「子作り～しましょ？…しましょ？…ましょ……」

あまりの突然の言葉に、俺の頭は完全にフリーズする。その後、その言葉の意味を理解した瞬間…一瞬浮かんだ、桃な妄想を俺はここにお見せすることは出來ない。

くんずほぐれつとか言えない。そう俺のちっぽけな名譽と、この世界を守るためにも。これ以上、詳しく書いちゃうと々問題あって駄目なんだぜ！きっと、『あーるじゅうはち』とかにしなきゃいけなくなるLVなんだぜ！もう自分で自分が何言ってるのかわかんないよ！！

「あ、あぁああ！あのですね！！ディーネちゃん？そ、そう言う事は、好きな人とすべきだと思いますよ！」

俺は、冷靜を裝いつつ、ディーネちゃんにそう応える…。心は全部読まれてるんだから意味無いとわかっていても、言わねばならぬ時もある！…多分。

そんなテンパる俺の様子が余程楽しいのか、ディーネちゃんは更にエスカレートしていく。

「も～。ツバサちゃん？わたしがぁ～好きでもない～人のぉ～子供を～しがるわけがぁ～ないでしょ？」

人差し指で、俺のをウリウリしながら、そう枝垂れかかってくる。

あのですね！腕にですね！！とてもいいがですね！！もぉおおー！！おっさんと言えど、そういうの免疫無いんだから！！

わかるでしょ！？ちょっと！ディーネちゃん挾むな！！著やせするんですね！？ってだめぇ！！幸せな気分になるから！！やめて！おじさんのHPはもうゼロよ！！

俺が、心で悲鳴を上げて抗議していると、ディーネちゃんは流石にやりすぎたと気がついてくれたのか、足を崩して座った姿勢のまま、し離れて、俺の向かいにススーッと移する。その無音ホバー高能すぎるだろ…。

「もぉ～。ツバサちゃんのいけずぅ～。もうしぃ～心を～勉強した方がぁ～良いわよ？」

そう言いつつも、ディーネちゃんは「んふふふ♪」と笑い。

「けどぉ、そうやってぇ～慌てるツバサちゃんもぉ～可いからぁ～許しちゃう♪」

俺はそれを見て、ありがとうとも、なんとも言えず、非常に疲れた顔でディーネちゃんを見る。

だってね？俺、ルナを抱えてるんですよ？ひざの上にルナのがあるんですよ？皆まで言わなくてもわかるよね？俺の息子に娘ルナが反応したらどうしてくれるの！？この発言だけでNGかもしれないって、ドキドキしてるんだから！！

「ふふふふふ♪本當にツバサちゃんを見ていると、飽きないわね。けどね、私も遊びでそんな事言っているわけじゃないのよ？」

ディーネちゃんは、本當に楽しそうに笑いながらも、小首をかしげて、そう言った。

そして、初めから、真面目モードでの対応を本當にお願いしたかった。なんで戻ったし！

「それはね…。私だって、の子ですから。流石にあんな大膽なこと、茶化さないと言えないわよ。」

と、し赤くなりながら、視線を逸らしてそう言った。

おう…、その表は反則ですよ…。ディーネちゃん。流石に俺もそんな事言われたら、鼓が跳ね上がっちゃいますよ。

そして、すいません。霊は恥心とか持ってないのかと思いました。割と本気で。

もしくは、子供を作ることが霊の中では息をするのと同じくらい當たり前のことなのかと思いました。

「そんな事は無いのよ？ツバサちゃん。霊にとっても、子供を作る行為はとても神聖で、相手も自分も、その事を本當にんでいないと出來ないのよ？私だって…恥ずかしいに決まってるわよ。まぁ、私も照れ隠しであんな風に迫っちゃったのは失敗だったと思ってるわ。」

そういった後、ディーネちゃんはちょっと拗ねたように。

「だって、ツバサちゃん、本當に真面目なんですもの。おねぇさんも、結構自あったんだけどね。にここまで言わせるのも罪なことよ？」

そう言ったディーネちゃんはとても可くて、最初から正攻法で來られたら危なかったと思った。

まぁ、結局、何とか桃空間を耐えられたのは、きっとルナが神的にも理的にもストッパーになってることが大きいかと思われる。そんな羨ましい事に対する免疫とか、ニートの俺にあるわけが無い。

もし、ルナがここにいなかったら、俺もかなり危なかったと思います。はい。

そこまで心で考えると、けじめとばかりに、俺はこう応える。

「それに、さっき會ったばかりですけど、俺、ディーネちゃんの事は結構好きですし。嫌なわけではないんですよ？あのホンワカモードで弄られるのは勘弁してしいですが。」

「ふふふ♪まったく、ツバサちゃんは本當にそういう所は上手なんだから。おねぇさんの負け。」

ディーネちゃんはバンザーイと両手を上げると、困ったように俺を見る。

「けどね、だからこそ、やっぱり諦められないの。」

そういうと、ディーネちゃんは、俺の正面に正座をし、

「お願いします。私とあなたの子供を作らせてください。」

そう言いながら、三つ指を突いて、頭を深々と下げた。

ここまでされて、理由も無く嫌と言える男はそうそういないだろ。

けど、俺は同時に、その圧倒的なまでの執念と言うか念に疑問を抱かずにはいられなかった。

霊と言う特殊なファクターを加味しても、俺はそこまでディーネちゃんが「俺との子作り」にこだわる理由が理解できなかったのだ。

もし、好きなら一緒にいるのはやぶさかではない。付き合ってくれと言われれば、喜んでそうする位の気持ちはある。

けど、子作りとなると、あまりにもステップが飛びすぎだと…俺の覚では、そう思ってしまうのだ。

子作りの行為そのものではなく、子供を作って育てると言う事実の方が俺の中で重要なのだ。

そこが解消されないことには、俺はどんなに絶世のにわれようが、巨萬の富をもらえようが、手を出すことに躊躇してしまうだろう。

「そうね。そこまで読みきれなかったのはおねぇさんの間違い。普通の殿方なら先ほどの手で問題なかったと思うのだけれど、ツバサちゃんはとても真っ直ぐなの。だから、おねぇさんも、ちゃんと向き合うことにするわね。」

俺の心の聲をけたのだろう。ディーネちゃんは顔を上げてそういうと、その表に覚悟のようなものをにじませる。

俺はその様子を見て、ルナをらかい芝生の上に優しく橫たえると、ディーネちゃんの前に正座で向き合う。その様子を見たディーネちゃんは、ふっと微笑を見せるものの、すぐに真剣な眼差しへと戻る。

「まず、私は水の霊。それも、人の形を取るほど高位の霊よ。先ほど話したとおり、霊と人は隣人の関係。人の姿を取るということはそれだけ、私は人に対して強い思いを宿していると言うことなの。だから、私も人の心に対して強く反応できるし、人に対してより多くの力を渡すことができるわ。」

そこまで聞いて、俺は頷く。

「だけど、それは諸刃の剣でもあるの。強いを持つと言うことは、それだけ強い影響をけやすいということよ。つまり…それだけ、強い負の思いに引っ張られやすく、墮ちたときの反が大きいの。」

俺はそれを聞いて、ブルリとを震わせる。

それは、霊にとっては、恐ろしいほどのジレンマなのではないか？

人を助けたい。けど人間と接する機會が多ければ多いほど…霊が落ちる確率が上がる…。

そうなると闇雲に人と接するわけには行かない…。しかし、人の思いを得ないと霊は存在できない。

「ふふふ♪ツバサちゃん。あなたは本當に素敵。私の話を聞いてその先を見る。その心。探究心。知るという事を恐れないその強い心。そして、大きく明な意思。私は、そう…そんなあなたの心を食べて、一瞬で虜になったのよ？」

し頬を赤く染めながら、ディーネちゃんはそうはにかむ。

その様子を見て、俺もしドギマギするも、その意味を考えて一気に熱が冷める。

「つまり…俺の魔力を食べて、影響をけた結果がそれ…と言うことですか？」

俺は、そう言いながら、事の重大さを認識する。

もし、俺の魔力を食らったがために、ディーネちゃんが無理やり影響をけたのだとしたら。俺の魔力のせいでまない思いにとらわれたとしたら…俺はどうやってそれを償えばいいのだろう…。

その思考にれたディーネちゃんは、音も無く立つと、俺の頭をそっと自分のへとかき抱いた。

そして、ゆっくり優しく、

「ツバサちゃん。水の霊は、慈と獻の衝がとても強いの。確かに、ツバサちゃんの魔力を食べて、心をじて、あなたの虜になったのは事実よ。けど、それは私がそうんだ結果、なったことなの。人間だって、影響を與え合って生きているでしょう？霊は人とは違って、影響が顕著だから大げさに反応しているように見えるかもしれないけど、本質は変わらないのよ？私はあなたの魔力をした。そしてあなたを求めた。ここにツバサちゃんが責任を取る要素は一つも無いわ。全部私がじて、私がんだことなのよ？だから、大丈夫なの。」

そう諭すように、俺の頭をでながら言った。

俺はその大きくも優しい心にふれ、不覚にもこみ上げるものがあった。

「ふふふ♪それにね、こんな素敵な気持ちになれるなんて、思ってなかったの。これが多分、人間で言う特別な人へのなんでしょうね？ここまで大きなに突きかされたのは初めてなのよ？今、私は、霊になって初めてこんなにも満たされているの。」

それは…、俺の魔力に侵食されたせいでそうなっているわけで…。

いや、違うな。それは逃げだな。

つまり、いきなり俺のせいで心を縛られたと言う事実を、俺自が的な部分で消化できていないだけか。

考えてみたら、ゆっくりと際を重ねて好きになっていたら問題無いのに、一目ぼれは駄目なのか？というのと狀況は変わらない。どちらも、自分の影響と言う點は変わらない。変わったのは時間だ。

魔力と言うファクターがるから、論點が見えにくかったけど、今のディーネちゃんの話からすれば、単純に一目ぼれしたという話に過ぎない。まぁ、それでも十分に大事件なんだが…。

「そうね！いい表現よね。正に一目ぼれよね。」

そう嬉しそうに言いながら、ディーネちゃんは更に俺の頭に素晴らしい２つのを押し付けてくる。

いやいや、俺も煩悩の塊ですから、ちょっと自重してくださいって。せっかくシリアスな路線なんですから。

そして、名殘惜しいながらも気恥ずかしい俺は、ディーネちゃんの抱擁から出する。

ディーネちゃんは、そんな俺をちょっと不満そうな顔で見ていた。そんなディーネちゃんに俺は問いかける。

「とりあえず、ディーネちゃんが俺の事を思ってくれている事と、その経緯は良く伝わりました。その件に関しては、個人的には小躍りして飛んでいきたい程に嬉しい気分ではあります。しかし、もう一つの疑問を解消してくれないと先に進まないのでとりあえずは、そちらを優先します。」

ディーネちゃんは「もう…ツバサちゃんのいけず。」とし不満な様子を殘しつつも、頷いて話し始めた。