《チート能力を持った高校生の生き殘りをかけた長く短い七日間》リンの決斷
アルマールに頼んでいたものが出來上がったとモルト経由で話が來た。リンは、マガラ神殿にあるアルマールの工房に移した。結婚して、新居を作ったららしいが、マガラ神殿かマノーラ神殿の工房を使っているようだ。商売的にもその方がいいという事だ。リンが定めた稅は持ち出す時に稅がかかる仕組みだから、工房を街中に作った方が余計な稅がかからなくて良い。ウノテさんやアルマールならそんな事しなくてもいいのだけれども、ウノテさんからその辺りはしっかり線引きした方がいいと言われた。
頼んでおいたをけ取って、それから、全部に箱を付けてくれた。「アルマールこれは?」「はぁリン君。本気で言っているの?指をそのまま持ち歩くつもり?」「え?だって、時空の袋タイムシフトポーチにれれば、傷つかないし・・。」「馬鹿ね。それじゃ時空の袋タイムシフトポーチから取り出して渡すの?」「う・・・ん。ダメなの?」「だめ。いい。これにれて、しっかり確認してから渡しなさい。いい。わかった?」「うん。・・・・わかった。」
建國祭が終わってからの後片付けやら、渉やら提攜やらが一通り片付いてから、リンはアデレードを呼び出した。「アデレード。來年に結婚を考えているのだけれども・・・。」「おそい。やっと言ってくれた・・・・。皆待っているのだよ」「ごめん。それで、指を贈りたいのだけど、問題ないよね?」「指?」「うん。指にはめるやつだよ。」「そのくらい知っているわよ。なんで指なの?」「あっ。僕達の居た地球では、婚約や結婚の時に、男からに指を渡す習慣があってね。指は、もうアルマールに言って作ったのだけど、いつごろ渡せばいいかを相談したかったのだよね」「それを、妾に聞くのか?」「あっごめん。だけど、アデレードなら知っていると思ってね。」「もういい。リン達の世界ではいつ渡すのじゃ。」「僕もそんなに詳しいわけじゃないけど、結婚式の時に神様に誓いの言葉を告げるのだけど、そこで口づけをした後で指を換すると思ったよ。」「そうか、イリメリ・・・には聞けないか・・・。」「うん。」「解った、リン。この件は妾に預からせてくれ、悪いようにはしない。」「う・・・ん。わかった。」
アデレードと別れた後で、そうだ、フレットやカルーネやアルマールに聞けばよかった事を思い出して後悔した。
アデレードから、夜に全員集まるようにと連絡が來た。別に珍しい事でもないので、マノーラ神殿の屋敷の食堂に集まった。
モルトが何やら皆に數枚のペーパを配っている。それをけ取って、定位置に著くと
「皆。待ちに待った、リンが結婚を決めてくれた。」「え?」
ペーパに目を落とすと、そんな事が書かれていた。一読して、疑問に思った。
「アデレード。結婚式が2年後になっているのは間違いじゃないよね?」「あぁ2年でも準備が足りないかもしれない。」「え?何をするの?」「え?妾がリサーチした所だと、リンがゴンドラに乗って空から降りてきて、妾達を一人ずつ迎えに來て、あと、リンと妾達の産まれた時から現在に至るまでの歴史を遊詩人に唄ってもらって、親族からの挨拶を一人一人30分位語らせて、その後、妾達一人一人が裝を換して、リンがそれを連れに戻っていく。後は、友人がかくし蕓や一発蕓を披し続けるのだろう?1ヶ月位か長いと半年位かかるのじゃろ。その間に調整が必要だから、最低でも2年後になってしまうと思うぞ。それに、式場とならも建てなければならないし、神へのご報告も1週間以上必要なんじゃろ?」「アデレード。それ誰になんて言って聞いた?」「あぁまず、サリーカに相談したら、アルマールとカルーネに”日本の有名人の結婚式はどうしていた”と聞けば詳しく教えてくれるって聞いたぞ。後、一応、フレットにも確認したが、フレットはイリメリとフェムが居るから大丈夫とか言っておったぞ」
「サリーカさん。どういう事なの?」「リン。ちょっとまって、イリメリもこんな所で魔法使わないでよ。ごめん。ちょっと調子に乗っただけ。」「アルマールとカルーネにも口裏合わせを頼んだのだね。」「うん。アルマールからちょっと聞いちゃってから・・・ね。」「あっそうなの。ごめん。」「ううん。いい。それよりも、リン。結婚式も嬉しいけど・・・。私はリンの言葉がほしいな。」「言葉?」「そうだね。ここで?」「ううん。それは違うのは、リンでも解るでしょ。」「あぁそうだね。みんなごめん。僕のわがままを許して。後で連絡するよ。」
リンは一旦自室に戻ってから、マガラ神殿に移した。「アルマールさん。どこに行かれるのですか?」「リン=フリークス様。私など気になさらずに・・・。」「アルマール。アデレードの相談に乗ってくれたようでありがとう。今日は、そのお禮をいいに來たのですよ。」「いえ、いえ、お禮など・・・。ごめん。リン君。調子に乗った。」「・・・うん。まぁいいよ。一つお願いを聞いてくれる?」「お願い?」「うん。簡単な事だよ。エルフリーデ達を含めて人組にドレスを作ってしい。なるべく本人の意見を取りれながらね。は白でお願い。それ以外は、アルマールとカルーネに任せる。一つだけお願いがあるのが、ミルのベールだけは長くしてしい。」「・・・・うん。わかった。ミルでいいのだね。」「うん。ミルのベールでお願い。」「了解。それは、他の娘に言ってもいいよね。」「あぁ隠してもしょうがないし、今日にでも皆には伝える。」「そう、決めたのだね。」「そうだな。」
リンは、アルマールの工房を出て、屋敷の自室に戻った。モルトにエミール達5人を呼びに行かせた
5人揃って部屋にってきた。自分たちが呼ばれるとは思っていなかったのか、すこし挙不審になっている。「エミール。アスラ。イブン。ウナル。オカム。僕と結婚してしい。序列を決めるつもりは、ないが・・・。」「リン様。解っております。私達5名は、奧様方の従者です。奧様方の上になろうとは思っておりません。ですが、私達もその・・・・。」「エミール。解っているよ。僕は、君達の事をしているよ。一番にと言えない所は悪いとはおもっている。でも、君達を大切に思う気持ちは本當だよ。そんな僕で良ければ、僕と結婚して下さい。」「「「「「はい」」」」」
エミール達に、指を渡す。それぞれの左手の薬指で指を嵌めて、アルマールから渡されたケース事渡す。
5人が出ていった後で、アデレードを呼んでもらった。「アデレード。遅くなったけど、貰ってくれるかな?」「勿論じゃ。リン。やっと、妾は妾の王子様と結婚する事ができるのじゃな」「またせちゃったね。」「いい。これから、幸せにしてくれるのじゃろ?」「もちろんだよ。アデレード。幸せになろう。」
アデレードの薬指に指をはめる。
「リン。しっかりな。」「ありがとう。アデレード。しているよ」「もちろんだ。旦那様。」
次に、フェムを呼んでもらった「フェム。貰ってくれる?」「リンからのプレゼントを斷る訳ないよ。」「ありがとう」「でも、これって私の分だけだよ?」「ん?」「リンの指には、私がはめられないのだね。」「あっ・・・。」「噓だよ。そんな顔しないで、元々、私はリンに嫌われていると思っていたし、異世界に來て、リンとこうして話せる事が嬉しいだよ。それに、これから結婚してくれるのだよね。」「もちろんだよ」「獨り占め出來ないのは・・・この際妥協しよう。殘念な事に、私、イリメリもサリーカもルナもタシアナもアデレードも、勿論ミルも大好きだからね。しょうがない。」「うん。ありがとう。」「よし、謝ったら毆ろかと思っていたのだけど、”ありがとう”だったから許してあげる。時々はデートしてね。」「もちろんだよ。フェム。指をはめよう。」「うん」
次に、サリーカを呼んでもらった。「サリーカ・・・なに?」「指嵌めてくれるのだよね?」「もちろんだよ。サリーカはいいの?」「うん。もともとそのつもりだよ。リンの一番は・・・。いい。でも、私が居る事お忘れないでね。」「勿論だよ。サリーカ。しているよ。」「私もだよ。」
サリーカに指を嵌めた。それをじっと見ていたサリーカがリンに抱きついて來て、優しくキスをした。
「えへぇんじゃまた後でね。」「あぁ」
正直しんどくなってきたけど、リンは自分の責任だと思っている。次に、ルナを呼んでもらった。「リン。ありがとう」「なに?ルナ?」
そう言って、ルナは左手を差し出してきた。差し出された手に指を嵌めてから
「ルナ。沢山、沢山、幸せになろうな」「うん。リン。沢山、幸せにしてね。」
ルナも抱きついてキスをしてから部屋を出ていった。
次にタシアナを呼んでもらった「タシアナ。」「ん?」「結婚してしい。」「いいよ。でも、リン。約束して」「なに?」「私よりも早く死なないで、私を一人にしないで・・・。もう一人にはなりたくない。私は、もうリンしか居ない。リンがいればいい。」「うん。約束するよ。タシアナ。一人にはしないよ。ずぅーと一緒だよ。」「約束だからね。」
出された手に指を嵌めてから、タシアナを抱き寄せてキスをした。
「モルト。次は、」「リン様。イリメリ奧様が來ておられます。」「うん。ってもらって」
イリメリがリンの部屋にってきた「イリメリ。」「リン。私の番だよね。」「うん。」「そうだよね。でも、私、リンに沢山酷いことを・・・。」「何もしていないよ。瞳。僕は、いつも君に甘えていた。そして、今日も、ううん。これからも、君に甘えてしまう。こんな僕だけど、まだ一緒に居てくれる。結婚してくれる?」「凜君。勿論だよ。私は、凜君と一緒に居るのが私だと勝手に思っていた。だから、凜君に甘えていたのかもしれない。」「ねぇ瞳。僕は、君が羨ましかった。」「ねぇ凜君。私は、貴方が羨ましかった」
二人は、軽く笑いながらキスをした、家族のキス。友のキス。そして、深くお互いを認めたキス。「イリメリ。結婚してください。もう二度と僕の側から離れないで、君がいないとダメなんだ」「リン。もちろん。手間のかかる弟だけど、大好き。している。もう一生離さない。」
イリメリの左手の薬指に指をはめる。そして、今度は人のキス。夫婦のキスをした。
「リン。ミルを呼んでくる?」「ううん。ミルが來るまで待っている。」「そう解った。私は、アデレードと結婚式の話をしておく、そうしないと本當にゴンドラに乗せられてしまいそうだからね」「そりゃぁ怖いな。だけの式にして、発表は來年の建國祭とかにしてくれるといいかな。」「了解。そっちの方向で話をすすめるよ。」「うん。頼りにしていますよ。奧様。」「了解だよ。旦那様」
それから、部屋の燈りを付けないで、30分位待っただろうか、ドアがノックされた。「ミルでしょ。ってきて」「うん。リン。どうして?」「いいから、こっちに來て、ミルには斷る権利はないからね。」「斷らないよ、でも、なんでも僕なの?アデレードやルナも居るし、エルフリーデだって・・・。なんで?」「僕がここに居るのは、ミルの・・・ううん。違うな。そんな言い方はズルいね。」「・・・。」
ミルは今にも泣きそうな顔をしている。
「ミル。和葉。僕は、君が好きだ。誰よりもしている。結婚してしい。ダメって言わせないからね。」
リンは、泣きそうになっているミルを抱き寄せて、キスをした。深く、深いキスをした。を離して、
「ミル。僕は、君がしい。リン=フリークスは、神崎凜は、ミトナル=セラミレラ・アカマースを、鵜木和葉をしています。世界中の、ううん。異世界中の誰よりもしています。」「リン。なんで、僕の両親・・・」「それは関係ないよ。和葉は、和葉だろう?」「だって僕。戦う以外何にも出來ないよ。」「ううん。いくら、和葉でも、僕の大好きなミトナルの事を悪く言ったら怒るよ。」「え?」「左手出して」「え?うっうん。」
リンは、出された左手をおしいをるように優しくってから、薬指に持っていた指をはめた。そして、ミルに一つの指を渡して、「ミル。僕にも嵌めて」「うん!」
さっきまで泣きそうだった顔に一筋の涙がったが、満面のえみで指をけ取り、左手の薬指に嵌めた。それから、リンはミルを抱き寄せながらキスをした。そのままお互いの溫をじるままに抱き合った。
リンは、初めて大切なを自分の意思で抱きしめて、そして、初めての夜を迎えた。朝日が照らす時間になっても二人は起きることなく抱き合っていた。握られた手には、お互いの存在を認めあった指がっていた。
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