《転生して帰って來た俺は 異世界で得た力を使って復讐する》24-1
両手首骨折、右腕の骨にヒビ、左肩臼、肋骨は骨折半分ヒビ半分、大骨損傷、腓骨《ひこつ》損傷、の至るところに裂傷、火傷。そして出......
「く...そ.........っ」
満創痍《まんしんそうい》で魔力も枯渇、力もほとんど殘ってない狀態でくこともままならない。完全に詰んだ狀態に追い詰められ、目の前の敵にすぐに殺されるような狀況になってしまっている。
外からは俺らの爭いを見て聞きつけた野次モブどもが屋上を注視している。リリナが人払いをかけたのか屋上にってくる奴はいないが。
で、肝心の敵リリナだが、俺を這いつくばらせて後は首を刎ねるなりの魔で消滅するなりでサタンごと俺を殺すだけやというのに、中々実行しようとしない。
「どしたァ?俺をあの世に連れてくんやないんか...?ごほっ!サタンを俺の中から引き出すのは不可やから俺ごと殺すしかないんやろ?何や、ここにきて人を殺すことに抵抗あるんか?こんな殺人鬼にでも、殺すことに躊躇《ためら》いはあるんか...?」
奴を煽るように質問しながらこっそり治療をかける。魔力が殘り僅かな為、せいぜい重傷箇所を軽傷手前までしか治せないレベル。その狀態で逆転できる可能は1%を切る確率だ...。
それでも可能がある以上は俺は諦めねー。このが生きてる限り俺は出來ること全部やってやる。俺が復讐してきた連中みたいにがボロボロになっただけで無様にいて命乞いをしたりはしねー。そんなことをする暇があったらしでもこのチート神を殺すを模索したるっちゅーねん!!
「......殺さなきゃって、分かってるんだけど......駄目ね私。やっぱり傷ついたあなたを前に、命を奪うことが......躊躇われるわ...!」
「俺をこんなにしておいてよくそんなことが言えるなァ?」
「......憶えてる?王だった私が、魔王軍との戦いで傷をつけて帰ってきたあなたを治療していたこと」
(こんなに傷ついて......じっとしてて!応急処置程度しかできないけど治療魔かけるから)
(っ、いてて...!)
リリナのその言葉を聞いた直後、脳裏に何故かあの頃の二人のやり取りが過ぎる。同時に頭痛が襲い思わず顔を顰める。
「本當は友聖をこんなにしたくなかった。殺すことはもちろん、傷つけることすらも厭だった」
何を甘ちゃん発言を...。
「でも......今の友聖はもう取り返しがつかないレベルの罪を犯してきている...。未來では多くの、本當に多くの人を殺してしまっている...。1人1人の命を弄び、尊厳を凌辱し、罪の無い人々をたくさん...殘酷に殺してきた...!」
「せやな、俺は確かにたくさん殺した。日本では1億數千萬いる人間のうち數千萬人は殺した。無慈悲に、殘酷になァ。
それよりもっと前...異世界では世界そのものを破壊してもっとたくさんの命を消し去った。俺がしてきた所業はもはや死刑では生溫いレベルや。死ねば俺は...あるならやけど地獄行きは確定やろなァ。けどかまへんよ俺は。俺の復讐がせればそれでええから。後がどうなろうが知るか。俺を理不盡にげた奴らが地獄に落ちる様を見られれば、殘酷に殺せればそれでええんやから...!それさえ葉えば俺はどうなったってええわっっ!!」
「......」
「それに罪の無いと人々って言ってたけどなァ、それはちゃうぞ?俺は殺す奴はちゃんと選んだ。俺に喫煙させたあるいはさせるであろうヤニカスども、俺の橫斷を妨げる通ルールを無視するゴミカスども、俺に騒音を聞かせるゴミクズども。俺が殺したのはそんな害悪をまき散らす奴らだけや。俺に不快と害悪しか齎《もたら》さへんゴミカスどもなんか死んで當然や!!」
「まさか...そんな理由だけで、あなたはあんなにたくさん人を殺したの...?」
リリナは信じられないといった様子で俺に問う。
「はぁ?それ以外に何の理由があるんや?俺にとって他の人間の命なんか知るか、羽蟲よりも軽いわそんなもん。それに.........
俺に理不盡ばかり強いるこんな世の中が、どれだけ壊れようが俺には何の痛《つうよう》にもならねーよっっ!!」
「......っ!」
俺の剣幕と聲にリリナは怯む。俺の激はまだ収まらない。
「俺がどれだけ理不盡を被ったと思ってるんや?俺から何か罪を犯したわけでもないのにいつも、いつもいつもいつも......あいつらからちょっかいかけてきて反抗したら理不盡にげられて排除されて、除け者にして無視して!そんな俺が助けを呼んでも求めても、だぁれも応じてはくれへんかった!!この世界でも、あの異世界でもや!!」
「......!!」
「家族も學校も警察も何もかも、げられて孤立している俺に救いなんてなかった!味方の奴は一人もおらんかった!
異世界では、王も貴族も冒険者も國民も村も全員俺を都合の良い道としか扱わず冷遇して、俺が孤児で低い分出だったことをずっと蔑んで下に見続けた!!魔王を討ったと知るやいなや俺はお払い箱、ロクに報酬を寄越すどころか...誰もが俺を見下すだけで禮も無し!!」
「友、聖.........っ」
「しまいには......リリナ王。お前もあの異世界のクズどもと同じ、俺を下に見て蔑んでいて俺を魔王軍討伐に都合の良い道としか見ていた。長年ずっと、出會った最初から...!俺はそれに気付かずお前に気を心を許してしまって!この人ならと思ってしまって!魔王を討ってそしたら一緒に遊ぼうって考えてた俺は!
お前の冷たい言葉で目が覚めた!気付いた!壊れた!!俺はようやく理解できたんや!!
この世には《《俺に優しくしてくれる味方なんか誰一人存在してねー》》って!!!」
「―――――」
「クラスカースト低い俺が反抗したからか!?正當防衛で俺も暴力振るったからか!?皆が黙認してそのままにしている間違ったことを指摘したからか!?
分が勇者してたんがそんなに気にらなかったんか!?それとも他所から転生してきた俺に異臭をじての嫌悪か!?単にこの杉山友聖という存在が気にらないからか!?
ならええわもう......こんな世の中は俺好みに変えて潰したるわ...!どいつもこいつも俺に理不盡を強いてばっかの世界なんか!!壊れようが滅ぼうが俺にとってはもうどうでもええわ!!!」
俺の怒濤の本音暴は、目の前にいるリリナと、恐らく屋上に目を向けている連中にも屆いているだろうよ。俺には聞こえるで?俺のこの激に対するるお前らの耳障りな嘲笑が。どうせお前らは俺のこの憎悪と苦しみを理解しようとせず、ガキがなにか喚いてるって馬鹿にしてやがるんや。
ええよ別に理解せんで、理解してほしくて言ったわけちゃうし。けどお前らは全員俺が殺す。俺を嗤う奴は全員ぶち殺す!今この場面を目にして聞いている奴らは全員ぶち殺すから!!
「.........友聖」
怒りの咆哮を終えて治療に集中しているとリリナがしゃがんで俺の顔を真っすぐ見つめる。
「聞いて......」
聞く?何を?俺の今の激白に対して侮蔑の言葉でもかけ――
「違う、違うよ。あの時友聖に見せた冷たい私は噓だったの。本當はあなたにサプライズパーティーをする為の《《演技》》だったの!!」
―――。
――――。
―――――。
「私は友聖にいっぱい謝していた!友聖の無事な姿を見れて嬉しく思った!友聖の報酬の不遇さにお父様に異議も唱えた!後で友聖に追加の報酬と禮狀と名譽を贈るよう約束させた!友聖に演技で冷たく接してさよならしてからの三日間はあなたのパーティーの準備をしていた!友聖に喜んでもらう為に、一杯労って謝してもてなす為に!」
こ、の.........、は...............
「私は...私と一部の兵士たちは友聖のことを道だなんて思ってなかったよ!!ちゃんと友聖のこと仲間だって、大切だって思ってて...!!いっぱいお禮しようって思ってたの!!」
この..................元王、は...............
「私はあの時!友聖に告白するつもりだった!!“友聖が好き”だって!そして今も、あなたが好き!!」
―――。
――――。
―――――。
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