《複垢調査 飛騨亜禮》新ネット小説投稿サイト《ヨムカク》

「あなたが噂の《複垢調査》飛騨亜禮ひだあれいさんですか?」

新ネット小説投稿サイトを運営しているH社のJK氏が口を開いた。

そこは京都のとある高級料亭である。

JKは何故かサングラスをかけている。

隣には若い可の子が座っていた。

幻想的な黒い切れ長の瞳が印象的で、全的に小づくりなじでガラス細工の人形のような儚さを漂わせていた。

白いワンピースの清楚なドレスを著ている。

首には真珠のネックレスが輝いていた。

「《複垢調査》というのは渾名あだなみたいなものですから、そんな大したものではありませんよ」

飛騨亜禮はいつものダークブルーのサイバーグラスをかけている。

隣には人気ネット小説投稿サイト《作家でたまごごはん》運営の神楽舞かぐらまいと、最近、アルバイトから正社員に昇格したメガネ君もいた。

一番端にアリサがちょこんと座っていた。

今日は妙におとなしく、黒髪を高く結い上げていて黒い喪服のようなスーツを著ていた。

気まぐれな貓のような青い瞳がしいが、父親がフランス人らしいと聞いている。

首にはサファイアとルビー、ダイヤモンドが散りばめられたネックレスをしてた。

若干、派手だが、いつもの合コンモードではない。

「アリサちゃん、今日はどういう用件なの?」

神楽舞は京都のIT企業のパーティでアリサに知り合い、たまに一緒に合コンに參加してる仲だが、飛騨君にはにしている。

アリサはIT企業の友人ということになってる。

本當はまだ子大生である。

「JKさんが舞ちゃんと飛騨君に相談があるというのよ」

アリサはいつもの貓なで聲で答えた。

無駄な気を出さないでしい。困ったものである。

「そちらのしいお嬢様のお名前は?」

メガネ君が余計な質問をした。

「これは失禮した。紹介しよう。彼は新ネット小説投稿サイトの運営を任している神無月萌かんなづきもえ君だ」

儚げな瞳を潤ませて上目遣いで會釈した。

メガネ君の目がはーとになっていた。

飛騨はいつものサイバーグラスで表は伺い知れない。

が、口元がし緩んでいる。

これだから男ってと神楽舞は心の中で舌打ちした。

「相談というのはのことですか?」

飛騨は単刀直に切り出した。

「そうです。Wooooooo!!」

その時、JKはサングラスをかけたまま、首をかしげるような仕草をしながら、突然、んだ。

次の剎那、アリサの鋼鉄のヨーヨーがJKの頬をめがけて放たれた。

しかし、驚いたことに白い鞭のようなものがヨーヨーを空中で迎撃して打ち落としていた。

「アリサさん、お行儀よくして下さいね。私がいる限り、社長の頬には指一本、れさません!」

白い鞭の持ち主、神無月萌は京都人っぽい狐のような切れ長の瞳を煌かせながら吼えた。

低音のドスの利いた聲に、メガネ君は『トイレに行きます』と言って席を外した。

足がガタガタ震えている。

「あなた、若いのになかなかやるわね」

ペルシャ貓のようなアリサの青い雙眸が爛々と輝いている。

というか、アリサちゃんは20歳だし、萌ちゃんは確かぴちぴちの24歳だったはず。

自分が年上のような上から目線のアリサの態度に神楽舞は呆れるしかなかった。

私?年は言えないわ。悪かったわね!

「ともかく、社長、いくらに嵌ってるからと言って、突然、モノマネしないで下さいね」

確かにそうよ。アリサちゃんがヨーヨー飛ばしても無理もないわ。

「萌君もアリサちゃんも手厳しいな。わかったわかった。Wooooooo!!」

JKはサングラスをかけたまま、首をかしげるような仕草をまたやりやがった!

アリサの鋼鉄のヨーヨーと萌の白い鞭が空中で再び錯した。

一瞬、火花が散る。

「いや、お恥ずかしい限りです」

神無月萌は流石に恐して頭を下げた。

そんなじで宴は和やかに進んだ。

メガネ君はしばらく帰って來なかったのだが。

飛騨亜禮も、翌日から新ネット小説投稿サイトの調査に行くことになった。

だが、彼の前に想像超えた恐るべき小説が現れることを、彼はまだ知らなかった。

(あとがき)

「複垢調査 飛騨亜禮 作者 坂崎文明」を十萬字まで持っていくために、この作品を「第六章 《複垢調査》飛騨亜禮の華麗なる帰還」ということで連載して行きます。

https://kakuyomu.jp/works/4852201425154917720

第四章 僕の彼はアンドロイド/複垢調査 飛騨亜禮2 TOKOYO DRIVEはnoteに連載してるものと同じものです。

https://kakuyomu.jp/works/4852201425154917720/episodes/4852201425154965717

第五章 複垢狩りゲーム なども同時更新で何とか10萬字に乗せたいですね。

https://kakuyomu.jp/works/4852201425154917720/episodes/4852201425154965717

炎上商法~リアルホラーの真相~も合わせて読むとヨーヨーの意味が分かります。

https://kakuyomu.jp/works/4852201425155006317/episodes/1177354054880307095

の元ネタ(オリラジの畫です。ネタまでたどり著くまでちょっと長いです)

https://youtu.be/4Bh1nm7Ir8c

次回予告「第二話 衝撃の三文字小説」

《複垢調査》飛騨亜禮は果たしてこの小説の謎を解くことができるのか?

ビター & スイートのすてきなおいしさ オレオ(現在、SFジャンルで一位です。謎です)

https://kakuyomu.jp/works/1177354054880427843

3文字しか書かれていない小説『オレオ』が「橫浜駅SF」を抜きカクヨムランキング1位に! これがカクヨムで一番人気のある小説か・・・

http://www.matolabel.net/archives/56824398.html

第一話だけで『小説投稿サイト・カクヨムのランキングトップ』に載る方法。作者 森永ピノ子

最終鬼畜兵『オレオ』が総合1位になった理由について。森永ピノ子

https://kakuyomu.jp/works/1177354054880494268(リンク切れ)

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