何もない、ただ白い壁に覆われた窓もドアも無い部屋に集められた、高校と言う場所で生活をしているという共通點を持ち同じ狀況に置かれた21人。

子供の形をした”何か”が告げる言葉を待っている。

正面には、モニタが何枚も置かれ、宛らデイトレーダーの様になっている。映しだされているのは、中世ヨーロッパの様な町並みや江戸時代の様な町並みのまで沢山映しだされている。21枚のモニタには、それぞれの名前が書かれていて、點數の様なが表示されていた。

モニタの正面に降り立った子供は可く微笑んで、21人の中の一人に向かって、『君がすべてを決めていいよ。そういう約束だったからね。』『約束通り、３人に死んでもらってもいいし、殘るようにしてもいいからね。』子供は、その場に居た21人の反応を楽しむように言葉を続けた。『すごいね。僕もここまで出來るとは思っていなかったよ』『今の君なら僕以上の事が出來そうだね』

子供が話し終えた時に、皆の視線が一人に集まる。嫉妬、羨、敬、そして、憎悪。それぞれの思で、過ごした長い長いとても長い日々を...。

視線を集めている一人は、長い長い時間一緒に過ごしたであろう、一人のを見つめて頷く。もそれを見て頷く。ただ、ただ、それだけの事の為に、こんなにも長く苦しい日々を過ごす必要が有ったのだろうか？年は、言葉を紡ぐ。自分がむ事を、がんでいる事を、「俺は........」一瞬の靜寂が場を支配した。

言葉をつなげようとした。それを合図にしたかのように、16人から一斉に聲が上がった。「俺を殺さないでくれ。俺は、しょうがなく參加しただけで、お前いや君達には指一本れなかっただろ。」「私は何もしてない。だから、私は助けて。」「騙されただけなんだよ、お前の・・いや君の両親や弟を殺しているなんて知らなかった。本當だよ。」「ねぇ私は友達でしょ、彼に言って私を殺さないで」「私協力したよね。私は助けてくれるのでしょ？」「俺はお前に逆らわなかったよな。助けてくれよ。なぁ」「言われた事はやったよな。だから、お願いだから、お願いだから、俺は許して」もうそんな聲は心には響かない。

年は手を上げて、セリフを遮って、一人のに目を向ける。

「ひとみ」をビクッとさせて一人のが顔をあげる「君にお願いがある」「え？」「ひとみには、僕の代わりにしてほしい事がある」「え”私も一緒に行くのだと思っていたのに...」「ううん。ひとみには僕が出來なかった事をしてほしい」年は一束の紙をに渡す。その紙はとても古くて、もう何十年も経過した紙のようだった。一瞬なんの事かわからなかったは、紙に視線を落とした。そこには、彼が知りたかった事すべてが書かれていた。見覚えのある彼の筆跡で時系列にまとめられている。「それを、しばらくしたら、僕の部屋で見つけてしい。鍵はいつもの所にあるし、もう家には誰も居ないから勝手にっていいよ。そうだね。僕の葬儀をする事になるだろう。その時にでも見つけてくれればいいよ。」一息ついて、「そして、見つけたを警察と重久のお父さんに渡してほしい。」「えっ。それだけでいいの？」「うん。それだけでいいよ。重久にも手間かけさせるけどな。別に裁かれてしいとは思わない。もう終わった事だからな。でも、事実は事実として公表だけはしてしい。それだけがみだよ」重久と呼ばれたは何が書いてあるのか解っているかのようだった。ひとみはしだけうつむいて、しだけ考えてから、顔を上げて年を見た。すべてを決めたそんな顔をしていた。そして一言を呟いた。「・・・・。うん。解った。もう會うことは出來ない？」その言葉に年は優しい微笑みを返した

「アドラ。待たせたね。」そう言って年は子供に向き直って、「俺と和葉は、異世界に殘る。そして、・・・・・・・・・・」

僕達の7日間という短くも長い旅が終わった瞬間だった。