《異世界で、英雄譚をはじめましょう。》第二百二十七話 偉大なる戦い㉘
「……話が見えてこないのですけれど」
それはずっと僕が考えていたことだった。キガクレノミコトが言っていることはずっと主観的考えであり、他人に伝えるために噛み砕いて話をしているものではない。なので當然思考はぐちゃぐちゃになってしまう。それこそ、プリンをスプーンでカラメルソースとプディングの層を混ぜたかのようなじだ。
有益な報と無益な報が判別することが出來ない。それは僕が知識を仕れていないだけ。そう言われてしまえばもう何も言い返すことは出來ないのだけれど、それでも、知識を仕れる暇も無かった今の狀態を鑑みれば、多は発言を噛み砕いてもらっても問題は無いはずだ。
けれど、きっとそれはけれてくれるようには思えない。
それはキガクレノミコトが自分と違う存在だから? 人間じゃ無いから?
それも確かにあるけれど、それ以上に彼の存在が未だにミステリアスであるということ、そして、僕が未だにキガクレノミコトを信用していないこと――この二點を挙げることが出來る。
キガクレノミコトは優しい人――この場合は神とでも言えばいいだろうか――だ。だから彼の発言をそのまま鵜呑みにしてもいいように思えるかもしれない。だが、それでもやはり彼と出會った期間がそれほど長くないということ、あとはあまり接點が無いのに急に呼び出されたということ――それを考えると、不安が生まれても何ら不思議では無い。
「不安なのは、分かる。だが、しは我々の気持ちも汲んではくれないだろうか」
言ったのは、キガクレノミコトでも欠番でも無かった。
口のあたりをスカーフで覆っただった。黒い髪は頭の後ろあたりで束ねており、ポニーテールのようにしている。この場所に居るのが異質なように見えるけれど、彼はその場に馴染んでいた。
そうして僕が反応に困っていると、もそれを察したのかスカーフを外して僕のほうを見た。
「ごめんね。別に私たちも、あなたに気苦労を押しつけたくてそんなことを言っているわけじゃないんだ。だけれど、こうするしか無いってことはみんな気づいている。そして、きっとこの世界の人たちもそう気づかざるを得なくなる。それまでにリーダーを決めておかないといけない。それが私たちの役目」
「リーダー……?」
「そう。戦爭の話はさっきキガクレノミコトがしたから置いといて……、簡単に言ってしまえば、戦爭の代表者が必要なの。それは分かるでしょう? だって、戦爭だって元を正せばグループワークみたいなものだからね。リーダーが居ないと何も始まらない。そのためにもリーダーを決めておかないといけない」
「つまり……、戦爭を始めるに當たってこの國の代表者になれ、と……?」
「別に國単位の代表まで務めなくていいよ。……まあ、でも、この國は數年前に実権を失ったから、確かにそうなってしまうのかもしれないけれど」
「実権を失った?」
僕の問いに首をかしげる。
「あれ? 知っていると思ったけれど、あまり一般人には公表されていない事実だったのかな。だったら、教えてあげましょうか。それでも、時間に限りがあるから簡単に。この世界はもうししたら、戦爭が起こります。それはあなたも知っていることでしょう。ですが、これからが本題。この世界にはもともとある宗教が流布されていました。その名前は『神殿協會』。創造神は一柱しか居ないのに、彼らも創造神を立てていて、それを信奉している。何というか、罰當たりな連中ですよ。まあ、彼らにも彼らなりの考えがあるのでしょうけれど、そんなことは関係ありません。我々の考えが正しく、彼らの考えが間違っている。それは、この世界の仕組みをよりよく知っているのが私たちだからです」
「ストライガー、話がズレているぞ」
「ああ、そうでした。ごめんなさいね、風間修一さん。どうも、話をしているとこんな風に脇道にそれてしまうのですよ。ああ、私の悪い癖ですね。直したいけど、なかなか直せない。……ええと、何の話でしたっけ?」
「戦爭の話だったかと、思いますけれど。あと、神殿協會? という人たちの話だったかと」
「ああ!」
ストライガーは僕の話を聞いて、ぽんと手を叩いた。
「そうです。そうでした。……ええと、神殿協會はある計畫を立てています。それは言ったかもしれませんが、世界をリセットする行為と同じです。そこはなぜか私たちが言っていたことと同じことになるのですよね。そこはどうしてそうなってしまうのか、まだ分からないのですけれど。そこはいつかはっきりさせないといけませんね。もしかしたら、彼らも名前は違うだけで、ほんとうに創造神ムーンリットを信仰しているのかも?」
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