《異世界で、英雄譚をはじめましょう。》第二百七十八話 死と新生②
「まあ、いいや。とにかく君がどうしようと僕の知った話ではない。でも、世界は救って貰わないといけない。そうじゃないと……、君を僕に託した人に迷がかかるからね。それに、僕は君が世界を救うと信じているわけだし」
「信じていた?」
バルト・イルファからそんな言葉が出てくるとは思っていなかった。
それは僕がバルト・イルファをそういう風に思っていたのだということの裏返しになってしまうのだけれど。
「ああ。そうだよ。信じている。……君は必ずこの世界を救うだろうとね」
「なぜ、そこまで確信しているんだ? そもそも、百年前お前は……」
「妹を助けたかった」
バルト・イルファは、僕の言葉を遮るように言い放った。
「妹を助けたいと思った。だから、僕はリュージュの計畫に參加した。參加せざるを得なかったんだ。そう言ったところでただの言い訳になってしまうかもしれないし、君が信じてくれるとは思えないけれどね。それでも、これが真実だ」
バルト・イルファはそう言うと、ゆっくりと歩き始める。
「僕と妹……ロマはほんとうの兄妹じゃないんだ。まあ、そんなことは君も十分理解していることだと思うのだけれど」
「イルファ兄妹は……偽りの兄妹だった、と?」
「そんな簡単に説明できるものじゃないんだ。僕とロマの関係は」
したり顔で笑みを浮かべるバルト・イルファは、どこか奇妙な雰囲気を放っていた。
バルト・イルファは近くにある手頃な巖に腰掛けると、僕を見つめ、
「……そんなに気になるなら、教えてあげようか? 僕とロマの話を。時間は無いから、簡単に説明する形になるけれど。それで君が理解できるかどうかはまた別の話だろう?」
それは、その通りだった。
それに僕はバルト・イルファのことを何も知らない。知ろうと思っていたわけでもないし、知る意味が無いと思っていたのかもしれない。
そしてバルト・イルファは告げる。
僕の無言の返答を、了承とけ取って。
「……それじゃ、話を始めようか。僕と、ロマの話を。そして、『十三人の忌み子』について」
そうしてバルト・イルファは掌に炎を生み出した。
やがてそこには一つの影が生まれていく。
幻影。
炎に浮かび上がる影が、徐々にその姿を見せていく。
その姿は二人の年だった。そして、その年はどこかで見たことのあるような――二人だった。
「この二人は……もしかして?」
「僕と妹は、十三人の忌み子として生活を共にしていた。……そもそも、十三人の忌み子については、あまり知らない事があると思うけれど、簡単に言えば、リュージュが才能を開花させるためにラドーム學院だけではなく世界の至る所から子供を集めてきた。その數が十三人。だから十三人の忌み子、と呼ばれている。とても単純明快な発想だけれど、そこまではついてこれているかな?」
僕は頷く。
それなら問題ない、とバルト・イルファは言ってさらに話を続けた。
「十三人の忌み子の中には、君もよく知っているルイス・ディスコードも居た。けれど、彼は十三人の忌み子の中では落伍者だよ。……もっとも、それを実していたのはルイス本人じゃないかな。リュージュはそこまで彼のことを気に掛けていなかったようだから」
「リュージュは何を目的に……十三人の忌み子を生み出したんだ」
「新しい世界を切り開くためだ」
「新しい世界? まさか、そこで神にでもなるつもりだったのか」
僕はあきれ顔でそんなことを言った。
僕が昔住んでいた世界ではそんなことを宣った主人公がいる語があったような気がするが、あくまでそれは語だ。現実では有り得ない。
けれど、リュージュはそれを現実にしようとしていた――ということなのだろう。
バルト・イルファの話は続く。
「そう。確かにその通りだ。新しい世界で神になる。リュージュはそう考えていたのかもしれない。そこまでは、はっきり言って彼しか知り得ないことだからね。ただ……ずっとリュージュはこんなことを言っていたよ」
一息おいて、バルト・イルファはゆっくりと言い放った。
「この世界の上位には、私たちが知り得ない別の世界が存在する。私はそこに干渉する存在になりたい……と」
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