《複垢調査 飛騨亜禮》AIヒューマン

「三さん、オペレーターの月読真奈つくよみまなです。北朝鮮のミサイルが島に落ちます」

衛星軌道上の太古の人工衛星、遊星<クルド>からの通信である。

代々、結社<天アマガラス>の月読家がその運行を任されていた。

「それはどういうこと?」

石田三は訊き返した。

「天橋立に<AIヒューマン>のウサギがいます。彼から通告がありました。彼を排除するしか手は無さそうです」

「<AIヒューマン>っていうのは?」

聞きなれない言葉に三が反応する。

「人工知能とナノテクの融合によって超能力を持つに至った新人類のようです。公安警察の神沢優さんが追ってたらしいですが、詳細は不明です。どうもの特とコードネームもつ個が多いようですが」

「まるで、アニメの<のけものフレンズ>みたいだな」

真田幸村が苦笑する。

<のけものフレンズ>とは深夜の人気アニメで、人類滅亡後の世界で人語を解すがサファリパークのような所で生存しているというお話である。明るい雰囲気のアニメながら、時折、不穏な背景が見え隠れするので人気化したようだ。

「幸村さん、お願いできますか?」

が幸村に視線を送る。

「了解」

短く答える幸村。そのまま運転席の後部ハッチを開けてトレーラーの荷臺に移する。

「幸村さん、ボトムキャリアーのハッチオープンします」

しばらくして、トレーラーの荷臺の最後方がハッチが左右に開放され、紅の人型機が現れる。

このボトムキャリアーには人型機を三機搭載できる。

「戦國時代以來だな。これに乗るのは」

全長4メートルほどのボトムストライカー<ニンジャハインド クリムゾン>が姿を現す。

真紅の機が月明かりの中にしく映える。

そのままローラーブレードで道路に著地し、天橋立に向かっていく。

「メガネ君ちょっと運転を代わってくれないか? 嫌な予がする」

「了解です」

経験上、石田三の嫌な予はよく當る。

も後部荷臺に移する。

直後、トレーラーの荷臺で発が起こる。

メガネ君が後方カメラモニターの中に無數の飛行を発見する。

「三さん、予的中です。ドローン弾のようです。ハッチ開けます。気をつけて下さい」

トレーラーの中央ハッチが開放されて、白銀の機が現れる。

ボトムストライカー<ニンジャハインド ドローンマスター>である。

背中に天使の翼のようながあり、羽が分離して、次々と空に舞い上がる。

その羽は小型のドローン兵であり、神経接続されたサイコデバイスによって思念縦される。

鳥のような<AIヒューマン>が後部カメラに映る。

「さて、戦闘開始といきますか」

今日は意外と好戦的な三である。

の羽型ドローンと鳥型<AIヒューマン>のドローン弾が激突した。

(あとがき)

やっと、第七章のタイトルのAIヒューマンが登場です。

こんな形になるとは書き始めた頃には想像できなかったですが、AIとナノテクを複合させると超能力のようなことができるようになります。

そういう本があって、本屋で立ち読みしたんですが(笑)、今度はちゃんと購してみます

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