｢レイスだ！｣

｢はい。レイスです｣

｢間に合ってよかったぁ｣

｢そうですねぇ｣

避難した國民と騎士達の元へ戻ると、ライとランが駆け寄ってきた。

カイのように焦りもなければ迫もない。いつも通りの彼らだ。

｢なに、あの隕石ってお前らの仕業？｣

｢うん！僕が隕石落として｣

｢私が作した。レイス達の影引っ張ってかしたのも私｣

｢あ……そう。ありがとな…｣

｢うん｣

確かライが占星士でランが影遊びだったっけ？

2人とも本來の使用用途と隨分かけ離れた使い方するんだなぁ。

どこの占星士が占いせずに隕石落とすんだよ…。

振り返ると、そこには見るも無殘な獣の死骸が潰れていた。

威力は言うまでもないが、落下範囲がとんでもなく広い。ランが影を抑えてきを止めていようがいまいが、これから逃げることは無理だったろう。

………勢いで壊した壁の修理費も凄い額になってるだろうが、請求されたらどうしよう…。

まぁいずれにせよここら一帯の獣は跡形もなく消された。

今のでしばらくは襲ってこないだろうし、俺らは他の応援にでも行くとしよう。