《BLOOD HERO'S》episode5 #39「あれから15年後」

 ---「………ハッ!」

 ふと鬼太郎は目を見開かせた。どうやらいつの間にか自分の書斎で椅子に座ったまま寢落ちしていたようだ。

 「イテテテテ、変な勢で寢てたから首やら腰やら痛めてしまったなー」

 鬼太郎は首や腰の痛めた箇所を手でさすった。長時間寢ていたせいか痺れと痛みが走っていた。

 「ッテテテ、そういえば今何時だ?」

 鬼太郎は腰を叩きながらふと時計を見た。時計は16時を過ぎていた。

 「もうこんな時間かぁ。一俺は何時間寢てたんだ?」

 寢起きで頭のエンジンがまだかかっていない狀態の中、記憶を思い返してみた。

 「ん?」

 思い返していると機に置いてあったアルバムが視界に映った。

 「…ああ、そうか。アルバム見ながら昔の事思い出してたのか?」

 アルバムを取り始めたのは弘彥もとい鬼吾郎が鬼平一家に來た時からだ。

 花の園から引き取ってもう15年も経っていた。鬼吾郎は今年で18を迎える。來年には高校を卒業する歳だ。

 稚園・小學時代はごくごく普通の子だったが鬼のを半分け継いでいる為、腕っぷしで鬼吾郎にかなう者はいなかった。

 中學時代はそれもあってか1年で既に番長扱いをけていた。そこから悪友ともつるむようになっていた。

 高校にっても同じような形でいつの間にか番長にされていた。

 悪友とつるむ機會が多くなったが鬼吾郎は決して悪さをするような事はしなかった。

 喧嘩は誰かがイジメられている時にだけ割ってり友達が悪さをしていると注意したりしていた。

 無意味な喧嘩をせず悪い事にも手を出さない心優しい年に育っていった。

 「そろそろ鬼吾郎にも全部話してもいい頃かな?」

 鬼太郎は鬼吾郎には実の親が死んでいる事や鬼の一族の間で部抗爭があった事等は喋らなかった。あの時はまだ理解出來ないかと思っていたからだ。

 だが今の鬼吾郎はもうじき社會に出る大人になる。話したところでどうなる訳でも無いがずっと何も言わないのは鬼太郎自としてはやきもきする為、これを機會に全て喋ろうと心の中で決めた。

 「帰って來たら話すか」

 1人でそう呟くと鬼吾郎が帰って來るのを読者でもしながら待つ事にした。

 鬼太郎が書斎で鬼吾郎を待っている最中、鬼平家に靜かに迫り來る3人の姿があった。

 その事に鬼平一家は誰も気づきはしなかった。

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