《BLOOD HERO'S》episode5 #22「真の決著」

 ---暫く煙が2人を包んでいたが周りから吹く風で段々と消えていった。煙が消えるとそこには地面に突っ伏すように倒れている鬼平とスーツとシャツが燃えて上半になって立っている炎の姿が見えてきた。

 炎を調整もせず全開に出した為、自分の炎がスーツに移り焼け焦げ、腕にも火傷の痕が殘った。豪鬼により鍛え上げたにも鬼平にけた傷があちこちに殘っていた。

 だが炎は剣を握りしめたまま仁王立ちしていた。膝が今にも崩れ落ちそうになっているがかろうじて耐えていた。

 「ハア…ハア…」

 肩で呼吸しながら炎は倒れている鬼平を見つめていた。危うく負けていたかもしれない相手を見てし安堵の表を見せた炎

 「ゔっ…クッソ…ったれ…」

 すると鬼平は掠れた聲で喋り出した。しかしのあちこちが悲鳴をあげ呼吸もれながら喋っている為、かなり苦痛の表を浮かべていた。

 「もう…負けねーって…自分に…誓ったのに…クソ…」

 「………」

 苦痛の表と共に流れてくる涙。鬼平がどういう思いで泣いているのかは炎には分からなかったがただ、彼が自分のを満たす為だけにこんなことをしたとはとても思えずにいた。

 「くっ…!?」

 そんなことを考えていた時、炎の膝が限界を超え崩れるように倒れこんだ。倒れていくと同時に黒龍刃は霧のようにスッと消えていった。

 「ハア…ハア…」

 倒れた炎も苦痛の表を浮かべた。呼吸がれかなり苦しそうにしていた。

 (久しぶりに全力出したからもうこれ以上けねえな。この後、どうすっかな?)

 意識も朦朧もうろうとしてくる中、炎は意識を失わないように必死に頭を働かせていた。

 「なあ、こんな時に言うのもなんだが…」

 「んん!?」

 すると鬼平から突然話しかけられてきた。気がつくと鬼平は仰向けになって空を見上げていた。

 「アンタの名前聞いてなかったな?」

 鬼平の問いに炎しの間、喋っていいものなのか?戸っていた。

 「黒崎、黒崎炎だ」

 しかし戸いながらも答える炎。炎の答えを聞き待ちながら鬼平は呼吸をゆっくりと整えていた。

 「炎…か、なあ炎。お前、アイツの事どお思ってる?」

 「?アイツ??」

 一瞬何を言っているのか分からなかったがふとある1人の男を思い出した。おそらく鬼平は多原の事を言っていた。しかし鬼平は多原の名前を聞くだけで苛立ちを隠せなくなるのを知っていた為、炎は口に出すのを辭めた。

 「いいか炎、アイツにだけは気をつけろよ!」

 そして鬼平から自らの過去を語るのだった。

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