《No title》32.お疲れ様
ルミスと外に出て最初に見た景は実に最悪なものだった。
(命令しといて正解だったなぁ...)
見覚えのある男の前でカイが倒れている。
俺がから出てきたから命令の効力が切れたんだろう。
地面に飛び散っている深紅のはカイのかな。
ルミスが後ろで何かんでいるが、怒りのあまりよく聞こえない。
男はというと、カイが倒れたのをいい事にその汚らわしい鞭を振り上げている所だった。
「っ!」
振り降ろされるまでのコンマ數秒で男を蹴り飛ばす。
木に強く打ち付けられたが、大してダメージはけてないようだった。
まぁそこまで本気でやってないからまだ失神されては困るが。
「お久しぶりですレイス殿。突然で申し訳ありませんが、私と共に來て頂けますか?」
服の汚れを払いながら、偽りの笑顔でそいつは話しかけてきた。
「愚問だな。それよりお前、殺されても文句言えないよこれ?逃げなくていいの?」
一つ一つの言葉に圧をかけ、冷たい刃で刺すように返事をする。
「そうでしょうね。ですから今回はこれでお暇させていただきます。庭番が思いの外強かったので貴方の相手が出來そうにありません」
「あんまりカイを舐めないことだ。その痛い目見るのはそっちだぞ」
靜かな殺気を含んだ目で睨みつける。
男はし困ったような笑みを浮かべ、音もなく姿を消した。
(戦わずに済んだのはよかったけど...)
カイは未だにぐったりと倒れていた。
出量からして暫くは起きないだろう。
一応安否を確認するため、カイの方に足を踏み出した時、俺より先にルミスがカイの方に駆け寄った。
「カイさん!大丈夫ですか!?カイさん!」
まだ本調子じゃないだろうに、それでも必死にカイのを案じてくれている。
今だって傷が痛んでいるはずなのに、こんなにも懸命に他人の心配をしてくれるのか。
優しい人というのは出會わないだけで存在するものだな。
ゆっくりと歩み寄り、ルミスの肩に手を置く。
「大丈夫だルミス。目を覚ましてないだけで死にはしない。ありがとな」
俺の言葉に彼は「そうですか...」と安堵の表を浮かべていた。
カイをおぶって立ち上がる。
鼻を刺激するの匂いが、無意識にあの忌々しい顔を思い出させた。
「ニビ達の所に戻ろう」
「え...あ、はい...」
ルミスの返事に微笑んで、俺は一人先を行く。
彼の表がいつになくぎこちなかった。
理由は知ってる。
元兇も分かる。
微笑んだつもりの俺の顔は、きっと酷い顔をしていたんだろう。
多分今もそうだ。
哀しみとも苦しみとも言えない、何か別の顔。
でも、カイに対する申し訳なさや不甲斐なさに押し潰されそうで、俺は今どんな顔をすればいいのか分からない。
「お疲れ様...」
耳元で微かに聞こえる呼吸に呟いた。
そうでもしないと、俺自がどうにかなってしまいそうで怖かった。
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