《No title》11.出來損ないのニビ
人気のない路地裏を抜け、俺達は再び賑やかな道まで出てきた。
ニビの件があったから隨分と久しぶりに思えるな...。
相変わらず人で溢れかえっている中を歩こうとすると、不自然なほどに俺達の前だけ道が開けた。
(なんで俺達を避けるんだ?知らぬ間に何かしたのか俺達は?)
し疑問に思いながらも、開けた道を歩いていく。
ニビの異狀に気づいたのは、そんな時だった。
「おい!大丈夫か!?」
襲ってきた時以上に生気をじさせないほど、顔が青ざめていたのだ。
よく見れば、も微かに震えている。
まるで、心の芯から何かを恐れているように。
演技じゃない。本當にヤバいやつだ。
「おい!しっかりしろ大丈夫か!?おい……ニビ!!」
ニビの名を聞いた途端、周囲の人間は凄い勢いで俺達から距離をとった。
そして口々に話していた。
「ニビってあのニビ...?」
「白髪に赤い目......呪われた子供だ...!」
「なんでこんな所に?」
「早くどこかへ行ってくれないかしら。呪いが移ってしまうわ」
・・・・・・あぁなるほど。
「カイ、ニビを抱えて出來るだけ早くこの國を出てくれ。俺も後で追いつく」
「わかった………あんまり煽るなよ?」
そう言うとカイは、ニビを抱えて人間離れした速度で走っていった。
反で生まれた風をにけ、2人の後ろ姿を見送ると、俺は街の住人達の方を向いて言った。
「ごきげんよう猿諸君!隨分おめでたい頭をしているようだ。デイディスの平均偏差値は如何程かな?」
すると住人達は一斉に
「余所者が舐めた口を聞くな!!」
「何も知らないくせに何様のつもりだ!」
「出來損ないに気遣いなんていらないのよ!」
と、口々にびだした。
揃いも揃って大きい子供かよ...。それとも一斉に更年期でもなってんのか?
「確かにお前らの言う通り、俺に何かを言う権利はない。でも……」
よく見ると、人混みの中にはニックもいた。
しかし、あの人の良さそうな顔は欠片も殘っておらず、そこには険悪な表でこちらを睨みつける彼がいるだけだった。
(人ってやっぱりこんなもんか...)
表裏の激しすぎる目の前の生き達を、憐れみの目で見ながら俺は続けた。
「その出來損ないは俺とこれから旅に出る。よかったなぁもう顔を見なくて済むんだ」
すると住人達は、さっきとは違う様子で驚いていた。
「だが宣言しよう!このデイディスという國に二ビより優れた料理人も國民も存在しないことを!諸君はこれからも腐ったミカンの様な頭で吐き気のするような生活を送ってくれ!」
俺に何か言い返してくる者は誰もいなかった。
俺の顔には殺気を含んだ殘酷な笑みをり付けている。
普通に生きている人間ならば怯んでしまうのは當然だ。
「そして君らは2人目の二ビを生み出すんだろ?吐き溜めはあった方がいいもんな?さぁ次の二ビは誰がなるのか楽しみだ」
言うだけ言って、俺は早々に立ち去った。
・・・後ろからゲスい聲が聞こえてくる。それらを振り切るようにただひたすら走った。
本當、人間というのは反吐が出る。
自分の事ではないのに、他人事のはずなのに、ニビの今までを思うと心が締め付けられるように傷んだ。
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