「ふあああ…」

 重堂の大きな欠が部屋に響く程白凪達は靜寂な空間で過ごしていた。

 「どうした力也？昨晩は隨分寢ていたのにまだ足りぬというのか？」

 欠をする重堂を橫目に見ながら斎が問いかけてきた。

 「バカ、暇ですることねーから眠たくなんだよ！」

 重堂は再び欠をしながらそう言い返す。斎は「ふむ」と短い返事を返すと顎に手を當て何やら考え込み始めた。

 「なら散歩などどうだ？1日中寢床で転がっているよりは退屈しなかろう」

 「ケッ、メンドクセー！お前の趣味はジジクセーんだよ！」

 し間が空いて斎は提案を持ちかけてきたが重堂はふてくされたかのようにベットに橫になり斎のいを斷った。

 「まったく、お前という奴は」

 斎は重堂のあまりの態度の悪さを見て呆れたようにため息を溢した。

 「では渚、お前は行くか？」

 そしてそんな重堂を橫目に渚をい出した。

 「うんいいよ。私も暇だったし」

 すると渚は腰掛けていた椅子から立ち上がり考える間も無くほぼ即答で返答した。

 「それでは參ろうか」

 「ケッ、行ってこい行ってこい」

 斎と渚が外に出ようとしていたが重堂はそっぽを向いて一切見向きもせず気だるそうに手を振って見送りをしていた。その態度を見て再びため息が溢れる斎。

 「そういえば渚、先日この近辺で甘味処を見つけたのだが…」

 「………」

 だがしかし去り際に斎は渚と會話している所を寢たふりを裝い重堂はかに耳を傾けていた。

 「そこの立て看板に掲示されていたあんみつが実に味そうだったのでな。今度其方でもってみようと思ってな」

 「ホント！？楽しみー！？」

 「………」

 2人は會話を弾ませている様子だったが、明らかにその會話は重堂をき出そうとしている罠であった。

 重堂は大の甘黨だった。甘いものには目がないのは3人共知っている。だから斎は重堂の聞こえている場所でその話を持ちかけたのだ。

 「………」

 だが重堂もそれには気づいている。しかし『甘味処』という魅的なワードに脳をわされていた。

 「では行くか」

 「うんそうだね」

 「早く行こうぜー！」

 そして気がつけば重堂は2人よりも先に部屋から出ていた。あまりの行の早さに2人は暫し呆然と立ち盡くしていた。

 「まったく、お前というヤツは…」

 斎はため息をらしながらも後を追うように部屋を出て行った。

 「あっ、そうだ。仙も一緒に…」

 2人を追いかけようとした渚はふと白凪の事を思い出して部屋に戻ってきた。

 「zzz…」

 部屋にるとベットで腕を枕にして睡している白凪の姿があった。

 「起こすのも可哀想だし、いっか」

 渚は寢ている白凪を見て起こそうとはせずそのまま部屋を出て行った。

 ---「………」

 3人が外出して靜まり返る城。そんな中、かに城に侵した3人のの姿があった。