《BLOOD HERO'S》episode5 #17「第2ラウンド」

 「がっ!ぐっ!ごはっ!!」

 顔面から地面に叩きつけられるようにバウンドして転がっていった。

 「ハア…ハア…、ッシ!!」

 炎は息切れを起こしながらも小さくガッツポーズをとった。最悪な狀況から一撃を與えられたのは炎にとってかなり大きな一撃だった。

 この一撃は『本気で來い!』という意味が込められていた。これが鬼平に屆くと炎はふんでいた。

 「………ハハ」

 それに対して50メートルほど飛ばされた鬼平は突如空高々に聲をあげて笑いだした。

 「ハハハハハハハハハハッ!!」

 笑いながら上半を起こす鬼平。思いっきり頭を打ちつけておかしくなってしまったのか?

 「………ハア」

 暫く笑っていると今度は急に笑うのを辭め軽く吐息を吐いた。悔しがっているのかと思いきや鬼平は歯をむき出しにするくらい笑顔だった。

 「おもしれえー」

 「??」

 し離れていた為、鬼平の一言を炎には聞き取れていなかった。

 「おもしろく、なってきたぜーー!!」

 今度は一気に立ち上がりぶように大聲で発する鬼平。

 「よおし!気にったぜアンタ!!アンタのみ通り俺の本気見せてやるよ!!」

 「!?」

 炎の考えは読まれていた。それを見越していながら鬼平が本気を出さなかったのは炎が自分が本気を出すに見合っているのか判斷する為であった。

 「俺もちっとばかし意固地になってたみたいだ。でももうそんなモンどうだってよくなってきた!アンタの本気を見てみたくなった。だからちゃんと本気見せろよーー!!」

 鬼平は自分をい立たせるかのように下を向いて自分の拳を見つめた。そして見つめた拳を強く握った。

 「しゃあーーー!!!よく見てろーーー!!!」

 今まで以上の大聲でぶ鬼平。鼓が破れそうになる程の大聲で思わず耳を塞ぐ炎

 だがようやく鬼平は本気を出す。そうすればこちらも能力が使える。嬉しいような嬉しくないような複雑な気分になる炎

 それでもここまで來た意味はあったかもしれないと炎は自分のに言い聞かせた。

 何十人もの怪我人を出し數人の命を奪った元兇は間違いなく鬼平だ。その元兇を倒して捕まえれば今回の事件を終わらせることが出來る。

 「分かった。イクゼ!」

 まだ痛みは引いてはいないがそんなことを言っているところではなかった。それに今の炎はアドレナリンが出まくって痛みよりも『戦ってみたい!』という意が強くなっていた。

 「い立て!我が闘よ!」

 炎VS鬼平の第2ラウンドが始まろうとしていた。

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