《BLOOD HERO'S》episode5 #26「鬼原 鬼余彥」

 「クソッ!!」

 反対派の猛攻をけた鬼太郎達賛同派は安生夫婦を含め殘り10人程になっていた。

 「母さん、無理させてすまねー」

 「あんたに気にされる程衰えちゃいないよ」

 鬼太郎達は村の隅にある置き小屋に隠れていた。そんな中壁を叩き悔しがる表を見せながらも鬼初の心配していた。

 しかし鬼初は呆れるような態度で返事を返した。なぜなら鬼初は100歳を超えても尚、能力の高さは村でもトップクラスであった。

 だが賛同派の半分以上は能力の低いと年寄りで男達も鬼初以上にける者はおらず反対派から逃げ切るにはかなり厳しい狀況だった。

 「だけどどうすんだい?ハッキリ言ってこのメンバーで山を降りられるとはとても思えないよ。1人ずつ囮おとりになるっていうんだったらまだ可能は出てくるけど…」

 「ダメだ!これ以上犠牲者を出すのは…」

 鬼初の案に反論する鬼太郎。ただでさえ戦闘経験の無い年寄りを囮に使うのは気が引けていた。

 「でもこのままじゃあ更に狀況が悪くなるだけだよ」

 「くっ…」

 鬼太郎はぐうの音も出なかった。

 「みーつけた♪」

 「!?」

 考える間も無く突然、置き小屋の壁が破壊された。すると破壊された壁の外に1人の年が立っていた。

 年の短い黒髪が壁の崩れると同時に出る風圧で小さくなびく。

 「もうここまで來てたか!」

 吐き捨てるように苦言を述べる鬼太郎。鬼太郎達が視線を集めるその先には狂気のように見えるつり目で睨みを利かしながら年が笑みを浮かべていた。

 「まったく、雑魚のうえにゴキブリみてーにしぶとく逃げ回る事しか脳のねー連中を相手するのもそろそろ飽きてきたよ!」

 「鬼余彥、お前!」

 鬼太郎達の目の前に立っている年こそ鬼原 鬼余彥であった。鬼余彥は腕っぷしが強いだけでなく村でも數ない能力者であった。

 「でもようやくこれで終わりだな。悪あがきおつかれさま♪」

 見下すように不適な笑みを浮かべ鬼太郎達に襲いかかろうとしていた。

 「鬼太郎!早くこの子達連れて逃げな!あたしがここで食い止めるから!!」

 「母さん!?」

 すると鬼初は鬼太郎達を庇うかのように鬼余彥の前に立ちはだかった。鬼初の行に鬼太郎は驚愕した。だが全から冷や汗が吹き出し思考が停止して何が起きようとしているのか考えられる程の余裕も無かった。

 「へっ、死にかけのババアが!一瞬で終わらしてやるよ!」

 「來いクソガキ!」

 何も出來なくなった鬼太郎を他所に鬼余彥と鬼初はお互い凄まじい程の殺気を出して睨みを利かせあっていた。

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