「エンヒュースメント？」

 「はい。私の能力は仲間に指示を出すことで強化系の能力が付與される仕組みになっております」

 炎が疑問形で返すと指道は自らの能力を暴した。

 指道の能力・エンヒュースメントは、指道が仲間に指示を出すことで能力が発する。指道の指示を聞くと強化系の能力が付與されるのだ。

 「そんな能力があったなんて…」

 涼子は指道の能力を聞いて驚愕した。指道の能力は去年の事例よりも特殊な部類にっている。

 「けど、いいのかよ？自分の能力教えちゃって」

 涼子が驚愕している中、炎はし不信を抱いていた。敵対している相手に自らの能力を教える意図が理解出來なかったからだ。

 「ええ、構いませんよ。私の能力を破るすべなどありませんからね」

 「！？」

 炎の問いに対し指道は自信ありげに答えた。それと同時に2人を囲んでいた執事・メイド達が戦闘勢にり始めた。

 「涼子ちゃん、來るぞ！今のうちに！」

 「うん！分かった！」

 炎はその様子を見て涼子に戦闘勢を取るように促した。涼子は炎に促され腰ポーチにれていた Bl:SEEDを取り出しすぐさま口の中に含んだ。

 「い立て、我が闘よ！」

 「！？」

 涼子が唱えると涼子のに薄っすらと白いのようなものが纏わり付いていた。その景を炎含め周囲にいた全員が驚愕しながら見屆けていた。

 (そういえば涼子ちゃんの能力を見るのは初めてだな。一どんな能力なんだ？)

 炎はふとそのことを思い出した。涼子と仕事をすることは何度かあったがいずれも護用のスタンバトンか炎の能力で解決出來た。

 しかし今回の件は能力なしではかなり厳しいと涼子は判斷したのだ。

 すると白いをに纏った涼子のに異変が起こっていた。頭に白い獣耳が生え、手足はホワイトタイガーのように変貌し、スカートの下から白い尾が生え、顔は虎のような目と髭が現れた。

 「炎君に見せるのは初めてだったよね？これが私の能力、『獣裝じゅうそう・白虎びゃっこ』だよ」

 「…ハアー…」

 変した涼子の姿を見て炎は思わず驚愕の聲をらしていた。一見コスプレのようにも見えるが、耳や尾は本の獣のようにいているのだ。

 「あんまり見られると恥ずかしいんだけどなぁ…」

 「あ、ごめん…」

 涼子は炎に頰をし赤らめてそう言った。炎はそれを見て思わず謝罪の言葉を述べた。涼子が能力をあまり使わない理由の一つがこの姿を見られるのが恥ずかしいからであった。

 「って、悠長にこんな事してる場合じゃ…」

 炎は謝罪した後にその事に気がついた矢先、指道達の猛攻が再び炎達に襲いかかろうとしていた。

 「いくよ涼子ちゃん！」

 「うん！」