《BLOOD HERO'S》episode5 #1「初遠征」

 ---フィリナが遠征から戻ってきたことによりスフィアのメンバーが全員揃った。

 スフィアの構員はおよそ100人程で中でも戦闘員は新米の炎と局長の志村を含めても僅か7人しかいない。殘りは研究班や醫療班、炊事班や清掃班等の後方での職についていた。

 昔は數十人規模でいたのだがとある事件により急激に數が減ってしまったのだ。

 そのせいで他の地方に回す余裕は殆ど無くなってしまった。上のお偉い方から他の地方にもスフィアのような機関を作ろうという話も出たのだが志村ははそれを拒否した。

 理由を聞いても「私達だけで充分です!」とだけしか言わずお偉い方達は志村の考えが理解出來ず結局あやふやな形で保留になってしまった。

 だが幸いな事というべきか能力者の発生率が高い六英に比べ他の地方全を合わせても発生率が低いのである。

 理由は未だに分からないがネットでは『組織による謀説』や『能力者を造るパワースポット・聖地が存在する説』等が噂された。

 しかし人災にしろ自然災害にしろ不可解な點が多い為その話はオカルト話としてあっという間に世間から忘れ去られていった。

 話は戻って六英より遙かに発生率がないとはいえ確率が0というわけではない。

 それに対し志村が打ち出した策は他の地方から能力者が生まれた場合、僅か7人の中から1人だけを遠征に行かせるというものである。

 あまりにも効率の悪い策だがその分確実に能力者を拘束及び始末していった。

 『鋭』、まさしくスフィアを表す言葉だった。戦闘員は皆優れている。その有能っぷりにはお偉い方達も認めざるを得なかった。結局スフィアの今後の方針も全て志村に任せることにしたのだった。無論志村は自分のやり方を曲げはしなかった。

 ---話は変わり、六英駅にて

 「忘れは…無いよな?」

 炎は駅で獨り鞄の中を何度も確認していた。中は予備のスーツ一式、書き込まれた地図と寫真、カードケースに攜帯食料etc…

 いつもよりし大きめの鞄にしていたがやはりスーツ一式が容量の半分以上を占めていた。

 「とりあえず他に必要なものがあったら適當にどっかで調達すればいいかな?」

 そう言うと鞄を閉め肩に擔いだ。

 「そろそろ行かないと」

 炎は1人つぶやきながら駅ホームへと足を進めて行った。

 黒崎炎・年齢不詳(多分20代前半ぐらい)。これから初の遠征に向かって行くのだった。

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