《チート能力を持った高校生の生き殘りをかけた長く短い七日間》マガラ渓谷の裏切り
基本は、商隊の馬車に乗っての移になる。魔などの襲撃も無く、商隊は進んでいく。商隊の予定では、マガラ渓谷まで3日程度とし強行軍の行程が組まれている。通常では、メルナや近くで一泊するが、し休んですぐにマガラ渓谷を踏破して、アロイに向う事になっている。
明日にはメルナに著いて、そのままマガラ渓谷にる事になる。「ねぇリン。何か有ったの?」「ん?どうして...。」「なんか、私以外を避けているように思えるからね。」「そんな事ないよ。」「うそ。リン事は解るよ。何か心配事があるんだよね?」
『マヤからの念話です繋げますか?』『・・・・。マヤ。フェムやイリメリからどういう風に聞いているのかわからないけど、多分僕達の敵だと思われる奴が居たんだよ。』『え”リン達がまとめて死んじゃった時の敵?』『そう。それだけじゃなくて、そいつが、ウーレンやサラナと親しげに話していたんだよ。』『ねぇリン。私もし気になっているんだけどね。』『商隊の隊長と一緒の馬車に乗っているのが、リンが言っている敵だよね?』『あぁ”エスタール=ティロン”と言う男だよ』『やっぱりね。彼。何かある事に私の事をろうとするんだよ。多分、リンの仲間だと考えて確認しようとしているみたいなんだよね』『そうか』『それでね。この前食事の時にぶつかりそうになったから避けたら、そこに、サラナが居て私を支えるようにしてくれたんだけどね』『ステータスを確認していたんだな。』『多分。その後で、そのエスタールって人に何か報告する様に話していたから、間違っていないとおもう。』『そうか、この前のマガラ渓谷を越える時には、護衛が僕達よりだったから助かったけど、今度は違うみたいだな。注意しないとな』『うん。ウーちゃんやサラナが私達を売っていると思いたくないけど、注意していないとダメだね』『あぁそうだな。三人だけが敵なら良いんだけどな。』『それはないとおもうけど』『考えても仕方がないよ。明日の渓谷にる時に何らかのアクションがあるとおもうからそれをけてから考えよう。最悪、商隊から別れても良いんだからね』『うん。私は、リンと一緒ならなんでもいいよ。』『ギルドも作ったばかりだからこれから頑張らないとだからね。マヤも妹や弟が沢山出來て嬉しいんじゃないのか?』『うん。本當にみんな可いよ。お土産も沢山買っていかないとね。』『そうだな。何がいいか考えておかないとな。明日何があるかわからないから、寢られる時に寢ておこう。』『ねぇリン。』『何?』『前の世界の事を、前世って言うんでしょ?』『そう説明されたの?』『うん。』『そうか....』『ねぇリンは、前世って世界に帰るの?フェムやイリメリはそんな事を言っていた.....』『僕は帰る方法が有っても帰らないよ。僕は、リン=フリークスで、マヤの兄貴だからな』『本當?』『あぁ僕はマヤと一緒に居るよ』『約束だよ。』『もちろんだよ。マヤと一緒に居るよ。』『ねぇもう一個聞いていい?』『何個でもいいよ。』『フェムとイリメリが先にお風呂にっていたときにね。話し聲が聞こえちゃったんだけどね。』『うん。』『前世で、リンとイリメリが人同士で、フェムがリンの事を好きだった。みたいな事を言っていたけど....本當なの?』『はぁ?』『あと、ミルもリンの事が好きだった見たいって話をしていたよ。生まれ変わってから、変わったリンを見て、サリーカとルナもリンの事が好きで狙って居るし、奴隷の中にもリンの事を好きになっている子が居るって話をしていたんだよ。なんとなく、りにくくなって、そこでお風呂にらないで出ちゃったんだけど....。リン。どうなの?』『・・・・どうなのって言われてもな。人同士だった事もないし、フェムやミルからそんな事をじた事はないし、気にした事はないよ』『ほんと?』『あぁ本當だ。イリメリとは家が近所で子供の頃から一緒だったけど、途中から疎遠になっていたからな。』『そうなんだ。フェムとは?』『正直、フェムの事はあんまり覚えていない。そんな子が居たな程度だからな....絡んだ記憶もないんだよな』『えぇ、リンが気がつかないだけで、フェムに何かしてあげたとかないの?』『それこそ、気がついていないんじゃわからないよ』『それもそうだね。ミルは?』『ミルこそ本當にわからないよ。』『ふぅ~ん。フェムとイリメリの話では、ミルはリンの為なら死んでもいいとまで言っているようだよ』『・・・・。それこそわからないよ。絡んだ記憶もないんだよね。ミルは、フェムやイリメリと違って途中から合流しているから余計に名前しか知らない程度の認識なんだよ。』『そうなんだ。なんか、フェムとイリメリの話とリンの話って違う人の話をしているみたいだね』『まったくだね。』『でも、し安心した。リンはリンなんだよね』『當たり前だよ。リン=フリークスは一人だけだからね。前世の事を覚えていても、僕が大事なのは、マヤやニノサやサビニが一番でミルやイリメリ達は二番で、三番目がギルドの仲間達だからね。マヤさえ守れるのなら他はいらないからな。』『うれしい。私も、リンだけいればいい。』『・・・・』『・・・・』『マヤ。』『リン。ねぇリン。リンの前世の事いろいろ教えて。なんか、フェム達が知っていることで、私が知らないリンが居るのが許せないの!!』『マヤ。』『でも、フェム達が知らないリンを沢山知っているのは私だけだよ。フェム達に聞かれても教えてないよ!!』『・・・・』『だから、リン。もっともっと沢山リンの事を教えて、そしてこれからも一緒にいよう』『あぁそうだな。マヤ。僕の前世はね・・・・。』
いつの間にか、寢床で二人で抱き合って。顔を近づけながら念話で話をしていた。マヤに、地球での事。今どんなに楽しいのか、マヤと一緒なのが嬉しい事をいろいろ話をした。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
マヤと抱き合っていつの間にか眠ってしまっていたようだ。マヤの顔が目の前にある。話をしている最中にキスした記憶もある。
しがみついて寢ているマヤを起こして、朝食にしようと思っていた黒パンを冷たくなったスープに浸して流し込んだ。商隊で貰った、コレトは魔法の袋マジックポーチにれてある。後、移中に商隊から食料と飲みをし買ってある。最悪は商隊から離れなければならない。その位の備えしか出來ないが無いよりはマシだろう。とりこし苦労ならそれでいい。しっかりした寢床といっても、ギルド本部の自室のベッドとは違う。安全の面でも大きく違っている。も疲れてしまっている。昨日は抱き合いながらいつ寢たのかさえも解らない。
商隊の予定を確認したら、今日はこのまま移して晝前にマガラ渓谷にれるようだ。そう商隊長が説明してくれた。出立の前に、マガラ渓谷を進んでいく順番が説明された。山崎エスタールは商隊長と先頭を歩く事になっていた。僕とマヤは商隊の荷が通った後すぐに渡る事になる。商隊以外の人間の先頭と言う事になる。最後に護衛が渡る事になっていた。
キレイな湖を過ぎて、貴族の別荘地の橫を進んでいく。メルナに著いて、しだけ休憩する。馬車の荷をマガラ渓谷用の乗りに載せ替える必要がある為だ。そして、知らなかったが、馬車を馬車の上に乗せて運ぶようだ。これで、渓谷を越えても馬車での移ができるらしい。その準備をして、まずは護衛と馬車を乗せた馬車が進んでいく。護衛が戻ってきて、次に隊長を初め商隊関係者が渓谷にっていく、続いて荷を乗せた馬車が通って、次に僕達になる。前回と違うのは、僕達を挾むように護衛がついている事だ。前後に二人と中間に一人の計5人で10人を守っている形になっている。
1/3が過ぎた所で荷が崩れそうになったとかで一旦隊列が止まった。先頭に居た山崎エスタールから全員武を裝備しろとお願い命令が來た。マヤは弓を手に持って、僕はスリングを裝著した。隊列がき出しても、そのまま裝備した狀態で進んでいく。何か魔の気配でもしたのか?隊列の進み合が遅い。慎重に進んでいるようだった。桟橋まで來て、また隊列が止まった。先に荷を運ぶ事になったようだ。護衛二人が先に荷を桟橋のアロイ側に移させてから、順次渡っていく事になった。
荷より先に、渡りきった山崎エスタールがこちらに向けて”大丈夫だ渡ってこい”と大聲を上げた。渓谷では魔の事もあり大きな音や聲を出さないのは常識になっている。何考えてんだあいつはと思って、僕とマヤは桟橋の作業を見ていた。
っとその時に、後方で誰の聲か解らない「あっ誰か止めて」と言う聲がした。
聲の方から球の何かが転がってきているのが見えた。
僕とマヤは反的に駆け出していた。
マヤの方が一歩早く球に追いついて、屈んで球をけ止めた。マヤは振り返りながら立ち上がって「ギリギリ....」と言った所できが止まった。僕は、球を拾ったマヤが持ち主を探しているんだと思った。
僕の目の前に居るはずのマヤのが傾いている。谷に向けて傾いている。そんなはずはない。僕の目には、赤いが飛んでいるのが見えている。
何もかもがスローモーションでいている。マヤの右肩に矢・・・・が刺さっている。にも矢が......
マヤは、僕に向けて微笑みを浮かべているようにさえ見えた。そのまま、傾いていくマヤ。僕の妹のマヤが弓矢で抜かれて、渓谷に落ちていく。そう理解した瞬間に僕は駆け出していた。
「マヤァァァァァァァァァ」「リン。ダメェェェェェェ」
落ちていくマヤに追いつけと言わんばかり、ありったけの力で地面を蹴り飛ばした。マヤに飛びつく。マヤを助ける。マヤを助ける。
マヤは球はもう手に持っていない。球が僕の頭の辺りに浮遊している。球が破裂したのが見えた。頭に軽い衝撃をけた。
手を引くようにを引き寄せて、マヤを抱きしめる事が出來た。マヤを見つめる事が出來た。マヤの瞳の中には、弓矢を持って呆然としている。ウーレン・・・・とサラナ・・・が映っていた。
マヤは弓が刺さった肩のまま手で僕を抱きしめる。僕も、力いっぱいマヤを抱きしめた。二人で渓谷に落ちていくのが解る。助からないかもしれない。マヤだけでも助けたい。マヤを殘して死にたくない。後悔なんてない。ゆう弟を救えなかった時と違う。何もできなかった時とは違う。マヤと最の妹と一緒に居る事が出來る。一緒に居る。
「マヤぁ。マヤ。マヤ。マヤ。」「・・・・リン。大好き。二人を許してあげて....お願い。」
マヤの頭を強く強く強く抱きしめた。
「マヤァァァァァァァァァ」
渓谷に自分の聲が響いているのが解る。本當にすべてがスローモーションの様になっている。
あぁ重久や瞳や和葉達になんて謝ろう。中途半端にしてしまったな。でも、マヤを見捨てるなんてできないよ。ゴメン。
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