《BLOOD HERO'S》episode5 #20「決著!?」

 「おうおうおう。また防かよ」

 炎に蹴りをれた鬼平は煽るような一言を放った。

 「お前それ癖か?敵に塩送るようなこと言うかもしれねーけど、その癖は早めに治しといた方がいいぜ」

 更に敵に塩を送るような発言をするが炎は何も言い返せなかった。

 決して癖という訳ではない。豪鬼の時は避けるようにしていたからだ。

 だが鬼平の攻撃に対しては無意識に防ごうとしている。それは何故なのか?理由は炎も気づいていない。

 「お前、ひょっとしてビビってんのか?」

 「!?」

 鬼平の一言が炎を貫いた。更に鬼平は話を続けた。

 「俺は何となくだがそんな気がすんだよな。俺が近くまで來るとが恐がってるつーか、パニックてるつーか、要はが自由にけてないんだよ!」

 ズバッと言い切る鬼平に炎はまたしても言い返せなかった。

 『恐怖』。炎の頭によぎった言葉だった。炎は自の手をふと見つめてみた。

 強烈に走る痛みと靜電気のような痺れ。そして手から流れる冷たい汗。

 (俺は今、あいつに恐怖をじているのか!?)

 鬼平に恐怖をじたのはいつからだろうか? さっきの蹴りをれられる時?それとも鬼平が鬼になった時?

 「…まさか、最初から…」

 考えてみて気づかされてしまった。炎はここにたどり著く前に鬼平の殺気をけた時から既に恐怖をじていたのだ。

 「ようやく気づいたか?」

 鬼平の一言で我にかえる炎。ふと鬼平の方を見ると鬼平は近づく様子もなくただ木の棒を両肩に乗せて立っていた。

 「最初は面白くなりそうだと期待していたがフタを開けてみればこのざまかよ。ちょっとばかし興が冷めたわ。悪いが逃がすつもりはねーから覚悟しとけよ!」

 鬼平は話を終えると両肩に乗せた木の棒を片手に持ち直し戦闘態勢にった。

 「んじゃあ…イくぜ!!」

 戦闘態勢にった鬼平はまた接近戦を試みた。そんな中炎は微だにこうとしなかった

 (どうした!?本當に諦めちまったか!?)

 鬼平は心の中で苦けていた。初めてまともに殺りあえる相手かと思っていたが、呆気ない結果で終結しようとしているからだ。

 「おおおーーー!!」

 だが鬼平は気を抜く様子も見せず炎に接近した。今まで片手で振っていた木の棒を両手で握りしめ最大限まで大きく振りかぶり橫振りの勢にった。

 「オラァーー!!」

 気合いのび聲と共に大きく振りかぶった木の棒は炎の脇腹に綺麗にっていった。

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