「大事な話…ですか？」

 鬼太郎はすぐに弘彥の顔が思い浮かんだ。理由はそれしかないと確信しているからだ。しかしそれがどんな結果をもたらすのかまでは分からなかった。

 「花の園にはんな事を抱えた子供達がいます。捨てられた子、親が死んで寄りが無くなった子、暴力をけた子、その他にもんな子がいます。弘彥君もその1人だと思います」

 「………」

 鬼太郎は何も言い返せ無かった。まるであの2人が悪行を働いたような言い方だったが実際2人に何があったのかは分からない。

それゆえに反論する言葉が見つからなかった。

 「私達はそんな子供達を守り深く負った傷をしでも癒し社會に出てもやっていけるような人になってしいんです！」

 優しい口調だが園道の表は悲しげな様子を見せた。その表は寂しさ故なのか？それとも悲しい過去を背負った子供達に移にしてしまっているのか？は分からない。

 ただなぜか園道の表から鬼太郎には寂しさと悔しさがじ取れた。

 「ですがここはあくまで國からお借りしたもの。國からのお達しがあればすぐに解されてしまいます。そうなれば今ここに居る子供達の唯一の居場所が無くなってしまいます」

 園道の言葉は悲痛に聞こえてきた。大人の都合で住処を失った子供達。折角帰る住処を見つけたのにまた大人の都合だけで無くなってしまうかもしれないのだと園道はそう言いたそうだった。

 「だから私達は早くあの子達の新しい住処を見つけてあげないといけません。ですが話はそう上手くはいきません。なぜだか分かりますか？」

 「え？えーと…」

 いきなりの問いかけで數秒思考が停止する鬼太郎。しかし頭の中を落ち著かせゆっくりと考え始めた。

 「もし子供を引き取ってくれたとしてもその人が暴力を振るったり末な扱い方をしたりするかもしれないからですか？」

 鬼太郎は考えを巡らせ答えを述べた。これが妥當な理由だと鬼太郎には確信を得ていた。

 「その通りです。今までこちらで引き取ってくれた方が何人かいらっしゃるのですがそのほとんどは最初の頃は優しく接していたそうですが暫く経つと暴力を振るい出したて酷い時にはまたこちらに捨てていく方もいました」

 「………」

 園道の話に鬼太郎はただただ唖然とした。鬼の一族は規律には厳しいが人間のように理不盡な制裁を加えたりはしない。

 (なんて恐ろしく愚かな生きなのだ！人間というのは！)

 鬼太郎は人間に対し苛立ちをじ始めていた。今まで見てきた人間はたまたま良い人達だっただけで実際はそういう人ばかりではないというとことを思い知らされる鬼太郎。

 「悲しい話です。1度深い傷を負った子供達が同じ傷を負ってしまうとは…」

 園道は両手を額に當て悲観の表を見せ言葉に詰まっていた。いつも晴天のような笑顔を見せる園道と比較すると今の顔は曇天模様だった。

 「…ですがここまで獻的な鬼太郎さんになら任せても大丈夫だと我々職員は判斷しました」

 「えっ！？そ、それって…」

 しかし園道の一言に鬼太郎は高揚した。彼の言いたい事がすぐに理解出來たからだ。

 「あなたに弘彥君を引き取る事を許可します！」