泉達4人が地面に手を添え、火山の力を練った。すると、徐々に雪が溶けて埋れていた兵士達の姿が続々とあらわになった

泉「エルドさん…ティアーノさん…」

青ざめた、冷えきった、開かぬ瞼。これだけで何を語っているかは一目瞭然だ

ドルゼ「村に戻って増援要請を出してくる。荷馬車を持ってこさせるから一ヶ所にまとめて待機しておけ」

バンギック「ああ、わかった」

ドルゼは急ぎ足で山を降りていった。そして殘った6人でを探すこと30分。なんとか1人も欠かさずにを見つける事ができた

バンギック「これで全部だな。もうすぐ増援が來るだろうからしばらく待ってろ」

汏稀「はい…」

壯助「わかりました…」

集めたのそばで座りしてうずくまる泉。その橫に寄り添うように座る香奈。し離れたところに大きくあぐらをかいて座り込むバンギック

香奈はずっと泉をめていたが、バンギック達は特に話すことはなかったので、しばらくそのまま待ち続けた

すると、ドルゼと本部からの増援が荷馬車に乗ってやってきた

リク「泉！！！」

その中からこの世界に來てから出會った同い年の兵士、リクが一目散に走り寄ってきた

泉「リク……」

リク「勝ったんだって！？やったじゃん、すげぇよほんとに！」

泉「あ…う、うん…勝ったよ…」

リク「どうしたんだよ！勝ったっていうのにテンションが……」

ふと泉の後ろを見ると、となった兵士達がリクの目に飛び込んできた

リク「えっ……」

リクは一気に青ざめて言葉を失った。増援に來た他の兵達も同じだ。ここに來るまでこの事を知らなかったのだ。そしてリクがある異変に気付く

リク「壯助、香奈、汏稀、それと泉………龍剣はどこだ？」

泉「……」

リク「おい、みな…」 

バンギック「ボケっとしてねぇでさっさと積み込め」

気を使ったバンギックが強引に話を逸らし、兵達を作業に取り掛からせた

泉「……待って、下さい」

ドルゼ「なんだ？」

泉「荷馬車はいりません。も乗せないで」

突然意味のわからない事を言い出す泉。兵士達は當然、キョトンとしている

ドルゼ「どういう事だ」

泉「皆を……生き返らせます」

ドルゼとバンギック以外は、さらにキョトンとした顔になる

リク「何言ってんの…？辛いのはわかるけどさ、無理なもんは…」

泉「無理じゃない、できる」

ドルゼ「そんな力があるのか？」

泉「はい。私の"森神奧義フォレスト・シークレット"なら皆を生き返らせる事ができます」

汏稀・香奈・壯助「！？」

殘りの異世界人3人が目配せし合う

リク「まじかよ！なら何で早く言わないんだよ！」

バンギック「あのガキか…」

泉「はい…龍剣のだけがないからやるにやれなくて…。でも蘇生も早くしないと効かなくなっちゃう……」

ドルゼ「お前も居たからわかると思うが、あの発でが殘っているとは考えにくい」

バンギック「あったとしても屑だろうがな」

泉「ですよね…。覚悟、決めます」

泉は意を決して森神奧義を行うことにした

泉「森神奧義フォレスト・シークレット、コスミックヒール！！」

フワアアァァァーー！！

泉を中心に、緑のが渦巻く

泉「リバイバルセンス！！」

両手を大きく広げると森の力が解き放たれ、荒れ地は草原となり、綺麗な花々が咲きれた

そしてその力を浴びた達はしずつ顔を取り戻していった

リク「すげぇ…」

ソフィア「綺麗…」

泉は自分が持っている全ての力を出しきった

パリン！！

泉「はぁ…はぁ…ネックレスが…」

奧義を使用した代償として、ネックレスは壊れてしまった

イオネット団長「う…うう…」

団長を始め、全ての兵士が生気を取り戻した

泉「よかった…功したみたい…」

力を出しきった泉は疲労で倒れそうになったが、ソフィアと香奈がそれを支えた。そして、そのままソフィアにを任せて眠りについた

ソフィア「お疲れ様」

優しく泉を抱いて頭をでるソフィアの姿は、まるで姉のようだった

「っしゃあぁぁーー！！！」

「うおおおぉぉぉーー！！！」

上位ランク兵の生還に、みんな歓喜の聲をあげている

ティアーノ「あれ、確か腹を毆られて意識失って…」

エルド「なんで僕はこんな花園にいるんだ？」

マルス「ここは天國なのか？」

ドルゼ「現実だ。みんな生きている」

イオネット団長「一誰が…？」

バンギック「"5人の英雄"のおかげでこの世界は救われた。そこで寢ている小娘と、散っていったあのバカ野郎と、その仲間達によって…」

イオネット団長「そうか…」

バンギックの表を見て悟った団長は目を閉じて、5人と戦ってくれた兵士達に心の中でお禮をした