「――っ!?　水神龍!?」

ライガは驚愕に目を見開く。

異世界に転生してり行きで偶然行き著いた窟。その部で現れたの口から発せられた言葉は、ライガの予想出來る範疇を越えていたのだ。驚きもするだろう。

（このの子の話通りなら、俺と戦ったドラゴンが水神龍なのか？　若しくは関係する龍なのかもしれないけど）

心でドラゴンの事について考えていたライガは、次のの言葉で一度考えることを止めた。

「驚くのも無理は無いか。この場所は一部の者しか知らんしのぅ」

「一部の者しか知らない？」

ライガはこの窟の事ではなく“水神龍”という存在に驚いていたのだが、折角の話が線しても面白くないとじ、訂正すること無く疑問に思ったことを口にする。

「ん？　名くらいは聞いたことがあると思うのだが、この場所は限られた者にしか知られていないのだ。それも理由があるが」

はライガの質問には答えることなく話題を逸らし続けた。

「ふむ、まぁいいか。そんなことよりも、お主は何故我との戦闘のときに鑑定を使わなかったのじゃ？　それだけでは無い。他の魔法も含めてのぅ」

は聞きたいことを真っ直ぐにライガへと問いかける。しかし質問を聞いたライガの思考は更に混の渦へとはまり込んでいく。

（このの子と戦闘？　何のことを言ってるんだ？）

ライガ自信が戦闘と聞いて思い當たるのは、ゴブリン戦とドラゴン戦の二回のみのはず。だがは自分を指し“我”と言ったことで謎は深まる。

そんなライガの雰囲気をじ取ったは、続けて言葉を言い放つ。

「よし！　まずは理解をしてもらう方が早いだろう。我に鑑定を使ってみるのじゃ！」

自の疑問の解決の為にも、の指示に従うことにしたライガ。しかし鑑定によって表示されたのステータスは――。

ステータス

名　前：サラスヴァティ

種　族：神龍

　別：

年　齢：？？？

レベル：532

職　業：水龍王　神龍

稱　號：水神龍　龍最強の一角

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ステータス

　力：2,696,600/2,696,600

魔　力：2,691,600/2,691,600

狀　態：人化

魔　法：水　氷獄　聖　支援魔法

スキル：鑑定　念話　人化　魔自然回復

龍魔法　危機回避　能力向上

狀態異常耐　水化　極隠蔽

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≪龍：竜の更に上位に位置する。高い知能と戦闘能力を有する≫

この世界での“龍”は割りと生息している。その中でも最上位の“神龍”は7しか存在していないため超貴重な存在である。

そして龍を人が倒すことは、まず不可能に近いとされている。

一部の例外で龍を倒すことに功したものは、例え最下位の下級龍でも、龍殺しと呼ばれ、人外を更に超えた人外とされている。

のステータスはライガに衝撃を與えた。

そして自信に満ちた眼差しで「どうだ？　凄いだろう」と言わんばかりにを張って立ってこちらを見ている。

（まさか窟の主である水神龍本人とは……）

ライガの思考を読み取るようにが言葉を発する。

「どうじゃ！　しは狀況がわかったかの？」

「いや全くわからないけど？　分かったのはあなたが“水神龍”であることと、名前がサラスヴァティってこと。あとは戦闘力が異常に高いなってことぐらいだろ」

の問いに素直に答えたライガ。

そして帰ってきた答えを聞いて、間の抜けた表でこちらを見ているがいた。

「ん？　今お主自が答えを言っていたではないか」

（……何を言ってるんだ??）

ライガの様子から未だに理解していないことを察したは自ら改めて名乗る。

「説明せねばわからんか。なら改めて名乗ろう！　我の名はサラスヴァティと言う。そしてお主と戦った“ドラゴン”じゃ！」

は両手を腰に當て、サラスヴァティと名乗りこちらを見ていた。しかしライガはの言葉を聞き思考を始めた。

（そもそもの話、俺と戦ったドラゴンはここまで強くなかったはずだ。仮にドラゴン本人であるとしても、正直どちらでもいいけど）

年の様子を見て大した驚きが無い事が分かると、つまらなさそうに話題を変えて質問をして來た。

「まあいい。次の質問だが、お主は何用でこの窟に來たのじゃ？」

「用は時に無いな。迷子になって偶然辿り著いた」

「迷子？　お主が？　何故？」

ライガは今までの流れを、順に説明することにした。そしてそれを聞いたは、ガイヤを叱ることに決めたのだった。

「あの、サラスヴァティさん？」

ガイヤへの怒りがれ出ていたため、ライガは穏便に聲をかけた。すると呼ばれたは怒りを納めて微妙な聲で言う。

「年。我はサラスヴァティと呼ばれるのは好かん。だからサラとでも読んでくれれば良いぞ」

「わかった。俺はライガだ」

サラの言葉に頷き、ライガも名乗り返した。

「さてもう一つだけ聞いておこうかの。ライガのステータスにある“転生者”について聞いても良いか？」

サラはガイヤとサーシャに話をする前に“転生者”の事を二人がどこまで知っているのか確かめる必要があった。

 （二人が何も知らないようなら報を共有しておかなければ、これから先が大変だろうな）

「聞いてもいいけど、俺は何も分からないぞ？」

「そんなことは分かっておる。ライガの両親はこの事を知っているのか？」

ライガはサラの言っている意味が分からず思ったことをそのまま口にした。

「俺の両親って？」

この世界に転生してからライガは両親に會っていない。そのため両親が居るのか分かっていなかった。

そしてライガの返答をサラ自予想していなかったことから、お互いに數秒の時を見つめ合うことになる。

その後、先に我に返ったサラはライガに改めて両親の事を聞くことにした。

「……ライガ？　お主、まさか両親が分からないのか？」