《こんな俺でもをする》【復讐編:Numbers】第2話

仮面の男が、アザミを出してから、その場の雰囲気は凍りついた。鬼神化した信でさえこの場を逃げ出したいと思うほどだ。

信が、後ずさりしている時に生徒達の避難を終えた紀が戻ってきた。紀は、この雰囲気にやられその場に膝を著いて蹲ってしまった。それを好機だと思った仮面の男は、すぐさま紀に近寄り頭を摑み持ち上げた。

「お前が弱いから、犠牲者が出る。だから何も救えない...その最初がこの娘だ。その目に刻み自分の弱さを悔いろ」

仮面の男は、紀を持ち上げていないほうの腕に粒子を集めて突きの構えをした。その後ろでアザミは表一つ変えずに、その景を見ていた。

(俺は、俺は...今、何が出來る。鬼神化してもこの力は通用しない...)

信は、その景を見ながらのあたりを握り締めていた。

(こんな時に、零は!)(その考えが甘いんだよ、信)

そう、思考を凝らしている時に、後ろから聲が聞えた。

聞えた聲の主を探すように後ろを向くと、視界いっぱいに一つの巖がある草原が広がった。そこには、弐刀の刀が刺さっていた。

その刀をでるようにっている織と玲奈がいた。

「なんで...こんな時に此処に呼んだ!?あとしで紀が死ぬ!」

「逆に訊くけど、そんな中途半端の力でその子が救える?今、君が何か出來る?」

織は、刺さったままの鞘から刀を抜いた。その刀は、漆黒の刃をしていて、そこに薄く紫の線がっている。

抜いた、刀を信に向けて、織は口を開く。

「君は、何が何でも彼を救いたいの?人間と言うものは、短い命...何時か死ぬ生きなんだよ。する者でもない者達の為にも君は、鬼になれる?なれるのならば、私たちは力を貸す。だけど、なれないんだったらを奪ってでも君を此処から逃がす」

「逃がす理由は?」

「アザミとの接は出來れば避けたい...アザミとクロユリは元は人間、生贄と捧げられたの魂が怨念と混ざり合い現化したのが、あの未完の鬼。元は人間と言うことは、親が居る...その親は、今君が使ってる【鬼神・刃燈】。魔界から唯一、追放された鬼神」

「それと何が関係あるんだ?その話を聞くに逃げる理由になってないような気がする」

「要するに、アザミとの波長が合って、その鬼神が眠りから覚めちゃうんだよ。その力は今の世界では抑えきれない。君がこの世界を壊すことになる」

「それでも俺は、今目の前で起きてる事を無視して逃げるなんてことは出來ない...力を借りるよ」

その後、巖の上でずっと見ていた玲奈も刀を抜いて降りてきて口を開いた。

「「これからは、【鬼神・闇暁】これが君の力だ」」

その聲が聞えなくなると、視界は、紀が殺されかけている狀況に戻ってきた。

信は、二刀の刀を構えるような勢をとって、そのまま仮面の男の所まで走っていった。

仮面の男は、その行を予測していなかったのか驚いたように紀から手を放して半後ろに避けた。だが、その行がワンテンポ遅く、信の攻撃が當たった。その攻撃で、仮面の男の右腕と仮面を切った。

「ッチ!だが、所詮はこの程度...ッ!?」

仮面の男は、アザミの場所まで一旦引き、自分の右腕を確認すると無い事を確認できた。だが、その事に対しては表を変えなかったが、信を見てから表が変わった。

信の今の姿は、【鬼神・刃燈】の時と変わって、髪のは真っ白で両腕が黒くなってその周りに紅雷が纏っていた。その他にも足は靴が破れ、鬼のような禍々しい足になっていた。

仮面の男が一番驚いたのは、顔につけている仮面だった、は違えども形は一緒の仮面をつけていた。

その両手に漆黒の刀を持つ刀と純白の刀を持つ刀の二刀もち紀を守るように立っていた。

「驚いたよ...お前がその力を使えるとはな...」

「...會いたく無かったよ。兄さん」

信は、仮面の男にそう告げた。

赤城 俊、信の兄でありあの事件で死亡した人のひとり。

「もうし、驚くかと思ったが...殘念だ。再開できたのに殺さないといけないなんて」

そう言いながら、俊はアザミをの中に戻して、その鬼の力を発した。

周りには、凄い殺気とが漂っていた。先ほどまでの信では、怯えていたが今ではその雰囲気に怯えては居なかった。

俊の周りに黒い粒子が集まって姿をしていった。

黒い粒子が晴れていくと、額には角が生え、は人間のではなく真っ白、瞳のも黒と黃だった。

「さて、やろうかアザミ」

俊がそう言うと、持っていた刀が一度煌めいた。

「お前を二度殺す!上げるぞ闇暁」

信がそう言うと、腕に纏っていた紅雷が足の纏った。

二人の間を風が吹きぬけた瞬間に鬼同士の殺し合いが始まった。

    人が読んでいる<こんな俺でも戀をする>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください