海風に靡かれた灰の長い髪、人から避けられる赤い目のは現在、凄い不快に侵されていた。

｢海上団 本部(一軍)第75期生新兵の皆さん、私は副団長のリアム・ミラーと申します。今期は戦爭が荒れている時でして、団直後の皆さんは殉職する可能が高いため…覚悟をっ……！｣

副団長の聲が途切れ、の視界に生意気顔の子供が映った。

「ようこそ…新兵の皆さん！！そして、さようなら」

子供は狂気の笑みを浮かべ団員に向けてバズーカを撃った。艦が大きく揺れ、に風が襲いかかり、他の団員(新兵)は吹き飛んだ…。

｢いやぁ悪かったね。知人が開発したこのバズーカの能を試したくってね。これは威力が強いなぁ…｣

子供は半笑いで団員(新兵)に謝罪した。

は子供に向け敵対心を覚え、睨みつけた。

｢そんなに睨まないでよ 怖いよぉ？君 名前は何？｣

は眉間に皺を寄せながら上司とは思えない子供に名を言った。

｢ヴェルザ・ブルームフィールドです…｣

｢長いからヴェルちゃんね？｣

子供はヴェルザの心を更に不快にさせた。

｢ｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞ！！サラ指揮 何をしているのですかっ！団員(新兵)に向けて撃つなんて！今日だけは大人しくしてくれると昨日、約束しましたよねっ！｣

｢え？だって…団長に許可取ったよ｣

｢それは唯 団長が何も言わなかっただけでしょう！まったく…｣

｢あ、あのぉ…その人は…あの、指揮？だったのでしょうか…？｣

ヴェルザは位の差が大きい人に対して眉間に皺を寄せてしまった無禮に顔が青褪めた。

｢…？この人は指揮ですよ｣

｢私 指揮だよ？｣

男は答え、子供(指揮)も答えた。

｢無禮をお許しください…！上司とはいえ そこまで位の差があるとは思ってもおらず…顔にを出してしまいました｣

｢あー…いーのいーの。不快にさせたのは唯の嫌がらせだからね。気にしないでよ？｣

｢そう云えば私はまだ名乗ってなかったね…サラ・グレイと申すのだよっ！｣

グレイは謎のドヤ顔で名乗った…

正直、低長の彼を子供と思ったのが私だけでは無いはずだとヴェルザは思った。

｢では私も自己紹介を…マルス・イグニスと申します。砲長であり、海上団の事務長を主に務めており、サラ指揮の補佐として補佐も務めております｣

イグニスは丁寧に名乗ってくれた。ヴェルザは何故だかイグニスに同した…。

｢自分はヴェルザと申します｣

｢…！ヴェルザってのは貴方だったのですか？新兵にして特別進級で一等兵に飛びりしたのは…｣

｢あぁ、はい｣

｢へぇ…ヴェルちゃん凄いね！一等兵に飛びりだなんて｣

｢いえ、自分はまだまだ劣っています｣

｢そんな事無いと思いますよ｣

ヴェルザはし顔が明るくなり俯いた。

｢ところでサラ指揮？もう止めて下さい、武を試す時はせめて艦から出て、人が居ない所でお願いします！｣

｢止はしないんだ？そういう所が甘いよねぇ…ヴェルちゃんもそう思わない？｣

ニヤけてグレイはヴェルザに問う。

｢そうですね…イグニスさん！もう止にして下さっても良いと自分は思います｣

｢そうなんですけど…止しても無意味でして…｣

｢あぁ……｣

ヴェルザはグレイの武止を破る姿が直ぐに頭にでてきた。

｢ヴェルザさん。私の事 イグニスと呼んでくださいね？こう見えて堅苦しいのは苦手なんです。私もタメ口を使わせて頂きますね？｣

｢え、あぁはい？…いや、うん。イグニス｣

｢ヴェルザ…？顔が変ですよ？｣

ヴェルザは人と馴れ合いを得意ぜず好まない…

だがこの日を境にしだけ変わった気がする。

豪華な窓枠細工と明で綺麗にき通った窓ガラスに越しに橙の瞳がヴェルザを映した。

｢面白そうだな…｣