《BLOOD HERO'S》episode6 #8「4人の記録」

 この社會では能力者は本來、保護対象として扱われている。保護された能力者達は監察署と呼ばれる施設へと送られる。

 監察署は刑務所に比べればある程度の自由な生活を保障(風呂場や食堂、トイレetc…)されるが『安寧ウェルビング室ルーム』と呼ばれる部屋で生活を強いられる。

 しかし安寧とは名ばかりの監視カメラで監視された部屋にれられる( 能力を故意で使用し走しようとしたり無自覚で能力を使用した者に早急に対処出來るようにする為である)。

 もし能力が使用された場合は催涙ガスで眠らせるという対処をとるが稀にガスが効かない能力を持っている者がいる場合、事前に特別な個室へと連れて行かれその能力に対処出來る部屋にれられる。

 それほどの事を可能にする理由が署長を務めている長居ながい 閉次へいじの能力『無限インフィニット牢獄・プリズン』による能力者を封じ込められる能力を持っているからである。

 長居 閉次は齢70を超えてもなお自らの能力で創り上げた監察署を40年以上守り続けている。だが、を危険に曬さないようあまり表に出て來ることはない。監察署で働く職員の中には署長の顔を見た事がないという人がほとんどだ。

 そんな彼の創り上げた牢獄を獄した者は40年以上経つ今でも1人としていない。だがここから出られる方法が2つある。

 1つは國家機関のような國を守る職務に務めること。警察やSSIU等がその対象に該當する(一応、スフィアもその中に該當しているが志村は一度も使ったことはない)。

 そしてもう1つの方法とは、

 ---「金か…」

 「…そうかもね」

 細谷がぼそりと呟くと志村はそれに頷き応える。細谷の言う通りもう1つの方法とは賄賂という非合法的な方法であった。

 この時代では金銭のやり取りはカードが殆どの為、簡単にけ取りが出來るようになってしまい年々増え続けていた。

 「保護歴がついているという事は監察署に履歴が殘っている筈だが…」

 細谷は志村の方に視線を移し問いかけてみると志村は「うむ…」と短く応えると急に目の前のパソコンを弄り始めた。し弄ると畫面には文字が羅列されたページに目を止めた後、視線を細谷に向けた。

 「彼の事をし調べてみたけど、10年程前に保護されていたようだが、ここ5、6年の記録が殘っていない」

 「何?」

 志村が丁寧に応えるが細谷は眉を寄せパソコン畫面に視線を移した。畫面には監察署に殘された保護した能力者達のプロフィールや健康狀態、能力による癥狀・変化等が月一間隔で記録されていた。

 白凪の記録を閲覧してみると保護されたのが聖歴2490(元32)年10月25日。そこから月の初めから逐一記録が書き記されていた。

 しかし2495(元37)年4月からの記録が途絶えていたのだ。

 「それからここ5、6年で記録が無くなっているのを調べてみたんだけど…」

 細谷が白凪の記録に目を通したのを確認すると志村は再びパソコンを弄り出し今度は3人の記録を寫し出した。

 「!?これは…?」

 そこには『音宮 渚』、『斎 佐助』、『重堂 力也』の3人の記録が寫し出されていた。

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