《BLOOD HERO'S》episode5 #8「九ノ重 神楽」

 「ようこそおいで下さいました!!」

 り口の前に立っていたはそう言いながら姿勢をただし綺麗な弧を描くように頭を下げた。その一連の作は見ていて気分がいいくらいスムーズだった。

 「おお、神楽さん。こんにちは」

 「あら多原さん。こんにちは」

 多原と神楽と呼ばれているはお互いに挨拶をわし始めた。

 「お客人連れて來ましたよ」

 「あら。すいません。わざわざそんなことまでしていただいて…」

 「いやいいんですよ!元々私が呼んだんですから」

 「あらそう?」

 神楽は頬杖をつきながら多原の言葉を呑み込んだ。そしてまた姿勢をただし炎の方に視線を移した。

 「申し遅れました。私、このホテルもとい旅館の將兼経営を勤めております九ノ重 ここのえ 神楽かぐらと申します。この度は遠いところからのご足労いただき心から謝申し上げます」

 「は、はあ…」

 神楽は自己紹介をしながら再び頭を下げた。それに対して炎し困したものの小さくお辭儀をし返した。

 「今日は長時間の移でお疲れでしょう。お部屋でお休みになられたいでしょうからすぐにご案しますね」

 「あ、すいません。ちょっと待ってください!」

 「??」

 神楽は炎に気をかけてすぐに部屋の案をしようとしたが炎は1度引き止め多原の方に視線を向けた。

 「多原さん。もしよければですけど、今から例の場所に連れて行ってもらうことって出來ませんかね?」

 「え?」

 炎からの思わぬ発言に多原は間の抜けた聲を出してしまった。

 「え、ええ。それは構いませんが今からだと奴がいるかどうか…」

 六英から出発してここに辿り著くまで約2時間半かかっている。更に言うとここから目的地までは約2時間はかかってしまう。奴が現れる時間帯も不定期な為、旅疲れの炎にはかなり酷になってしまうかもしれないと多原は思った。

 「いいですよ。現地の調査だけでも出來ればいいです」

 しかし炎は電車の中で仮眠をとっていたからか疲れ等全くじていなかった。むしろ何かしたくてがうずうずしていた。

 その様子を見て多原はし考えてから口を開いた。

 「分かりました。では1度部屋に荷を置いてきてください。私は先に車を持ってきますんで」

 そう言って多原はホテルを出て自分の車の方に歩いて行った。

 「すいません。來て早々騒がしくてしてしまって」

 「いえいえ。じゃあお部屋に案しますね」

 炎は神楽に謝罪の一言を述べるが神楽は気にしていないかのように振舞ってくれた。そして炎は部屋に荷を置き多原の元へ向かって行ったのだった。

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