルの能力や経験、反速度が反映されるものになっている。

それはリアル世界の修練がゲーム世界に影響するようなシステムであり、メガネ君がいう＜風の太刀＞とやらも、いつか実現できるのではないかと思えてしまう。

いつしか、神楽舞はそんな未來を幻視していた。

（あとがき）

2度目の抜刀が見えない！？　これぞ神業！黒田鉄山の居合の演武に驚愕！！

https://youtu.be/jyga4YN8NpM

黒田鉄山 0.1秒の抜刀 スローで見る神速の居合 Kuroda Tetsuzan [slow motion]

https://youtu.be/c6mI7zyEKNU

黒田鉄山 基本素振り（の太刀）“魔の太刀の真価”とは？

https://youtu.be/L0nXGIzcZEg

民彌流居合 Tamiya Ryû Iaijutsu 表之型 Omote no tachi 真之太刀 Shin no tachi

https://youtu.be/giEdxC76uVc

刀をいつ抜いたかわかんない訳です、上の畫はスローモーションの型稽古の畫で、ようやくわかります。

つまり、左半の捌きで刀ではなく鞘を抜いてそこから切りにる。

そうすると、円を描いて刀を抜く場合に比べて刀はその位置からかず、無駄なきがなくなる。

古武バスケット 桐朋高校 (2013. 9/15)

https://youtu.be/xdwPE-WwtRU

【古武バスケ】　マイケル・ジョーダンのような右ドライブのやり方　紹介金田夫の驚異の古武バスケット上達法！オフェンスの全て（シュート～ドライブ～パス）

https://youtu.be/vR_qxkA3hfc

古武家_甲野善紀_カラダ革命_aac

https://youtu.be/z9WDKhYT7iE

ナンバ歩き-甲野善紀-

https://youtu.be/DC66NZj8pJ4

多田容子「表裏変転の兵法　柳生新流」（部分）

https://youtu.be/rnYxlX-LIl4

多田容子 OFFICIAL SITE 時代小説作家のサイトです - nifty

http://homepage2.nifty.com/tada-yoko/

ナンバについては多田容子さん、甲野善紀が詳しいですが、ナンバで走った陸上選手もいたそうです。

ナンバ＝忍者走りが起源じゃないかと思います。武道の中にも取りれられたきではあるんですが。