《ギャング★スター》ソードγガンマ1
工房カラクリの中ではサムライ、サイトーとギャング・スターが息を潛めていた。晝と夜の連戦で二人はかなり疲弊している。
カワラバンTVのニュースでは晝に現れた怪人と夜に市民の集団自殺したことを取り上げていた。
サイトーとスターの前にスパゲティーが置かれる。この工房の孫娘メイクが作ったものだ。
口にれた瞬間、機械油の風味が広がるがメイクがきらきらした目で見ているので吐き出すことも出來ない。必死に飲み込んでいると頼んでいないのにおかわりが運ばれた。
ひいひい言いながら二人が食べているとり口の扉が切斷され吹き飛ぶ。
「飯の最中で悪イが失禮するぞ」
現れたのは深青に輝く瞳、ガンマだった。ガンマは剣を二人に向けた。スターとサイトーはすぐさま戦闘態勢にる。
工房の中を破壊しながら突進してくるガンマの剣をサイトーは刀でけ止める。ガンマは剣をらしてサイトーの指を狙うがサイトーは用にそれを避ける。一方でスターがメイクを擔いでその場を離れようとするのを見たガンマはサイトーを蹴り飛ばしてスターに襲いかかる。一息に三度放たれた突き、スターは二つ避けたが一撃を脇腹にもらう。
「弱くなったなア。ゼータ」
後ろから切りかかるサイトーの刀を避けてガンマは橫に薙ぎ払う。サイトーは後ろに跳ねて避けた。そこへ連続突きが畳み掛けられる。
右肩、左肩、右足、左足、を狙ったほぼ同時の五度の突き。しかし、サイトーは刀でその全てをいなす。ガンマに喜びの笑みが浮かんだ。サイトーとガンマの間に距離が生まれる。二人は同時に鞘に武を納め、居合い抜きの勢を作った。一瞬の靜寂が生まれる。剎那、二人の刃が錯する。が吹き出たのは、サイトーの方だった。倒れるサイトーを飛び越えガンマはスターに蹴りをいれるとメイクを奪った。そして
「ムミン谷で待つ」
と言い殘すとその場から消えた。
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8 96ニジノタビビト ―虹をつくる記憶喪失の旅人と翡翠の渦に巻き込まれた青年―
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