『あなた、思っていた程強くないわね』

 その言葉が炎の心の中にズッシリと刺さっていた。

 ようやく自分の能力を使いこなせる様にまでなってきていた。しかし現実は殘酷で相手に手も足も出なかった炎。

 (確かに俺はまだまだ弱い！うかうかなんかしてられない！…もっと強くならないと！！)

 炎は握りしめた拳を見ながら決意を新たにしたのだった。

 ---本部のオフィスに戻って來た炎は志村の方に真っすぐ向かって行った。

 「戻りました」

 炎は志村に一言言うと志村はそれに気づくとニコニコしだした。

 「戻ってきたみたいだね！柑菜から報告はけたけど、災難だったみたいだね」

 「ええ、まあ…」

 志村の話に適當に相槌をうった。まだあの時のセリフが頭に殘っていて半分上の空だった。

 「まあ君を呼んだのは改めて彼を紹介しておかないとと思ったんだけど、ちょっと気まずいかな？」

 志村は炎の顔を見て聞いてきた。どうやら志村は気を使ってくれている様だ。

 「いえ、大丈夫ですよ」

 だが炎はそれを悟ったのか逆に気を使わせまいと平然を裝った。

 「本當にココの人間だったのね」

 すると炎の背後にが立っていた。急に聲をかけられ驚く炎。

 「彼はうちの期待の新人、黒崎炎君さ！君がちょうど遠征に行ったのとすれ違いにうちに來たのさ！」

 「ふーーん…」

 テンション高めで紹介する志村だがはあまり興味がなさそうだった。

 「そしてそしてー、炎君の後ろにいるゴズロリはー！」

 「変な紹介するんじゃないわよ」

 志村の紹介にツッコミをれるだが志村は気にすることなく続けた。

 「我がスフィアにおいて欠かせない存在、フィリナ・ラビリンスちゃんだーー！！」

 志村は一瞬でフィリナというの元まで近づき両手を彼の方にばしながら紹介した。

 「あんた、私を舐めてるのかしら！」

 「いやいやー、そんな恐れ多い事なんか出來ませんよー！」

 全く恐れている気はしないがフィリナは呆れた顔をしていた。

 (ん？フィリナ・ラビリンスってどっかで聞いたような…)

 炎が思い出そうとしたのを見て志村が話を続けた。

 「彼の名前は1度耳にしていると思うけど、思い出せるかな？」

 志村にそう言われた途端、炎はパッと思い出した。

 (いや、でもそんな事ありえる訳…)

 「あり得ないって顔をしてるね。でも現に彼は正真正銘の本だよ！」

 「！？」

 志村は炎の思っていた事を見破りそして否定した。だが炎には信じられない事実だった。何故なら彼は…

 「フィリナ・ラビリンス、彼は間違いなく、---初代スフィアの1人だよ！」