「これが魔界へ通じる道ですか？」

「さあ？」

思ったよりも派手な演出などはなく地味に開いた魔界へ通じる道らしきの前で私、くーちゃん、ゼィハは首を傾げていました。

「なんかこう、禍々しい魔力を放った門みたいなのがでてくるかと思ったんですが…… あたし、がっかりしちゃったんですけど」

『ただのだよね』

「ですよね？」

目の前にあるのは人がれるだけの大きさのでしかありません。だだし中が真っ暗で先が全く見えないんですがね。

「ただのなら反対側が見えるはずですがこれは見えませんしね。魔力でどこかにはつながっているじがします」

「そうですね。唯のではないのはあたしもわかります」

そうなると問題はこのを抜けた先が魔界かどうかということなんですがこればかりは確認のしようがありません…… ん？

どうやって魔界に通じているか確かめようかと思案している最中に不意にくーちゃんの姿が目にります。

「くーちゃん、羽がまた黒くなってますね」

『え⁉︎』

驚いたくーちゃんの背中に羽がさっき見た時よりもさらに黒くなっています。

「そういえばアルが言ってましたね。魔界の空気は魔力が満ちているとかなんとか」

魔界に通じるから度の濃い魔力が流れ出てきたのでそのの前にいる霊であるくーちゃんが一番に影響をけたということでしょうか？

『た、たしかにから魔力が漲るよ！』

心なしかくーちゃんの纏っていた霊としての魔力がしばかり禍々しいじがしないでもないですが確かに魔力が上がっているようです。

「つ、つまりこの先がまだ誰も見たことがない領域、魔界！ ハァハァハァ…… 未知、未知があふれルゥゥゥゥゥゥ！」

奇聲を上げながらヨダレを垂らしまくっているゼィハから私はしっかり離れます。ばっちいですし。

『こ、この中にればわたしも大霊の仲間りが……』

かたや私の契約霊であるくーちゃんも大霊という魅力に取り憑かれているのかの前でウロウロとしています。

「とりあえず連絡を取りますかね。くーちゃん、紙ください」

『え、あ、はい！』

急に聲をかけられたためかあたふたとしながらくーちゃんが魔法陣が描かれた紙を渡してくれます。

えーと、確かこれに念じれば良いのでしたね。

『はいもしもしアルです』

おお、紙のくせに念じるだけで繋がりましたよ！

さすがは魔神が作ったというべきでしょうか。

『ただいま電話に出ることができません』

ん？ でんわってなんです？ この話をする魔法のことでしょうか？

『『ゲッヘッヘッヘ、今日のパンツは何？』という聲の後にパンツのを言った後に用件をどうぞ』

「え、どういう……」

『ゲッヘッヘッヘ、今日のパンツは何？』

よくわからないうちに話が進んでいます。これは言わないとダメなんでしょうか？

「えーと、白です」

『ぷっ、君は白って格じゃないでしょ』

潔く答えると吹き出したような笑い聲を上げたアルの聲が聞こえてきました。

そして明らかにバカにされたような発言とあっさり騙されて下著のを答えたとことの恥により一瞬にして顔が赤く染まったことがわかります。

「あ、あなた初めから通じてましたね⁉︎」

『そりゃそうだよ。よく考えて見なよ、仮にも魔神が作った魔法陣だよ？ 普通に使えば妨害とかできるやつなんていないでしょ？』

「ぐぬぬぬぬ！」

なんて格の悪い魔神ですか！

『いや、リリカも似たようなものだとわたしは思うよ？』

契約霊似たはあっさりと裏切られたようです。興していた割には的確につっこんできますね。

『それで用件はなんだい？ 僕はイレギュラーすぎる君の姉君をくいとめるのになかなかに手一杯で忙しい。用件は手短にしてくれるとありがたいな』

そのわりには余裕そうに聞こえるのですが何故でしょうか？

いや、ここで話を途切れさしてはまた面倒です。

「はぁ、もういいです。用件だけ伝えます。 道はできました。これで契約は完了ですよ」

『おお、早いね！  それじゃ僕もイレギュラーをき取れないようにしてそっちに向かうよ』

あのフィー姉さんをき取れないようにするってどうやるんでしょうか。し気になりますね。

『あ、あと道の近くで魔力を出しまくらないでね？ 不安定になって最悪道がなくなっちゃうから』

「早くしてくださいね。こっちは今にも飛び込みそうな奴がいるんですから」

そう告げ、ゼィハの方に目をやったその時、魔界へ通じるからものすごい速さで何かが飛び出し、私へと迫ってきたのでした。

咄嗟に私は後ろへ飛び、魔力の羽を展開。

「おぉ⁉︎ なんですか！」

驚きの聲を上げながらも最早反的に素早く羽を閃かせると私へと迫ってきたを切り刻みます。

こちらに迫ってきた何かは思ったよりも脆かったようで特に抵抗なく切り裂かれたそれはボトボトと音を立てながら落下。床へと転がります。

「なんですこれ？」

私が切り裂き床へと転がった。

それは普通の人間にはありえない鱗などがびっしりとついた三本指の腕でした。