《BLOOD HERO'S》episode5 #36「會談」

 ---「みんなー、ご飯の時間だよー!」

 「はーい!」

 時計が晝の12時を過ぎ職員方の聲が施設の中に響き渡った。それを聞きつけ次々と子供達が食堂に足を運んで來た。他の職員方も児を抱えながら食堂にって來た。

 食堂には職員含め20人程が食卓を囲った。食卓には業務用の鍋と大量のおかずが載った大きな皿がいくつか置かれてあった。

 子供達は自分達の食を並べ著々と食事の準備を始めていた。

 「おじちゃん!あそこのおさらとってー!」

 「ん?ああ。ちょっと待ってて」

 鬼太郎もここでボランティアとして勤めて3年も経ちすっかりと職場に慣れ子供達とも親な関係を築き上げていた。

 結局、2人の事に関しては何の手がかりも摑めぬまま未解決で終わってしまった。

 2人の無念を晴らす事は出來なかったが鬼太郎には弘彥という2人が殘した微かな希が殘っていた。

 分からない事だらけではあるがこの子だけは守らなくてはいけないと鬼太郎はそう心の中に誓っていた。

 「鬼太郎さん」

 「はい??」

 鬼太郎が食棚の上から食を取り子供達に渡している最中、鬼太郎を呼ぶ聲が聞こえた。ふと聲がする方向を向くとそこには1人の紳士的な老人男が立っていた。

 白髪頭に立派な白の無髭。溫厚そうな顔立ちは子供達にも親しまれる理由の一つであった。

 彼の名は園道そのみち 誠司せいじ。歳は70を超えておりこの児養護施設『花の園』の施設長を長年勤めている。

 「お晝食べた後しよろしいですか?」

 「あ、はい。分かりました」

 園道はそれだけ言い殘し皆んなの所へ戻って行った。鬼太郎は多気になったものの皆んなを待たせる訳にもいかずすぐに準備に取りかかった。

 ---お晝を食べ終わった後、鬼太郎は園道の所へと向かって行った。園道は2人きりになれるように自分の部屋に鬼太郎を連れて來た。

 「もう隨分と子供達と親しくなってるようですね?」

 「えっ?あ、ああそう…ですね」

 園道の第一聲は何気も無い一言から始まった。面をくらった鬼太郎はあやふやに返事を返してしまった。

 「本來なら職員として迎えれたいんですがねー」

 「いえいえ、ここに居させて貰っているだけで充分ですよ!」

 穏やかな笑顔を浮かべながら話を続ける園道。寛容な言葉に謙遜の態度を示す鬼太郎。

 「事は他の職員から聞いてますよ。弘彥君を引き取りたいそうで」

 「え、ええ。々とありまして…」

 園道が本題にり始めると鬼太郎は気まずそうな心境にいた。弘彥を引き取りたい一心でここに居る理由だと言える訳が無い。濁すような言い方で返事を返す鬼太郎。しかし園道は気にする様子を見せず話を続けた。

 「実は鬼太郎さんに大事なお話をしようと思いましてね」

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