《No title》60.困憊

「あ、おかえり3人共」

「呼び出された理由なんだった?」

ライとランを引き連れて宿に戻った俺が最初に目にしたのは、大量の人間によって行われている宴會だった。

俺らが初めてここに來た時はもっとなかった筈なんだが一何が…?

唖然とする俺を置いて、ライとランは何故かあるベビーカステラに目を輝かせてそっちに走っていった。

「今日のニビの試合見て俺らに會いたい奴が態々泊まりにきたんだって。そしたらここの従業員さんが喜んでさ、食べとか々出してくれて只今絶賛宴會中」

「あっそう…」

焼き鳥を片手に歩み寄ってきたカイが解説をくれた。

「いる?」と差し出してきたが、今は食より睡眠の方が上らしく俺は首を橫に振った。

ていうかここの報伝達力どうなってんの?プライバシーはどこ?

「悪いけど俺ルミスに怒られて疲れたからもう寢るわ…」

「へぇ…ルミスでも怒ることあんのな」

「めっちゃ怖かったぞまじで」

「あぁ……だろうな。お疲れ」

想像したカイが苦笑いして労いの言葉をくれた。

いや本當に。

普段怒らなそう人が怒った時ほど怖いものはない。

「じゃ、おやす…」

會話の最中で俺の肩に手がかかる。

ニビでもライでもランでもない。もちろんカイでもない。

いや知ってましたよ?分ってましたけどね?

「待ってたぜレイスさん!ほらこっち!話したいことは山ほどあるんだ!」

「あぁ……うん。だよね」

とんでもなく行きたくない。

が、彼らに悪気はなさそうだし、商店街の人達を見れば分かるようにウルクラグナは良い人で溢れ返っている。

(まぁ…ニビも嬉しそうだしいっか。ライもランもベビーカステラ貪ってるし)

軽いため息の後、強引に引っ張られることに抵抗することもせず、俺は人混みの中心にある席につく。

それからは止まない笑い聲の中、んな人達の質問攻めにあったり食べを勧められたりした。

結局寢れたのは日が変わる直前。

そりゃあもう疲れたし終始眠たかった。

しかし、なんだかんだで楽しい一時を過ごせた気がするのも確かで、その日はいつもより心地よい眠りにつけた気がした。

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