《BLOOD HERO'S》episode4 #9「聖槍・群愚尼流」

 炎が黒龍刃を振ろうとした時だった。

 「聖槍せいそう・群愚尼流ぐんぐにる!」

 「!!」

 フィリナがそう言うとフィリナのの中心部から何かが飛び出してきた!

 「ぐっ!」

 炎は回避しようとしたが時すでに遅く右肩の方を貫かれてしまった。

 「ぐわっ!」

 貫かれた衝撃で後ろに飛んでいく炎。10m程後ろに飛ばされ地面に激突した。右肩を貫かれた痛みと地面に激突した背中の痛みでうずくまる炎

 (クソッ!右肩に力がらない。剣もかせそうにない)

 右肩を押さえ立ち上がろうと試みる炎だったが、中々力がらずただ地面に突っ伏すしか出來なかった。

 「全く、この能力だけは使いたくなかったのだけれど、背に腹は変えられないわ」

 痛みを抑えながらフィリナの方を向く炎。するとフィリナの右手には5mぐらいある槍を手にしていた。

 「や、槍?」

 (どういう事だ!?一何処に隠し持ってたんだ!?)

 今の炎の頭の中は疑問だらけになっていた。

 「見ての通りコレが私のもう1つの能力、聖槍・群愚尼流よ」

 「も…う…1つの…能…力…?」

 更に驚くべき事実を知る炎。能力というのは1人1つだと思っていた。その底が今崩されつつあった。

 「この力を見せるのはアイツ以來かしら?他の連中には見せたことはなかったわね。なら栄に思うことね」

 (アイツ?ひょっとして志村さんのことか?)

 炎の頭にはすぐ志村が浮かび上がった。どうやらフィリナは2つ目の能力は仲間にもあまり見せていないようだ。

 「さて、もう終わりでいいのかしら?」

 フィリナは地面に突っ伏す炎を見て問いかけてくる。

 「ま…まだ…だ!」

 炎は力を振り絞りなんとか立ち上がることが出來た。だが右肩を負傷して剣をまともに振れる狀況ではなかった。

 「やる気は認めてもいいけど、本當にまだ戦えるのかしら?」

 更に問いかけてくるフィリナ。

 「ああ、意識が無くならない限り何度でもやってやるさ!」

 そう言う炎の目は獲を見る獣のように鋭く目をらせていた。その姿を見てフィリナはとある年の面影をじていた。

 ---「うりゃあーー!!」

 今から20年程前、緑に溢れた平地に響く年の聲。木刀を振りかぶりフィリナに向かって襲いかかってきた。

 「ふん」

 「うわあー!」

 だがフィリナにアッサリかわされ勢いあまって転げる年。

 「きが単調過ぎ。そんな攻撃一生かかっても當たんないわよ」

 「くうううー!」

 フィリナにそう言われ年は涙目になりながら悔しそうな顔をした。

 「ほら、もう1回來なさい!」

 「うりゃあーー」

 さっきと同じように木刀を振りかぶり向かって行くが同じようにアッサリかわされる年。

 「ぐへっ!」

 その勢いがつき過ぎておもいっきりりコケた。

 「學習能力なさ過ぎよ、アンタは」

 フィリナは溜め息混じりに年に向かってそう言った。更にフィリナはこう続けた。

 「それで先代に顔向けできると思ってるの?---蔵之介!」

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