《No title》40.到著
ルミスと手合わせしたあの夜から數日が経った頃。
俺達はようやく森から抜け出し、目的地へと辿り著いた。
「著きました。ここがウルクラグナです」
その言葉と共に彼が指さした先には、國を囲むような形でそびえ立つ巨大な壁があった。
「おぉ...」
「ふぉ...」
立派なその出で立ちにニビと揃って嘆の聲をもらす。
凹凸のない丈夫そうな壁が一片の隙もなく國を囲んでおり、存在するだけで貫祿すらじさせていた。
見張りの目を盜めてもこの壁じゃあ侵は難しいだろうな...。
「背後の森にすむ獣達からを守る為に國全を壁が囲っているんです。向こう側には海もあるので風からも守っています」
兇暴すぎる獣は私たち騎士団が討伐するんですけど、と困ったような笑みを浮かべてルミスが解説をくれた。
なるほど。通りでこんなに立派なわけだ。
「私達は必要ないですがレイスさん達は國審査が必要です。カイさんのことは私が言っておきますので行ってきてもらえますか?」
「わかった。ありがとう」
確かに意識不明の男を抱えた奴が怪しまれないはずがない。
相変わらずの気遣いに謝しながら、俺はカイを擔いでニビと國審査の列に並びにいった。
「ただでさえ疲れてんのにこれを待つのかよ...?ルミス達が羨ましいな...」
「こればっかりは仕方ないだろ。まぁ疲れてんのは察するけど」
労いの表と共に「どんまい」と肩に手を置かれた。
というのも、ルミスと手合わせしてから騎士達の間で俺との手合わせが流行してしまったのだ。
俺も変にお人好しなところがあるようで斷れず、連日連夜に渡って複數人の相手をし続けたため、さすがに疲れ果てていた。
「にしても隨分ガタイのいい奴らが揃ってんだな。お前何度か來たことあるんだろ?ここの治安は大丈夫だったか?」
「心配ねーよ。面倒なチンピラがいれば騎士がくこともあるし、多分ここに並んでるのは大會出場者だ」
「噂の決闘大會、時期が丁度被ったんだな。どうせ暇だし俺も出よっかな...。お前もどうだ?腕試しに」
「じゃあ俺も出てみる」
國審査の待ち時間に國理由をつくるというし変わった俺達2人、もとい3人は微かな希をに、炎天下の中で自分の順番が來るのを待った。
じょっぱれアオモリの星 ~「何喋ってらんだがわがんねぇんだよ!」どギルドをぼんだされだ青森出身の魔導士、通訳兼相棒の新米回復術士と一緒ずてツートな無詠唱魔術で最強ば目指す~【角川S文庫より書籍化】
【2022年6月1日 本作が角川スニーカー文庫様より冬頃発売決定です!!】 「オーリン・ジョナゴールド君。悪いんだけど、今日づけでギルドを辭めてほしいの」 「わ――わのどごばまねんだすか!?」 巨大冒険者ギルド『イーストウィンド』の新米お茶汲み冒険者レジーナ・マイルズは、先輩であった中堅魔導士オーリン・ジョナゴールドがクビを言い渡される現場に遭遇する。 原因はオーリンの酷い訛り――何年経っても取れない訛り言葉では他の冒険者と意思疎通が取れず、パーティを危険に曬しかねないとのギルドマスター判斷だった。追放されることとなったオーリンは絶望し、意気消沈してイーストウィンドを出ていく。だがこの突然の追放劇の裏には、美貌のギルドマスター・マティルダの、なにか深い目論見があるようだった。 その後、ギルマス直々にオーリンへの隨行を命じられたレジーナは、クズスキルと言われていた【通訳】のスキルで、王都で唯一オーリンと意思疎通のできる人間となる。追放されたことを恨みに思い、腐って捨て鉢になるオーリンを必死になだめて勵ましているうちに、レジーナたちは同じイーストウィンドに所屬する評判の悪いS級冒険者・ヴァロンに絡まれてしまう。 小競り合いから激昂したヴァロンがレジーナを毆りつけようとした、その瞬間。 「【拒絶(マネ)】――」 オーリンの魔法が発動し、S級冒険者であるヴァロンを圧倒し始める。それは凄まじい研鑽を積んだ大魔導士でなければ扱うことの出來ない絶技・無詠唱魔法だった。何が起こっているの? この人は一體――!? 驚いているレジーナの前で、オーリンの非常識的かつ超人的な魔法が次々と炸裂し始めて――。 「アオモリの星コさなる」と心に決めて仮想世界アオモリから都會に出てきた、ズーズー弁丸出しで何言ってるかわからない田舎者青年魔導士と、クズスキル【通訳】で彼のパートナー兼通訳を務める都會系新米回復術士の、ギルドを追い出されてから始まるノレソレ痛快なみちのく冒険ファンタジー。
8 77【書籍化】男性不信の元令嬢は、好色殿下を助けることにした。(本編完結・番外編更新中)
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8 136星の海で遊ばせて
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8 62怪奇探偵社
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