《異世界で、英雄譚をはじめましょう。》第三百話 聖戦、東京⑩
「……罪ですか」
「まあ、私たちを裁く存在など、もはやもう誰も居ないわけだけれどね。仮にそれを可能とするならば……神の剣を持ったあの勇者だけかしら」
「フル・ヤタクミ、ですか」
リュージュは笑みを浮かべたまま、踵を返す。
「ええ。あの勇者がここまで辿り著く勇気を持っているか……いえ、持っていないと困るのよ。そうでなければならない。彼の持つあの剣こそがこの世界を破壊と再生の儀式に向かわせることの出來る、マスターピースなのだから」
「そういうものでしょうか」
ロマの言葉にリュージュは答えない。もうすっかり自分の世界にり込んでいったのだと悟ったロマは、そのまま部屋を出て行くのだった。
◇◇◇
「リュージュを倒しに行こう。先ずはそれからだ」
僕の言葉を聞いていたみんなは、なからず衝撃をけたようだった。
「リュージュを倒す、って……。この狀況をほったらかしにするわけ? ルーシーもまだ居るし、オリジナルフォーズだっていつ覚醒するか分からない……」
「でも、リュージュはあと二十四時間で世界を滅ぼすと言っている。それだけは止めないといけない。その計畫を遂行するわけにはいかないんだ」
「……その通り。そしてそれは僕たちにとって、一つの結論を導くには容易いことと言ってもいいのだけれど」
「どうして?」
メアリーの問いにバルト・イルファは溜息を吐く。
「メアリー・ホープキン。考えてみれば分かる話だ。……あのオリジナルフォーズも、シリーズも管理していたのはリュージュになる。正確に言えば、恐らくあのシリーズとやらはガラムドが管理しているということにはなるだろうが……」
「そうだ。今は希を捨ててはいけない。メアリー、僕たちは必ずルーシーを助ける。それは目標だ。世界も救うし、ルーシーも救う。それが僕たちの目標だ。それじゃ、だめかな」
「……だめなんて、言うわけ無いじゃない」
メアリーは涙を拭いながら、フルの目を見つめた。
「ほんと、あなたは何でもかんでも救いたがりの人間だよね」
「そうかな? 言われたことはないと思うけれど。そんなに、背負い込んでいるかな」
「そうだよ。だから、その背負い込み、しは肩代わりしてもいいんだから」
「うん。そうだね」
「……お取り込み中の所悪いが、方向は確定したという認識で構わないかな?」
バルト・イルファの問いに、僕は――僕たちは頷いた。
「よし。ならば向かうことにしよう。リュージュの要塞はどこに移したか、それを探す必要があるが……」
「探すしか、ねえよな」
僕の言葉に、メアリーはゆっくりと頷く。
バルト・イルファもそれを聞いて、しっかりと頷いた。
そうだ。今の僕たちにはそれしか無い。虱潰しに探すというのは一番手間と時間がかかるが、しかし確実な手段といえるだろう。それを行使出來るならば、行使したほうが一番だ。
そうして、僕たちは行を移した。
人類最後の一日にしないために。
誰しもが普通に生きる普通の一日を取り戻すために。
◇◇◇
首相邸。
「……だめです。どのような干渉もけません」
「その報告は聞き飽きたよ。ほかに何かいい言葉は見當たらないかね」
総理大臣と、その書が會話をしていた。
書は上空に浮かぶ要塞とのコンタクトを取ろうと試みていたが、そもそも通信が阻害されているようで、それが適わない。直接向かおうにも何らかの障壁が球狀に存在しており、たとえミサイルで撃しても傷一つつきやしないのだという。
自衛隊からけた報告を書は鵜呑みにしようとは思わなかった。なぜならそのようなものが仮に実在するならばそれはこの世界の技ではない。それは容易に想像出來るからだ。
勿論、今目の前に居る彼の上司である総理大臣にそれを告げたところで、機上の空論という一言で片付けられてしまうだろう。目の前に居る彼はやけに現実主義で、突拍子もなくやってきた非現実の塊をけれようとはしない。
いや、正確にはけれようとしてもけれたくないのかもしれない。科學技の鋭を誇っているこの國でも、何も出來ないという事実を。事実、この國は世界第三位の経済力を誇っている。にもかかわらず、手出しが出來ないというのはとても歯がゆい思いだった。
「……在日米軍に、協力を要請する手も座いますが」
「城塞を破壊しろ、というのか? あれに弾が埋め込まれていたらどうする。その衝撃で東京だけでなくこの國そのものが消失する危険すらあるぞ」
「障壁の破壊だけです。米軍ならば、我々よりも攻撃力の高い武を多くお持ちでしょう」
「障壁を破壊し、その後のネゴシエイションは我が國が行うということを、あの國が許すだろうか」
「そこは、総理にお任せします。渉條件に、米國との合同作戦で実施したとしても。いずれにせよあと二十三時間としでこの世界は滅亡してしまうのです。あの人間かどうか分からない悪魔が言うには」
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